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ロジックツリーを使いこなし、的確な問題解決を実現する

ロジックツリーを使いこなし、的確な問題解決を実現する

本書は、社会人一年目からベテランまでのみなさんに、普遍的に役立つスキルを身につけてもらいたい、それも、一過性のものではなく、15年、20年と、生き続けるスキルを身につけてもらいたいと思って書きました。決して、コンサルティング会社に勤める人のためだけのものではありません。

「はじめに」にはそう書かれていますが、ではなぜ、タイトルが『コンサル一年目が学ぶこと』(大石哲之著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)となっているのでしょうか? その点について著者は、外資系のコンサルティング会社出身者が、業界や職種を問わず、さまざまな場所で活躍しているからだと記しています。

そこで各界で活躍する元コンサルタントに取材し、そこから引き出されたスキル・経験について著者が解説を加えたものが本書だということ。きょうは第2章「コンサル流思考術」から、ロジックツリーについての解説に焦点を当ててみましょう。

ロジックツリーを使いこなす

コンサルティング会社に入って学べるものの筆頭は、ロジックツリー、構造化、問題解決手法といったロジカルシンキングの手順。そして本項で著者は、ロジックツリーを使いこなすことの重要性を説いています。その4つの意義は次のとおり。

1.一生使える

ロジックツリーや問題解決の手法は、時代に左右されないもっとも基礎的なスキル。一度おぼえてしまえば一生使え、繰り返し役に立ち、応用できるといいます。事実、著者が新卒で入社した15年前に書かれた本の内容は、いまも古くなっていないのだとか。つまり歳月を経ても、基本的な方法論はまったく変わっていないということ。

2. 全体が俯瞰できるようになる

ロジックツリーが描けるようになると、問題の全体像が見えるようになるそうです。多くの人は話を構造化できず、思いつきでバラバラと議論してしまいがち。しかしロジックツリーを描ければ、それぞれの話が全体のなかでどういう位置づけなのかを頭のなかで視覚化することが可能に。その結果、全体像からみて、本当に重要な話はなんなのかという判断ができるようになるということ。そして重要度の判断ができるようになると、次の2点ができるようになるといいます。

3. 捨てる能力が身につく

重要度が判断できるようになると、いらない部分を捨て、自信を持って重要な部分にだけフォーカスして時間を使うことができるのだとか。「捨てられない」のは、捨てる勇気がないのではなく、なにを捨てていいのかの重要度がわからないから。だからこそ、捨てるためにロジックツリーを使い、全体像を描き、幹の部分と枝葉の部分を区別できるようになることが必要だというわけです。

4. 意思決定のスピードが上がる

重要度の判断ができ、捨てることができれば、一瞬でものごとが判断できるようになるため、意思決定のスピードが飛躍的に上がるといいます。すると判断も的確なものになっていくので、仕事全体の質も上がるというわけです。(94ページより)

ロジックツリーの基本は、コンサルティング会社に入らなくても身につけられる

コンサルティング会社に入らなくても、その方法論は学ぶことができると著者は断言しています。その理由は、コンサルタントの問題解決に、なにかすごい裏ワザのようなテクニックがあるわけではないから。単に基礎的な方法論を応用しているにすぎないということです。

・大きくて複雑な問題でも、ロジックツリーを使って小さな問題に分解することで、それぞれの論点について議論ができる。

・それぞれの論点を分析することで、全体の答えを出すことができる。

(99ページより)

ロジックツリーによる問題解決のエッセンスは、端的にいうと次のように集約されるのだとか。(98ページより)

ロジックツリーによる問題解決の基本

著者はロジックツリーによる問題解決の基本について、『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』(齋藤嘉則著、ダイヤモンド社)に書かれている例題を引用しながら説明しています。「痩せるにはどうしたらいいか?」という問題の解決にあたり、『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』では次のように論点を整理しているそうです。

「痩せる」をロジックツリーで分解する

出展:『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』(齋藤嘉則著、ダイヤモンド社)P.93

「痩せるには」」という論点をツリー上に分解していき、漏れなく、ダブリなく、論点を洗い出しているというわけです。この例では、論点が次の6つに分解されることがわかります。

・口からの摂取量を減らす

・体内への吸収率を下げる

・脂肪を除去する

・脂肪以外の老廃物を除去する

・カロリー放出量を増やす

・基礎代謝を上げる

たとえばジムに通うというのは「カロリー放出量を増やす」と「基礎代謝を上げる」にあたり、サプリメントは「体内への吸収率を下げる」にあたります。このように整理したあと、それぞれの論点について数値分析を加える。そしてその結果を受け、「これが痩せるためにもっとも重要でインパクトがある」と思われるものを、アクション案に落とし込んでいくわけです。

ロジックツリーによる問題解決の基本

1.論点を整理・分解する

2.各論点について数値分析をする

3.項目の重みづけをする

4.アクションに落とし込む

(103ページより)

どの分析でも手順は同じで、コンサルティングの過程においては上記の手順を精緻に薦めているのだといいます。(100ページより)

実体験に基づいて緻密に説明されているため、無理なくポイントをつかむことができるはず。コンサルティングの可能性を応用するために、ぜひ読んでおきたい書籍です。

(印南敦史)

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