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HOW I WORK

「やめる」ことで幸せになる:『ヤバい経済学』の共著者スティーヴン・ダブナーの早寝早起き仕事術

「やめる」ことで幸せになる:『ヤバい経済学』の共著者スティーヴン・ダブナーの早寝早起き仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ第77回。雇用のない世界に仕事を生み出す社会起業家レイラ・ジャナ(Leila Janah)さんに続く今回は、スティーブン・ダブナー(Stephen Dubner)氏にインタビュー。

2005年にスティーヴン・D・レヴィット氏とスティーヴン・J・ダブナー氏が書いた『ヤバい経済学』(原題:Freakonomics)は、経済原則を用いて日常生活を解釈するという新たな視点をもたらしました。子育てから犯罪に至るまで、ありとあらゆることに経済学の光を当てたのです。さらに、私たちの行動の背後にある動機についても取り上げています。

『ヤバい経済学』は、ブログドキュメンタリーラジオ番組などにも広がりました。ダブナー氏がホストを務めるラジオ番組では、今でも「いろんなことの裏側」についてのトークが繰り広げられています。その後、何冊か続編が書かれており、売り上げはシリーズ合計で500万部にも上ります。そんなダブナー氏に、人生への接し方、執筆に使っているツール、そして仕事術について聞きました。

氏名:スティーブン・ダブナー(Stephen Dubner)

居住地:ニューヨーク(市)

現在の職業:ライター、ときどきラジオ。今はほとんどFreakonomics関連ですが、いつかそうでなくなるはず。

現在のコンピュータ:MacBook Pro

現在のモバイル端末:iPhoneとiPad。どちらも比較的古いモデルです。子どもたちの方がずっと新しい機種を持ってます。

仕事スタイル: 感謝を込めて

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

  • ユニボールのマイクロペン(黒)
  • MUJIの無地ノート
  • ノイズキャンセリングヘッドホン
  • フォームタイプの耳栓
  • おいしいコーヒー
  • 良質な睡眠
  • 家庭の平穏。家族が学校や病気で苦しんでいるときは、うまく執筆できません。

── 仕事場はどんな感じですか?

マンハッタンの自宅近くに1ベッドルームのアパートを借りて、オフィスにしています。毎日行く場所があることは重要ですね。静かで快適なオフィスには、書籍や論文を置いておける十分なスペースと、ラジオのレコーディングブースがあります。デスクは数年前から、スタンディングと着席兼用のものを使っています。たいてい、お昼まではスタンディングで、午後はほとんど座っています。街中を歩くのも大好きです。セントラルパークが至近なのですが、どちらかというと公園よりも通りを歩く方がいいですね。自然もさることながら、ニューヨーク(のほかどこでも)の人々ほど、刺激に満ちたものは知りません。

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この写真は、「Freakonomics Radio」のレコーディング用の小さなオーディオセットです。たいていはWNYCのスタジオでレコーディングをするのですが、自分のオフィスにもこうやって設備を持っておくと便利です。壁にかけてあるのは、イギリスの地質学者、ウィリアム・スミスの「世界を変えた地図」。サイモン・ウィンチェスターによる傑作の主題となった地図で、次回のFreakonomics Radioで特集予定です。

── お気に入りの時間節約術は何ですか?

他人に任せられることは何でも、任せることです(フルタイムのアシスタントを雇っています。最初はぜいたくかと思いましたが、今や欠かせない存在です)。毎朝早く起きて、数時間は邪魔の入らない状態にしています。毎日、その日取り組む仕事について、こと細かにスケジュールを決めます。これには、つまらないけどやらなければならないことも含まれます。最近では、「No」と言うのがうまくなってきました。これは誰にとっても大事なことだと思います。1日中やりたくないことばかりでは、日に日に気分が落ち込んでいくだけですから。

── 愛用中のToDoリストマネージャーは何ですか?

何年もかけて、Word文書やThingsなどのいろいろな方法を試してきました。でも、けっきょくいま愛用しているのは、ペンと紙、そしてiCalです。具体的な〆切があるものについては、iCalに入力して長い目で見られるようにしておきます。特定の日までに記事や本の章を描く必要がある場合、10日前にリマインダーを設定します。短期項目と長期項目の両方を含む毎日のToDoには、ペンと紙を使っています。内訳として、デスクワークと非デスクワークに分類しています。

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オフィスの主要部はこんな感じ。アシスタントが常駐しており、ときどきここでミーティングをします(左側のちょっと隔離されたところに執筆室があります)。窓の左にある亀を抱えた少年の絵は、私が子ども向けに書いた本『The Boy With TをBelly Buttons』に掲載されている、Christoph Niemannさんによるイラストです。

── 携帯電話と PC 以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

この質問は、まるで携帯電話とPCは必須みたいな聞き方ですね! 必須ガジェットの1つはPlayStationです。息子とよく、最高のサッカー対戦を繰り広げています。勝つのはいつも息子ですが。

── 日常のことで「これは他の人よりうまい」ということは何ですか?

他人よりもうまいことなんて、何もないと思います。比較的得意なものとしては、次の3つぐらいでしょうか。

  • どんなに早くても、計画通りに起きる(普段は5時起きです)。
  • 事前に1日の準備をする。毎日寝る時間までには、翌日の仕事について考えておきます。そうすることで、寝ている間に考えを漬け込むことができます。
  • 時間厳守(3分遅れるぐらいだったら、30分前に着きます)。

── 仕事中、どんな音楽を聴いていますか?

通常は何も聞きません。音楽は邪魔になりますから。特定の種類のメール返信など、一部の作業であれば、歌のない音楽をかけることがあります(Pablo Casalsによるバッハなど)。運転中やランニング中は、ラジオ(WNYCなど)やポッドキャストを聴くのが大好きです。

── 現在、何を読んでいますか?

同時にたくさんの本を読みます。けっこう面倒なんだけど、これがなかなか魅力的なのです。いま読んでいるのは、メイン州ポートランドの素晴らしい古本屋で見つけた、古いゴルフの本の数々。例えば、George Plimptonの『The Bogey Man』(Plimpton作品の中ではお気に入りではありませんが、Plimpton作品にハズレはありません)とか、先日読み終えた(おもしろかった)のはBen Ryder Howeの『My Korean Deli』。いま読んでいるのは、『Ill Fares the Land』(Tony Judt)、『Eating on the Wild Side』(Jo Robinson)、『Who's Bigger?: Where Historical Figures Really Rank』(Steven Skiena and Charles B. Ward)、『Choose Yourself』(James Altucher)など。それから、スペイン語の教科書(興味本位でスペイン語を勉強中です)や、子どもたちが今年読むと思われる本(SteinbackやOrwellのほか、近代作品も)も読んでいます。

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どこにいても、たくさんの本をしまっておける本棚が重要です。誰かのうちやオフィスに遊びに行って、本がないとがっかりします。いちばん右の本棚は自分の本を置いています。Freakonomicsの外国語版もありますよ。

── あなたは外向的ですか、内向的ですか?

両方の性格を持っていると思います。ひとりでいられる時間はとてもハッピーですが(作家になった理由はこれによるところが大きいと思います)、たくさんの人と過ごす時間もハッピーです(家族を持ったり、素晴らしいスタッフと一緒にポッドキャストを作っている理由はこれです)。人ごみはそんなに得意ではありませんが、人ごみの中にいることがよくあるので、自分をごまかせるようになりました。

── 睡眠習慣はどのような感じですか?

寝るのは大好きです。心身の健康の基礎として、食事や運動には気を使うのに、睡眠を過小評価している人が多いような気がします。また、睡眠の神秘にもひかれています。私たちの身体は、再生、毒素の排出、記憶の固定などのために、人生の3分の1は無意識状態に陥らなければなりません。だから私は、早寝早起き(22時就寝、5時起床)を心がけています。特に旅行中は、耳栓とアイマスクを使って寝ます。冗談みたいですが、私にはそれが合っているようです。

── あなたが受けたものと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

Harry Houdiniです。

── これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

このところ、何かをやめることのメリットを本当に理解できるようになりました。それは、直感には反するかもしれません。なぜなら私たちは、何事もできるだけ続けるように忠告されてきたのですから。でも、ここ数年、望ましい期間よりも長く執着してしまいがちな物事をやめることで、だいぶ幸せになっている自分がいます。

Andy Orin(原文/訳:堀込泰三)

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