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伝える力にあふれたプレゼンをするための7つのコツ(グローバル対応版)

伝える力にあふれたプレゼンをするための7つのコツ(グローバル対応版)

横並びでがんばっていれば成功する、という時代は終わりました。自分の意見をきちんと持ち、それを伝え、議論することができなければ、プレゼンス(存在感)がなくなってしまう。そういう時代になってきたのです。(「はじめに」より)

だからこそ、自分の意見をきちんと伝え、相手の意見に建設的にコメントし、気持ちよく意見交換し、議論を楽しむことが大切。『自分の考えを「伝える力」の授業』(狩野みき著、日本実業出版社)を通じ、著者はそのようなことを訴えています。ひとつひとつが論理的で興味深いのですが、きょうは「Lesson 4 日本人のためのグローバル・プレゼン講座」から、「グローバルプレゼン13のコツ」内の主要な7つを引き出してみます。

コツ1 聴衆とのアイコンタクトは、後ろに座っている人から

プレゼンなど大勢の人を相手に話をする場合は、後ろに座っている人から見はじめた方がいいと著者は言います。いちばん前の人を見ると、顔が少し下を向くことになります。しかし後ろの方を見れば、顔は上を向きます。顔を上に向けると、自信があるように見えるもの。そこで、「私はこれから話すことに、自信と情熱を持っている」という感じを出すためには、後ろの方から見るのが効果的だというわけです。(210ページより)

コツ2 自分のことばで、本音を語る

ビジネスのプレゼンであっても、自分のことばで本音を語ることは大切。よく理解していないことばや、相手が理解できなさそうな専門用語を使うなどもってのほか。借りもののことばで上っ面の内容を語っても、熱意や誠意は伝わらなくて当然です。

日本語には定型表現が多く、また日本では「自分」を出すことがタブー視されることも多いせいか、「公の場では、自分のことばで語るべきではない」というような雰囲気があります。しかし、決まりきった表現が散りばめられたスピーチは、やはり心には響きにくいということです。(211ページより)

コツ3 「語る資格がある」ことをアピール

異業種交流の場や地域の集まりなど、自分の職種や背景が聴衆に明らかになっていない場においては、「私はこれについて語る資格がある」と主張することが大事だといいます。それは、「この人の話、信じていいの?」と思わせないための策。難しそうにも思えますが、意外に簡単。自己紹介のとき、自分はこれから語るテーマを「仕事にしている」「勉強した」「かつて仕事としていた」「経験した」などと伝えれば、それだけでいいそうです。(212ページより)

コツ4 数字は、聴衆がイメージしやすいものに加工

数字を扱う場合は、聴衆にとってわかりやすいかたちに「加工」することが重要。たとえば「1000時間勉強すれば身につく」ということを伝えたい場合であれば、「毎日1時間を1000日、つまり、3年近く続ければ身につく」と言った方がイメージしやすいというわけです。

また、聴衆のタイプに応じ、表現を変えることも大切。たとえば、最高時速300キロで走る電気自動車についてプレゼンする場合、専門知識のない人が相手であるなら、「この車は最高時速300キロで走る」と言うよりも、「東海道新幹線の最高時速が285キロですから、それよりもさらに15キロ分速い」と言う方が、数字にドラマが加わって、情報がおもしろくなるということ。(213ページより)

コツ5 一に練習、二に練習。それでも緊張したときは?

プレゼンを成功させるためには、一に練習、二に練習。どんなに素晴らしい内容も、何度もとちっていては伝わりづらいですし、全部暗記しても棒読みでは聴衆の心に届かないということ。また練習には、「緊張対策」としての効果もあるといいます。何度も練習して完璧に近づけていくことで、「自分は絶対に大丈夫だ」という自信が生まれるということです。

しかし、それでも緊張するときはあるもの。そんなときは「緊張して、もし失敗したらどうなる?」と自問すると、気が楽になることも多いとか。また、「緊張しないで望んだ本番は、たいてい失敗する」と言い聞かせると、逆に落ち着くことができるそうです。緊張している状態を受け入れてしまうわけです。(214ページより)

コツ6 イントロは、「おもしろさ」より「全体の予告」に

プレゼンのイントロは、全体の10~20%の長さが相場。そこでイントロには、聴衆の心をぐっとつかむような内容を持ってくるべき。ちなみに聴衆を引きつけるイントロとしては、「ストーリーからはじめる」「聴衆に質問を投げかける」「データを引き合いに出して、トピックの重要性を訴える」「聴衆をびっくりさせる」「好奇心を刺激する」などが代表的。そして「質問」については、プレゼンでは次の3タイプがよく使われるそうです。

1.質問というかたちを借りることで、メッセージを強調する

変化の激しい業界にいる人たちを相手に「ビジネスモデルを変えるべきではないでしょうか」と問いかけるなどの場合は、聴衆に答えを求めているのではなく、「変えるべきだ」というメッセージを強調することになるという考え方。

2.実際に聴衆に挙手を求める

「きょう、電車でここまでいらっしゃった方は?」など、質問に答えてもらうことで聴衆を引き込む手法。

3.挙手なしに、ひとひとりに考えてもらう

たとえば、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けた新ビジネスについてプレゼンする際、「2020年までに、日本はどう変わっているでしょうか」などと問いかけると、聞いている側は「そう変わっているかなあ」と考えながら話を聞くことになるというわけです。(216ページより)

コツ7 聴衆と自分を同じレベルに置く

プレゼンをする側と聞く側が、違う世代やグループに属するときは、「私とあなたたちは、違うように見えて同じなんです」とアピールすることが大事だといいます。そうしないと聞く側は、「所詮、自分とは別世界の人間の言い草だ、他人事だ」とまじめに聞かなくなるかもしれないから。職種も地位も違う人たちが相手なら、「私はみなさんとは、職種も立場も違います。でも、思いは一緒であるはずです」などと言うことが可能。

また、話し手がなんらかのアドバンテージ(優位性)を持っている場合は、相手に不要なコンプレックスを抱かせないために、相手と自分を同じレベルにおくことも重要。「あなたは恵まれているからいいでしょうけれど」と思わせた時点で、きちんと聞いてもらえなくなる可能性が生じることに。だからこそ、聴衆との「レベル調整」は、話を受け入れやすくするための環境設定だと著者は記しています。(219ページより)

本書は基本的に、「伝え方」「質問力」「コメント力」「意見交換のルール」「プレゼン講座」という順序で話が進められていきます。だからこそ、「伝える力」を多角的に身につけることができそうです。

(印南敦史)

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