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動くトイレをつくろう:ライフハッカーとデザインムジカが制作する「小屋」ドキュメント vol.2

動くトイレをつくろう:ライフハッカーとデザインムジカが制作する「小屋」ドキュメント vol.2

10月4日から東京・虎ノ門で開催される日本初の小屋展示会「小屋展示場」。14組の制作チームがそれぞれ小屋を出展しますが、ライフハッカーは、デザインムジカとコラボレーションを行うことになったのは前回の記事「虎ノ門で開催の「小屋展示場」にトイレ型書斎を出展!ライフハッカーがものづくりに挑戦します。」でご報告しました。

私たちの作品のデザイン・設計のコンセプトや概要は、小屋を立方体ではなく十二面体の形にして、それぞれの面の内面・外面でさまざまなバリエーションの意匠を凝らすというもの。

そして、その十二面身体の側(がわ)は御神輿型で人が担げるようになっており、さらに座イスとなるトイレは「トイレット・スワン号」として足漕ぎペダルで駆動するものにすること。設営の際は、それらを「モバイル」して、会場で十二面体とトイレを合体させて完成させる、ということまでは決まりました。

次に取りかかるのは「どんなトイレを選ぶのか?」。株式会社LIXILさんが便器の提供で相談に乗ってくださることになりました。さっそく東京・西新宿にある、LIXILさんのショールームをデザインムジカの安藤僚子さんと「小屋展示場」主催のSuMiKaの佐藤純一さんと米田は訪れ、実際に最新型の便器を見せてもらいました。

多機能な最新トイレに大興奮

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株式会社LIXILの三中西さんから丁寧な説明を受ける一同。

出迎えてくださったのは株式会社LIXILの藤田修さんと、三中西洋一さんのお二方。特に三中西さんは、「トイレ・洗面 グローバルビジネスユニット トイレ・洗面商品部 主査」というトイレのプロです。今回、主にご紹介していただいたのは"シャワートイレ一体型洋風便器"のタンクレストイレ「SATIS(サティス) 」というシリーズでした。

スマホ連動トイレの機能とスピーカーをフル活用したい!

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サティスシリーズの中でも、私たちが注目したのが便器とスマホの連動機能。スマホに専用のアプリをダウンロードすれば、Bluetoothでお手持ちのスマホがリモコンになり、シャワーノズルの洗浄位置や水量の強弱など、シャワートイレをお好みの使い心地に設定できるというものです。「トイレ日記」という日々の排便状況をカレンダー上に記録して、健康管理に活用できる機能までついています。

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スピーカー部分を撮影する米田とデザインムジカの安藤さん。

特にスマホに保存している音楽をトイレ本体のスピーカーで再生できるという点には一同狂喜乱舞。トイレがスピーカーになる!「これは『IN & OUT & GO(号)』に使えるぞ」と米田と安藤さんは目を輝かせました。もちろん、最初から内蔵されている音楽もモーツアルトやエリック・サティ、バッハなど心を落ち着けるクラシックのメロディが15曲揃えられています。が、しかし、せっかくなら、作品内で流す音楽も自分たちで決めたいな、と感じました。

さらに「ほのかライト」はセンサーが人を感知して、便器鉢内と足元をほんのりと照らします。これも「IN & OUT & GO(号)」の作品づくりに照明としてぜひ取り入れたい機能です。

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また、「鉢内除菌」「お掃除リフトアップ(便器と便座の間の、拭き取りにくい拭きすきま汚れもしっかりお掃除)「省エネ便座」等々、数えきれないほどの高機能を備えています。こんなトイレを開発するのはやっぱり日本人の細やかな気配りがゆえでしょう。シャワートイレの開発は言うまでもなく、日本は「トイレ大国」なのだと改めて痛感させられた次第です。

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米田・安藤ともに実際に座ってサティスの座り心地に感動。

残念ながら今回の展示では水は使えず、水と電気の節約と汚れ落としに徹底的にこだわった水流システムも利用できないのですが、サティスシリーズの便座は人間のお尻の形に合わせて絶妙なカーブを描く設計となっていて、長居しても疲れないといいます。これはトイレ型書斎という私たちのコンセプトにもうってつけじゃありませんか!

そして、便座自体が温まる暖房機能までついているので、これからの季節、エアコン要らずで過ごせるのもかなりグッドです。

トイレ空間のコンパクトな収納機能にも注目

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収納とインテリアリモコンが収まったサティスの機能部。

トイレというコンパクトな空間での収納機能もLIXILさんは追求されていました。収納扉を手前に引いたり、横にスライドさせたり、わずかな奥行きでもキャビネットの収納は充実の一言。わたしたちの作品制作でも、この狭い空間の生かし方というのはぜひ参考にしたいところです。

「このサティスシリーズの『サティスS』を使わせてもらって、作品をつくろう」と決めた米田と安藤さん。「小屋展示場」開催まで3週間しかありません。さっそくLIXILさんのご好意により高機能トイレを発送の手配をしていただくことになりました。

移動可能なトイレの制作はTASKO.incに依頼

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TASKO.inc事務所にデザインムジカとライフハッカーで押し掛けて夜中の会議がスタート。

LIXILさんのサポートにより便器も決まって、次第に士気が盛り上がってきた「IN & OUT & GO(号)」プロジェクト。しかし、大きな問題が残っていました。

通称「トイレットスワン号」という移動可能な便器の駆動部分の制作です。ペダルを回す、もしくは踏みつけて前に進む便器をつくるという今まで見たことがないものです。しかも、小屋である上部と合体しなければならないため、スペースの制約もある。可能なら、肘掛けや作業台なども備える快適なワークステーションにしてほしい...。

この難題に、さらなる頼れるパートナーがジョインしてくれることとなりました。「業界騒然のニューものづくり工場」と銘打ち、舞台や機械の製作・デザインなどを手がけるTASKO.incです。近年では、ドラえもんの「ひみつ道具」を実際に作ってみるという富士ゼロックス「四次元ポケットPROJECT」への参加や、ももいろクローバーZの衣装制作、ハイパーニットクリエイター・力石咲によるインスタレーションの動力部分制作などを手がけています。

TASKO.incも出演する富士ゼロックス 「四次元ポケットPJ 第一弾 セルフ将棋」篇(120秒)

「自走できる便器」に向けて打ち合わせた夜

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TASKO.incの髙花謙一さん、佐藤方紀さんと綿密にトイレットスワン号と十二面体の寸法について打ち合わせ。

寸法が合わないと合体できません...。

去る9月13日、TASKO.incの武蔵小山ファクトリーをデザインムジカ、ライフハッカー[日本版]編集部が訪問し、ミーティングを行いました。デザインムジカの安藤さんは「さっき完成したばかり」という1/5スケールの模型を携えて登場です。

今回協力してくれるTASKO.incの髙花さん、佐藤さん、二村さんとの顔合わせも早々に、スワン号の制作を打診。アイデアスケッチや、全体図と骨組みそれぞれの模型を手に、安藤さん、そして米田がつくりあげたい小屋についてプレゼンします。始めこそじっと話を聞いていたTASKO.incのみなさんも「このスペースだとタイヤを収める幅が狭いので、もう少し小屋を広げられませんか」など、制作サイドからの意見を交えてのディスカッションとなりました。

マッカーサー道路を走る...かもしれません

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「IN & OUT & GO」の図面データ。底には神輿として担ぐため2本の柱が通される。

小屋は、まるで卵の殻がきれいに割れるように、上下あるいは左右に分割できる形となる予定です。さらに安藤さんは「室内に電子ペーパーを仕込んで模様を表示させたり、壁面を緑化させたりもしたい!」と、前回のアイデアスケッチからイメージをより膨らませ、実際に協力してくれる新たなパートナー選びを進めていました。

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前から見た「IN & OUT & GO」の図面。

そしてTASKO.incに難題であったスワン号の制作をお願いしたことで、より具体的に完成へ近づいてきた「IN & OUT & GO(号)」。搬入では、小屋部分を神輿にしてみんなで担ぎ、スワン号を米田が漕いで追いかける予定です。

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米田のリーチを計る。便器に座りながら壁面のあらゆるものに手が届くよう設計したいところ。

「スワン号が自走するなら、会場のある虎ノ門まで、これに乗って新橋のマッカーサー道路を走る!」という話にまで発展。LIXILの最高級便器に座り、必死にペダルを回している姿を想像するだけで、妙なおかしみがあふれてきます。あぁ、早く観たいけれど、どうなるのか...怖い。もちろん、今後はそのプロセスもすべてレポートしていきます。

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十二面体のそれぞれの面にはさまざまな意匠を凝らします。壁面緑化にもトライしてみたいところです。

今回、ライフハッカーとデザインムジカによる小屋プロジェクトに株式会社LIXILさんとTASKO.incさんが加わりましたが、この後も続々とコラボレーターが登場します。ご期待ください!

(文/米田智彦、長谷川賢人、写真/デザインムジカ、長谷川賢人)

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