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全米オープンのデータをリアルタイムで音楽に変えるIBMの試み

全米オープンのデータをリアルタイムで音楽に変えるIBMの試み

日本人初の決勝進出を果たした錦織圭選手が出場する全米オープン。明日の決勝戦はWOWOWの独占放送となっているため地上波で見ることはできませんが、それでも試合が気になる人はIBMの新しい試み「The U.S. open sessions」をチェックしてみてはいかがでしょう?

音楽を作るのはアルゴリズム

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アルゴリズムがテニスのデータを音楽に変える

米国の音楽家、ジェームス・マーフィー氏が手がけるこのプロジェクトは、IBM社が提供するクラウドサービス「IBMクラウド」の技術を使い、テニスの試合から生まれるデータをリアルタイムで音楽に変換する、というものです。

マーフィー氏によると、このプロジェクトの要はコンピューターアルゴリズムであり、音楽家である彼のクリエイティビティではないそうです。同プロジェクトの経緯やこぼれ話を紹介する「Behind The Scene」で、マーフィー氏は次のようにコメントしました。

ロボットに指令を与えるような感じです。アルゴリズムができたら、とりあえず椅子にでも座って、どんな音楽になるのか確かめるんです。

つまり、マーフィー氏自身が音楽を作曲しているわけではないし、演奏するわけでもありません。彼の役割は、集めたデータに応じてどんな音楽を出力させるかを決めることなのです。

また、これまでリアルタイムで演奏された音楽は、すべて合わせると400時間にもなるのだとか。「もちろん、400時間もぶっ続けで音楽を演奏したわけではないよ。これは機械が作った音楽なんだ」とマーフィー氏。

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音楽家のジェームズ・マーフィー氏は作曲も演奏もしていない

ただ、マーフィー氏は音楽家であって、コーディングがわかる開発者ではありません。このプロジェクトは、音楽家とIT専門家がタッグを組んで実現しました。開発者の1人、パトリック・ガンダーソン氏は次のようにコメントしました。

このプロジェクトは3つに分かれています。テニスのデータを集める部分、音楽を発信する部分、この2つの間にあるデータを音楽に変換する部分です。ここでは、テニスの試合から得られたデータ(エース・ダブルフォルトの回数、ボールの速度、サーブ回数など)を音楽に変換しています。ここで、アルゴリズムが使われるのです。

世界各地で遠隔のコラボレーション

開発はロサンゼルスで行われましたが、マーフィー氏がニューヨークやデンマークにいる間もプロジェクトは進められました。この点、ファイル管理、コーディング&テストなどをするのに、クラウド技術が大きな役割を果たしたそうです。IBM社が提供する「IBMクラウド」を始めとして、コラボレーティブ・ライフサイクル・マネジメント(CLM)や、IBM Connectionsといったサービスが活用されました。

錦織選手の試合も音楽に

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これまでの試合はすでに音楽になっている

IBMのサイトを確認すると、試合別に音楽が聞けるようになっています。サイト自体は英語ですが、スコアも表示されるので、試合状況を見逃すことはないでしょう。

もちろん、先日決勝進出を果たした錦織選手の試合も音楽になっています。そして、9月9日の早朝に行われる決勝戦もリアルタイムで音楽化されます。曲を作ったのは機械ですが、その向こうで戦っているのは生身の人間です。明日の朝は早く起きて、音楽を聞きながら錦織選手を応援しましょう!

The U.S. open sessions|IBM

(大嶋拓人)

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