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日本人に欠けている6つの能力を、オックスフォード大学の考え方に学ぶ

日本人に欠けている6つの能力を、オックスフォード大学の考え方に学ぶ

世界を変える思考力を養う オックスフォードの教え方』(岡田昭人著、朝日新聞出版)の著者は、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授、オックスフォード大学教育学博士。日本人で初めて、オックスフォード大学教育大学院で教育学の博士号を取得した人物だそうです。

歴史上の偉人も含むOB・OGの実積から、オックスフォード大学の理念をひと言で表すとすれば、それは「常識を打ち破る」ということです。(Prologue「オックスフォードの『教え方』が、なぜ今必要なのか」より)

この一節からもわかるとおり、著者は本書で、世界を舞台に活躍するグローバル人材になるために必要なこと、とりわけ原題の日本人に欠けていると思われる「6つの能力」について解説しているわけです。

1.統率力:自然に人の上に立ち、他のものをリードする力

2.創造力:模倣を繰り返し、そこから斬新な発想を生む力

3.戦闘力:相手の意思を尊重しながら、結果的に自身の主張を通す力

4.分解力:問題解決の近道として問題の所在を分析する力

5.冒険力:試練や苦難を糧として邁進する力

6.表顕力:自信を深く印象付ける力

(6ページより)

これら6つの能力は2つに大別でき、双方を統合することによってさらに強力な能力が生まれるのだとか。それぞれについての解説を引き出してみましょう。

リーダー以外も発揮すべき「統率力」

「統率力」とは多くの人をまとめて率いていく能力や素養、つまりは「リーダーシップ」のこと。そしてオックスフォード大学(以下OXON)のリーダーシップについての考え方には「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者に伴う義務や責任)」を持っているという共通点があるのだそうです。

1.社会全体に対する自分の役割と責任をしっかり認識している

(職務だけではなく、社会のためにも役立ちたいという気持ちがある)

2.誰に対しても分け隔てなく公平である

(自分の上司と部下と接するときにどちらともバランスのとれた行動ができる)

3.寛大かつ忍耐力がある

(人に対していつも丁寧で優しい態度を示し、かつ他の人のため忍耐する気持ちを持つ)

(64ページより)

ノブレス・オブリージュについて、これら3つの特質を持った人のことを表す言葉だと著者は説明しています。(62ページより)

「創造力」は0(ゼロ)から生まれる

OXONの教育では、まず疑ってみること、批判精神を持つことの大切さを教えるのだとか。最初からいろいろなことを知っていなくてもいい、たとえ「0」でもかまわない。肝心なことはさまざまなことに興味を持ち、果敢に行動する習慣を身につけることだという考え方です。(90ページより)

日本人に決定的に欠けている「戦闘力」

「和」を重んじる日本では「対立=悪」として避ける傾向が強いもの。もちろん協調性を重んじる姿勢も大切ですが、グローバルな大競争時代においては、相手を納得させ、自分の考えを通すことのできる人材として次の4つが必要だそうです。

1.競争モード:圧倒的な差をつける

2.受容モード:相手の意見を部分的に入れる

3.回避モード:問題を正面から回避し、自分の意見を出す

4.協調・妥協モード:目的は一つであることを強調

(140ページより)

そして対立をできるだけ友好的に解決していくためには、「相互に本音で話し合える場をつくり」、「共通課題を発見し」、「解決に向けて協力して対処策を出す」こと。そして、その対処策をお互いに評価し合うことが大切。(126ページより)

哲学と仮説で磨かれる「分解力」

分解力とは、正解のない問題にいかに向き合うか、その姿勢を意味するもの。さらに言えば、自ら課題を設定し、論理的に考え、自分なりの結論を導き出すプロセスにおける心構えだそうです。そして分解力の基本プロセスは次のとおり。

1.情報収集

2.仮説を立てる

3.解を導く

(164ページより)

問題に取り組むとき、漠然と考えるよりも仮説を置いて考えることによって、分析・調査の効率が上がり、分析力が身につくというわけです。(160ページより)

内向き志向の対極にある「冒険力」

冒険には3つの「間」、すなわち「時間」「空間」「仲間」が必要。冒険する「時間」をつくり出し、どこの「空間」に行くのかを考え、一緒に行動してくれる「仲間」がいれば、なにも恐れることはない。そして毎日ルーティーンな生活を送っていると思考がマンネリ化してしまうため、そういった状況を打破するためにも日常生活で簡単にできる「ライト」な冒険をしてみるべきだと著者は説いています。(194ページより)

自分を伝え、相手を知る「表顕力」

「表顕力」とは、育った環境、受けてきた教育、交流してきた人々との関係性、すべてがうまく解け合い、さらにマナーや礼儀、ファッション性などが加わることによって発揮されるものだといいます。そして大切なのは、自分の話したい意見の本筋を見失わないこと、相手を気遣う心、場を盛り上げる一芸や話術を持っていることだとか。(226ページより)

OXONで著者が身につけたというこれらの考え方について、本書ではさらに深く解説がなされています。グローバルな感覚を身につけるためにも、読んでみて損はないと思います。

(印南敦史)

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