特集
カテゴリー
タグ
メディア

あと少しのところで失敗した時に覚えておきたい、1つの研究結果

あと少しのところで失敗した時に覚えておきたい、1つの研究結果

途中までうまく行っていたのに、運が悪かったり、タイミングが悪かったり、予想もしなかったことでつまづいたりして、あと少しのところで失敗することがあります。技術やアプローチの仕方は正しくても、単に風向きが悪かったのです。

頭では分かっていても、そんな経験をすると頭にきたり、落ち込んだりします。米ブリガムヤング大学の最近の研究によると、すんでのところで目標を達成できなかった場合、やり方は間違っていないという事実を忘れ、過剰に反応してしまう人が多いことが分かりました。「Management Science」に載っていた研究では、バスケットボールの監督という特殊な職業の人たちを対象に調査していました。

「結果バイアス」に囚われない

その研究の共同執筆者は、NBAの試合結果のデータを20年分調べ、すんでのところで勝った試合と負けた試合での、監督が根本的に戦術を変える頻度を比較しました。バスケットボールファンならご存知でしょうが、僅差で勝った時は運が良かっただけだと結論付けがちですが、経験豊かな監督は冷静さを保ち、結果を見ただけでチームに根本的な変更を加えるべきではないと分かっています。しかし、監督という人種は本当に負けるのが嫌いなので、我慢できないことがあります。

技術系の専門用語でこのような状態を「結果バイアス」といいます。これに囚われた監督は、最終スコアに気を取られ過ぎて、基本的な戦略が妥当だったかどうか十分に検討しなくなります。結果バイアスに囚われていると、僅差で勝った後よりも、僅差で負けた後の方が、大きな変更を加えます。ブリガムヤング大学の経済学教授で、この研究の共同執筆者であるBrennan Plattさんは、このように説明しています。

1点差で負けるのと、1点差で勝つのでは、ほとんど差がありません。「勝ちは勝ちだ」と言っていると、本当に強くなって勝つために大事な情報を無視し、僅差で負けると過剰に反応し、僅差で勝つと自己満足してしまうことになります。

リーダーのための教訓

僅差で負けたからといって、早まって戦略を変更したために、どんな結果になったと思いますか? シーズン平均よりも多く負けてしまいました。Platt教授によると、他のどんな職業の人でも、成功しそうだった戦略が運が悪くて上手くいかなかった時は、同じように過剰に反応してしまうことが多いのだそうです。教授は、社員の失敗に対する上司の反応を例として紹介してくれました。

ビジネスの目標というのは、売上ノルマを達成したのか、患者は回復したのか、飛行機は予定通りに到着したのか、という具合に、できたか・できなかったかで結果がハッキリと分かれることが多いです。そこに至るまでの経過も含め、すべての情報に気を配らなければなりません。社員の能力を評価し始める前に、コントロールできないことを考慮すべきでしょう。どのくらい目標とかけ離れているかという、目標の達成度合いに目を向けることで、運が悪かっただけなのかどうかが分かります。

部下の評価や仕事の方針を検討する前に、結果に重きを置き過ぎていないか少し意識してみましょう。

Failed? Maybe You Shouldn't Change a Thing|Inc.

Jessica Stillman(訳:的野裕子)

Photo by Shutterstock.
swiper-button-prev
swiper-button-next