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無理せず無駄なく実現できる「草食系」社員のキャリアマネジメント

無理せず無駄なく実現できる「草食系」社員のキャリアマネジメント

輝かしいバックグラウンドや資格を武器に、外資系企業を飛び回ってばりばりとステータスや年収を上げていく人たちを「肉食系」と称するならば、そうでないわたしたちは「草食系」に譬える(たとえる)ことができるでしょう。

■日本の企業で、

■特殊な武器や経験(語学力資格、技術など)もなく、

■日々、与えられた仕事をただこなしてきた

そんな「草食系」もキャリアアップを考えなければならない時代なのです。

(「はじめに」より)

無理しないから無駄もない 「草食系」社員のためのお手軽キャリアマネジメント』(沢渡あまね著、日刊工業新聞社)は、こうした考えのもと、現在も製造業の現場にいるという著者が手軽なキャリアマネジメントを紹介した書籍。第1章「働き方をシフトせよ!」に焦点を当ててみます。

「貯金」する働き方から「資産」を「運用」する働き方へ

年次や職位が上がれば仕事は増える一方。そんな状況下で大切なのは、「効率よく仕事をこなす」こと。そのためには、自分自身の過去に着目することが重要だと著者は説いています。20代後半を過ぎれば、誰しも実積・知識・ノウハウ・身についたスキルなどが相当あるはず。ましてや30代、40代ならなおのこと。つまり、それらをどんどん発見(発掘)して活用するということ。

・あのときやった、あのやり方

・あのときつくった、あのプロセス

・あのとき考えた、あのアプローチ

・あのとき適用した、あの考え方

こうした自身の内部に眠っている資産を、現在の仕事を効率よく回すために再利用する。これを資産運用にたとえると、次のようになるといいます。

スキル資産の効率的な運用

① がむしゃらに働いて得た、経験・実積・苦労・知識・能力など →「貯金」

② ①の結果として得られた、経験・実積・苦労・知識・能力など →「資産(自分資産)」

③ ②を新しい仕事に適用・運用すること →「投資」

④ 新しい仕事を通じて得た、経験・実積・苦労・知識・能力など →「利益」

⑤ ②+④ →「総資産」

いわば、自分の過去である「自分資産」を活かし、いかにラクをするかを考えようという考え方です。これは「目先のラク」を追究するためだけのものではなく、新たなチャレンジをも助けてくれるのだとか。(34ページより)

自分資産運用型のキャリアマネジメントモデル

「自分資産」の投資回収は、以下の5ステップによって進めるそうです。

1 「自分資産」を棚卸しする

① 自分の「引き出し」を整理する

② 自分を「部品化」する

まず「自分資産」としての自分自身を、「引き出し」「部品」のかたちで洗い出す。ここでいう「引き出し」「部品」とは、自分がどこで、なにをして、なにを身につけてきたか? そしてどんなことができるか? つまりビジネスパーソンとしての経験・実積・苦労・失敗・身につけた知識やノウハウ、能力など。ここで洗い出した「引き出し」「部品」が、キャリアマネジメント活動の肝。

2 「投資」の準備をする

① 自分の「引き出し」「部品」の組み合わせで得られる価値を想像する

② 足りない「引き出し」「部品」を見極める

③ 他人の「引き出し」「部品」を知る

④ 自分の「引き出し」「部品」をアピールする

「投資」とは、新しい仕事にチャレンジすること。これらは、その前の準備だというわけです。自分の「引き出し」「部品」を組み合わせたらどんな力(価値)を発揮できるのか想像し、足りない「引き出し」「部品」を明確にし、そこを補うための手段を考えておく。そして自分がどんな「引き出し」「部品」を持っていて、それらを組み合わせたらどんな新しいことができるのかを周囲にアピールすることが大切。

3 「投資」をする

①「引き出し」「部品」を組み合わせる

②足りない「部品」を調達する

新しい仕事をこなすフェーズ。棚卸しした「引き出し」「部品」を実際に使い、パフォーマンスを発揮する段階

4 「回収」をする

① 自分の「引き出し」を再整理する

② 自分の「部品」のラインナップを追加する

新しい仕事を通じて得た「引き出し」「部品」を確認し、棚卸しをし、総資産を整理する。

5 チーム全体のパフォーマンスを向上させる/価値を高める

① メンバーの「引き出し」を整理する

② メンバーを「部品化」する

③ メンバーの「引き出し」「部品」の組み合わせで得られる新たな価値を想像・創造する

このフェーズは、管理者やリーダーを対象としたもの。管理者やリーダーは、自分自身のみならずチームメンバー全体の「資産」(=「引き出し」「部品」)を把握し、チームメンバー同士の組み合わせに夜新たな価値創造を考え、促進していくことが重要だということです。(40ページより)

自身の経験に基づいて書かれているため、考え方はきわめて明快。少し前に発行された本ですが、きっと役に立つと思います。

(印南敦史)

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