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外資系企業で培った、ビジネスを活性化させるための6つの交渉メソッド

外資系企業で培った、ビジネスを活性化させるための6つの交渉メソッド

タフな商談を必ず勝ち取る 外資系の交渉術』(岩城徹也著、こう書房)は、交渉上手になり、相手といい関係を長く続けられるノウハウをわかりやすく詰め込んだ書籍。タイトルからも推測できるとおり、基盤となっているのは長く外資系企業に勤めたという著者の経験です。

それだけ聞くと、あたかも交渉上手な人が書いた本のようにも思えますが、著者は交渉が大の苦手だったといいます。人前に出ると赤面し、会議では発言もできずにただ座っているだけ。結果、「無口君」というあだ名がついたといいますからかなりのもの。

にもかかわらず、セールスマネージャーや社内営業研修の講師まで務められたのは、自分なりの考えや工夫を実践したから。序章「外資系で求められるものは、なんといっても『交渉力』」から、いくつかの要点を拾ってみます。

外資系で生き残るための武器は「交渉力」

外資系で生き残る最大の武器は英語力だと思われがち。しかし著者によれば、なにより大切なのは交渉力だそうです。交渉力は外資系企業に勤める人間にとって、もっとも欠かすことのできないスキル。だからこそ著者自身も、長きにわたって外資系企業に勤められたのだといいます。

なぜ交渉力なのかといえば、外資系企業では経営社と全社員との間に、あるいは日々の仕事すべてに根づく考えに「契約」があるから。もしも約束を守れなければ契約違反と判断され、容赦ない評価がくだるのが当然。したがって、常に「会社と自分との間で、仕事を遂行する上での約束事を交わす」意識を持つ必要があり、また、それを実践していくことが必要になるというわけです。(14ページより)

「無口君」が外資系で生き残れた6つのメソッド

英語力のない著者が外資系企業に長く勤めることができ、そして出世もできたのは、次の「交渉術の6つのメソッド」のおかげだそうです。

メソッド1:交渉の環境を整備するための「信頼関係」を構築する

(20ページより)

究極的には、細かな交渉力を気にせずとも、「信頼」さえ勝ち取ってしまえば交渉は成立すると著者は言います。そして信頼を勝ち取るために重要なのが「ABCの法則」だとか。これは、誰かを使ってその相手に自分のことを紹介してもらうという手段。つまり、相手と紹介者は信頼関係にあることが必要となるわけです。「自分自身(Adviser)」「紹介者(Bridger)」「相手(Customer)」の頭文字をとって「ABCの法則」ということ。(72ページより)

メソッド2:価格交渉を避けるには「未来の理想的な姿」を意識させる

(21ページより)

目先の言葉に惑わされると、交渉は価格面など相手にとって有利な条件のもとに進められてしまうもの。また、相手も本当のニーズに気づいていないため、すぐに浮気をしてしまう。そこで相手の「ビジョン」を知り、それを共有し、同じイメージを描くことが大切だという考え方。

メソッド3:相手に勝たせて自分も勝つために「傾聴」で情報収集

(21ページより)

口下手な人の最大の武器は、会話の「聴き側」にまわること。人間誰しも自分自身のことが最大の関心事であるため、自分の話を聞いてくれる人には、感謝と行為の念を自然に抱くものだといいます。そしてここで重要なのは、「聞き側」ではなく「聴き側」であること。聞き流すのではなく、意識して聴く必要があるのです。

メソッド4:質問技法を駆使し、相手に自らの「ニーズ」を気づかせる

(21ページより)

こちらの疑問点を解決するための質問だけでは、相手が退屈しても当然。しかし交渉の決め手となるのは、「相手にとって有益で、価値のある質問」であるはず。「示唆質問(相手のニーズが、他者や他部門に与える影響力を確認するための質問)」と呼ばれるそのような質問は、相手に本当のニーズを気づかせるために有効だといいます。

メソッド5:交渉が勝手にまとまる「利益」を説明する

(22ページより)

多くの人は交渉の際、こちら側の「特徴」や「利点」を懸命に説明しようとするもの。しかし、これは逆効果で、相手の心は離れていく一方だと著者は指摘しています。なぜなら、相手の心にもっとも響くものは「利益」だから。つまり、利益の説明こそをすべき。

メソッド6:クロージング前の「提案」ではしゃべりすぎない

(22ページより)

相手のニーズもわかり、「提案」となったとき、あれもこれもと交渉品目を並べ立てるのは御法度。焦点を分散させず、1点に絞って訴えてこそ、相手の心に響くといいます。

本書に共感できる部分が多いのは、冒頭でも触れたように著者自身が交渉下手だったから。つまり発想を転換させることで、一気に形勢は逆転するのだということを、本書は教えてくれます。そしてそれらは、外資系以外のビジネスシーンにもきっと応用できるはずです。

(印南敦史)

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