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科学的にも証明された、日記を書き続ける実用的なメリット

科学的にも証明された、日記を書き続ける実用的なメリット

歴史上の人物には、毎日の生活を詳細な日記に残している人がいます。それらの日記には、2つの効果があります。1つが、後世に伝えるための永久に残る記録。もう1つが、書くことによる感情浄化作用です。そんなのどっちも必要ないよというあなたにも、日記をつけることで得られるメリットは絶大なものがあります。では、毎日の考えを記録しておくことに、どんな意味があるのでしょうか。

子どもたちのために自分の生き様を残しておきたい。自分のクリエイティビティを存分に発揮したい。書くことによって感情を吐きだしたい。どんな理由であれ、日記を記すことには大きな意味があります。この記事では、そのひとつひとつの意義について考えてみたいと思います。

書くことは精神的な健康をもたらす

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書くことは、あなたの健康に素晴らしい影響を及ぼします。クリエイティビティを保つこと以外にも、日々の生活のストレスを解き放つ働きをしてくれるのです。この精神的・感情的なメリットについて、クリエイティブライティングの視点から紹介したことがありました。でも、何もフィクションを執筆する必要はありません。毎日の「素晴らしいこと」を記録するだけでも、自尊心を高める効果があるのです。また、定期的に書くことで、経験したことを安全な環境で追体験できるのもメリットのひとつです。

日記を書くことによる精神的・感情的な効果は、数々のデータによって実証されているので、カウンセラー、ソーシャルワーカー、セラピストらも、患者に日記を勧めています。例えば、学術誌『Advances in Psychiatric Treatment』に掲載されたこちらの論文では、参加者が15分から20分の執筆を3から5回繰り返すだけで、トラウマやストレスなどの感情的な事象に折り合いをつけることができたと言います。この方法は特に、がんなどの深刻な病気を持つ人に効果的であることが知られていて、定期的に日記を書くことによる効果を専門にした「Center for Jounal Therapy」が存在するほどなのです。

ここで重要なのは、何を書くかだけではありません。どう書くかも重要になってきます。アイオワ大学の研究では、参加者がストレスを感じた出来事を日記に記すことで、気持ちの折り合いをつけられることがわかりました。ただし、感情だけを記すのではなく、そのときの考えと気持ちに注目することがコツなのだとか。つまり、自分のストーリーを書き出すことで、気持ちだけを書くよりも高い効果が得られるというのです。このことは、自分のストーリーを伝えることが、いかに健康に好影響を及ぼすかを示す良い例と言えるでしょう。

クリエイティビティを発揮できる

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日記をつけることによるクリエイティブなメリットについても、多く語られています。うまい文章を書きたければ、とにかく書き続けることがベストということは、どこかで聞いたことがあるでしょう。それは事実ですが、書き続けることによる効果は、それだけにとどまりません。例えば、書き続けることで、複雑なアイデアを効果的に処理し、伝えることができるようになります。さらに、重要な情報を記憶したり、新しいアイデアのブレインストーミングにも役立ちます。言い換えると、経験を書き綴ることで、経験そのものを処理できるのはもちろん、最初は気がつかなかったチャンスを見出すこともできるのです。また、複雑な経験を、小さい単位にブレークダウンしてわかりやすく整理できるようになります。

特別なことが起きたわけではないときにも、日記を書くことで、自分の中でのブレインストーミングが促されます。一見ありふれたことでも、それについて書き始めたら、さまざまな思い、アイデア、記憶が次々とあふれてきたという経験、ありませんか? 書くことを続けていれば、デスクに向かうたびに、そんなチャンスが訪れるのです。

実用的なメリットも

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書き続けることは、実用的でもあります。過去の過ち、栄光、素敵な思い出などをリマインドしてくれるのです。例えば、ワークダイアリーを毎日つけておくことで、自分の失敗と成功を記録しておけます。記録が残っていると、落ち込んだ時に便利なのはもちろん、路頭に迷った時に道しるべを示してくれます。ワークダイアリーを取り出して、それまでに自分がうまくやってきたことを見直すだけで、仕事に関して自分が従うべきパターンが見いだせるかもしれません。それに、それらの達成や素晴らしい瞬間は、自尊心を高めるだけでなく、上司に昇給を交渉する際の有力な根拠にもなります。うまくできたことと、これから取り組むべきことを振り返るのが効果的なのは、なにもクリエイティブな仕事をしている人だけではありません。人から指摘される前に自分のミスを知ることは素晴らしく、また達成したことを文書化することで、成果を見過ごしてしまうことがなくなります。

書き続けることは、仕事以外にも役立ちます。日記を書くことで自分の行動を知ることができるので、習慣の構築にもつながるのです。自分が何を食べているかを知りたければ、フードダイアリーを書くことで、注意を払い続けることができ、健康的な食生活ができるようになります。同様に、自分に起こったポジティブな出来事を書き出したり自分の気持ちを記録することで、生活の中の良好なパターンを見つけ、それを繰り返すことができるようになります。同時に、気分が悪くなることや困惑するようなことを避けられるようになるのは言うまでもありません。

どのメディアを選ぶべきか

日記をつけると決めたなら、次に決めるべきは、どのメディアを使うかです。選択肢はたくさんありますが、誰にでも共通するような"正解"はありません。ぜひ、あなたにとって最適な方法を見つけてください。

紙のノート

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物理的に考えを書き出す感覚が好きなら、紙のノートがベストな選択肢といえるでしょう。紙にペンで書く感触は、ほかでは再現することができない独特なもの。手始めに、こちらの記事でおすすめしているノートはいかがでしょうか。紙の日記をつけることで、書くことを物理的にコントロールできます。それに、「ハック」されたりサービス終了で「消えてしまう」ことがほとんんどないため、プライバシー面でも安心できます。一方、紙の日記はバックアップがないのも事実。盗難、火事、置き忘れなどによって、永遠になくなってしまうこともありえます。

無地のノートでは物足りなかったら、生産性向上術「Bulet Journal」を使ってToDoやメモを管理してみては。以前紹介したSorta」も、ページを取り外せるユニークなノートとしてオススメです。忙しすぎて日記なんて書けないというあなたは、「Five-Minute Journal」はいかがでしょう。ページの最上部にやる気を引き出す名言が記されていて、以下、「今日、感謝しているのは~」「素晴らしい1日を送れた理由は~」「今日あった素晴らしいこと3つ」などの書き出しに合わせて空欄を埋めていくというものです。

日記アプリ

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ケータイやラップトップが手放せないあなたのために、プライバシーとセキュリティはしっかり確保しつつ、優れた執筆環境を提供してくれるアプリがたくさんあります。以前にもいくつか紹介しましたが、特に抜きんでているのが、「Penzu」(日記作成ウェブアプリ。モバイル版もあり)と「Day One」(位置情報、写真の追加などが可能な、見た目が優れたiOS/OS Xアプリ)です。フリーのオープンソースが好きなら、「RedNotebook」はいかがでしょうか。クロスプラットフォームな、wikiスタイルの日記ツールです。

もちろん、アプリを使わなくても構いません。暗号化されたテキストファイルをDropboxに保存したり、EvernoteGoogle Keep、その他のメモアプリなどを使ってもいいのです。お好みのツールを使って独自の自動日記システムを展開してもいいでしょう。でも、プロセスを自動化するほど、実際に日記を書いているのとは異なるので、同じメリットが得られなくなることには注意が必要です。

ブログ

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ブログを書くことでも、日記と同じメリットが得られます。名声を高めることが目的でも、自分の考えや気持ちをオープンにすることが目的でも構いません。ブログを書くということは、オーディエンスへの門戸を最大限に広げることになります。つまり、プライバシーを犠牲にする必要があるのです。あえてそれを望むのであれば、ツールやホストの選択肢は、有料・無料含めてたくさんあります。こちらの過去記事では、人気のブログプラットフォームを紹介しました。また、新しいサービスも、こちらの記事で紹介しています。それぞれに見た目も違えば、対象とするオーディエンスや想定されている利用者も異なります。どれを選ぶにせよ、個人ブログを続けるためには、空欄を埋めるだけで済むような便利なアプリがあるわけではありません。それでも、コミュニティに参加できたり、自分のストーリーを世界にシェアできるというメリットが付いてきます。

どんな方法を選んでも、日記をつけるによるメリットは明らかです。カート・コバーンやアイザック・ニュートン、アブラハム・リンカーン、アンディ・ウォーホル、レオナルド・ダ・ビンチのように有名なアーティスト、クリエイティブ、政治家、科学者でなくても、あなたの考えや経験には価値があるはずです。それを記録に残すことで、あなた個人としてのメリットがあるのはもちろん、あなたがそれをシェアすることを決めた相手にとっても、何かを考えるきっかけになるかもしれません。

Alan Henry(原文/訳:堀込泰三)

Title photo made using Oliver Hoffman (Shutterstock). Other photos by Laurelville Mennonite Church Center, Joel Montes de Oca, loppear, JimileeK, Day One, and Chris Booth.
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