特集
カテゴリー
タグ
メディア

2カ月試した「iPadだけで仕事はできるか?」実践談

2カ月試した「iPadだけで仕事はできるか?」実践談

iPadをメインコンピュータにしようと考える人が増えています。タブレットの能力と実用性はもはやデスクトップに匹敵するほどで、日常のタスクにはiPadだけで十分。ほんの少しのアプリとアクセサリさえあれば、もうラップトップを持ち歩く必要はなくなるかもしれません。

そこで、私がタブレットを使って実施した生産性向上テクニックを紹介します。

iPadオンリーを勧める理由

最初に、ラップトップをやめてタブレットを持ち歩く理由について考えます。人によって答えは異なると思いますが、私の場合は以下のとおりです。

  • ユーザビリティ:多くの日常業務において、iPadの方がかんたん・高速・便利
  • モビリティ:ちょっとした外出にラップトップを持ち運ぶのは億劫ですが、iPadならお手軽
  • コスト:iPadはラップトップよりもずっと安価

iPadオンリーにすることの魅力はたくさんあるのですが、しばらく実践してみないと、本当の価値はわからないでしょう。私も「毎週金曜日はiPadオンリーの日」と決めて実践するまで、その素晴らしさに気づきませんでしたから。

ここで紹介する方法の多くは、iPad以外のタブレットにも当てはまります。ですから、AndroidやWindowsが好きという人も、ぜひ参考にしてください。

セットアップ

140410iPadonly2.jpg

まず、私がいつも使っているデバイスと、iPad Air&iPhoneのテザリング無制限プランに切り替えることで何を計画していたかについてお伝えします。

  • 普段は、自宅で15インチMacbook Proと27インチのモニターを使ってフルタイムで働いています。
  • 毎日の仕事としては、執筆、チームメンバーへの指導、システムの設計およびチューニング、商品開発、メールによるカスタマーサポートなど。
  • iPadオンリー実験を行うまで、iPadの用途の90%はKindleでの読書とInstapapaerで記事を読むことでした。残りの10%は、Youtube、Netflix、ゲームのいずれか。
  • 月曜日から木曜日は、デスクトップを使って仕事をする。
  • 毎週金曜日は、一日中カフェに入りびたり、iPadを使って仕事をする。

週に1回では完全にiPadオンリーとはいえないかもしれませんが、まずはタブレットですべての仕事をできるのか、その可能性を探りたかったのです。私の仕事の大半は執筆作業なので、そのほとんどをiPadでできるのではないかと、ある日突然ひらめいたのがきっかけでした。

iPadを準備する

以上のような背景をもとに、iPadのセットアップを始めましょう。最初に基本的事項についてお伝えしたあとで、中間/上級のアイデアについても触れてみたいと思います。

ファイルを保存する

140410iPadonly3.jpg

多くの人が、タブレットオンリーにすることの懸案事項として、デスクトップやラップトップに保存しているファイルにアクセスできないことを挙げます。妥当な心配ではありますが、これはクラウドストレージにデータを保存することで解決できる問題です。

方法はいくつもありますが、私のおすすめは、iCloudよりも「Dropbox」を使うこと。Dropboxのいいところは、従来のファイル構造と階層構造を踏襲しているところです。私のような仕事では、チーム全員が必要なファイルに検索してアクセスできるように、特定の方法でファイルを整理しておくことが必要なのです。

iCloudは、ファイルがクラスタリングされることさえ気にしなければ、個人使用にはとても便利なサービスです。一方で、より組織的なシェア機能を重視したい場合には、Dropboxが向いていると思います。コラボレーションを意識して作られているし、いろいろなアプリとの統合も可能です。つまり、すべてをシームレスに統合した作業環境をかんたんに構築できるのです。

詳細は省きますが、私のクラウド設定は、基本的にはこんな感じです。

  • ファイルの大半はDropboxに保存。デスクトップのローカルに保存しているのは、容量の大きいメディアファイル、アプリのインストールファイル、ダウンロードフォルダ内のジャンクのみ。その他はすべてDropboxへ
  • Dropboxには年間99ドルを払って140GBの容量を確保(無料でもかなりの追加容量をもらえます)
  • 会社のチーム内でファイルをシェアするため、「Dropbox for Business」にも加入(容量無制限)
  • 重くてほとんど使わないファイルは外付けハードディスクに保存

iPadオンリーを実現するためには、クラウドの活用が肝になります。メールでファイルをやり取りしていたのはもう過去の話。今や、すべてのデバイスから、どのファイルでも利用することができるのです。

どこでも同じやり方で仕事が進められるよう、日常的に使うファイルは、すべてクラウドに保存しておきましょう。ローカルやオンラインのどこに保存するかに悩むぐらいだったら、迷わずにDropboxに保存するのがいちばんです。

インターネットへのアクセス

140410iPadonly4.jpg

すべてをクラウドに保存する以上、インターネットへの常時接続が必要になります。これはiPadオンリーを実現するうえでの最大のハードルでもあります。

幸運にも、私の住んでいる地域は、ほぼどこでもWi-Fiにアクセスできる環境が整っています。もしアクセス不能な場合でも、iPhoneのテザリングを無制限で利用できます。つまり、どこへ行っても、iPadを使ってインターネットにアクセスできるのです。モバイルWi-Fiを利用するのもひとつの方法です。

iPadオンリーをやるなら、追加料金を払ってでも、スマホの契約をテザリングを使えるプランに変更する価値があると思います。

カレンダーとメールを同期させる

140410iPadonly5.jpg

これですべてのファイルにアクセスできるようになりました。次に、メモ帳、カレンダー、メールを同期させます。クラウド経由で同期できるデータは、何でも同期してしまいましょう。そうすれば、外出中にiPadで編集したファイルでも、家のデスクトップからアクセスすることで、先ほどの続きから編集を続けることができるのです。

私のオススメは「Google Apps for Business」。私が記事を書いている「Asian Efficeincy」では、メールやカレンダーなどのサービスにこれを使っています。非常に便利なので、ほかの選択肢を検討しようと思ったこともありません。

すべてのメールは、IMAP経由で同期されます。つまり、iPadでメールの整理をしたら、帰宅後にデスクトップでメールを開いても、同じように整理されているのです。カレンダーでも同様、iPadで新規アポイントメントの追加や編集をしておけば、デスクトップやiPhoneで開いたときに同期されています。

Google Appsはシンプルに機能するので、ビジネスで使用するうえでも投資に見合うと思います。もちろん、個人使用には、通常のGoogleやGmailアカウントで十分かもしれませんが。

メモ帳の同期には「Evernote」がおすすめです。Dropboxと一緒に「nvALT」も使っていますが、ウェブページのクリッピングやチェックリストの保存にはやはりEvernoteが便利です。また、メモを取るには「Drafts」、Dropboxからの直接編集には「Notesy」を使っています。

自分に最適なアプリを見つける

140410iPadonly6.jpg

人によって必要なアプリは異なりますが、アプリ選びにはいくつかのポイントがあります。

  • できるだけコンピュータとiPadの両方で使えるアプリを選ぶ
  • 同じ機能であれば、ネイティブiOSアプリがあるデスクトップアプリの方が、サードパーティ製のアプリよりも優れていることが多い
  • クラウドストレージとしてDropboxを使っているのであれば、すべてのアプリがDropboxに対応していること

たとえば、私はタスクマネージャーとして「OmniFocus」を使っています。iPadでも、ネイティブのOmniFocusアプリを使っています。そうすることで、データの競合や破損を回避できています。

保存しているファイルにすぐにアクセスして作業できるよう、アプリがDropboxに対応していることも大事です。個人的には、Dropboxをサポートしていれば、サポートしていないアプリより機能が劣っていても、そちらを選びます。

以下に、私がよく使うアプリを挙げておきます。

  • Editorial」コンテンツの執筆に
  • Week Calendar HD」カレンダーの管理に
  • HipChat」社内のインスタントメッセンジャーとして
  • Textastic」コード作成およびHTMLの編集に
  • Drafts」かんたんなメモ書きに
  • Evernote」参考資料の保存とアクセスに
  • OmniFocus」タスクマネージャーとして
  • LastPass」社内でのパスワード共有のために「LastPass Enterprise」を使用
  • Dropbox」iPadにおける「Finder」(Mac OSのファイル管理アプリケーション)として
  • Notesy」Dropbox内のテキストファイルの直接編集に

その他のハードウェアおよびアクセサリ

140410iPadonly7.jpg

iPadを最大限に活用するには、いくつかのハードウェアとアクセサリの使用がおすすめです。何よりも、iPad用外付けキーボードがあれば文字入力が速くなるのは言うまでもありません。キーボードショートカットが使えるようになるのも大きな魅力です。コピー、ペースト、ブラウザの戻る・進むなど、ちょっとしたショートカットが使えるだけで、iPadでの作業がずっと便利で効率的になるのです。

iPad用のキーボードはたくさん出ていますが、私が使っているのは、Logitechの「Ultrathin」です。キーボードでありながら、スクリーンプロテクターとしても使えるのが特徴。安定性に難ありというレビューを見て心配していましたが、今のところ何の問題も出ていません。このキーボードのおかげでiPadでの作業が楽しくなったので、とても気に入っています。

外付けバッテリーパックもあった方がいいと思います。iPhoneとiPadを仕事用に使うなら、作業中にバッテリーが切れることは避けなければいけません。私が使っているのは、Limefuelの15600mAh。iPhoneとiPadを同時に充電できるのが素晴らしく、カンファレンス、飛行機、空港、カフェなど、いろんなところで活躍しています。

第3のアクセサリは、外出先でのケーブル類の整理に便利なGrid-It。いろいろなモデルが出ていますが、私が使っているのは、Cocoonの「11インチGrid-It Accessory Organizer with Pocket for iPad」です。

140410iPadonly8.jpg

バッテリーパック、ケーブル、アダプタなどをかんたんに持ち運べます。このモデルは裏側にタブレット用のポケットも付いていて、キーボードを接続したままでもしまえるのが便利。カフェに行くときには、Grid-Itを持つだけですぐに出発できます。

Grid-Itは、旅行にも便利です。おかげでバックパックの中がすっきりしました。これを使う前は、ケーブルが絡まるし、モノは見つからないしで苦労していたのがウソのようです。

iPadオンリーの良いところ/悪いところ

140410iPadonly9.jpg

2カ月ほど試してみてわかったのは、機動力の面では非常に価値ある選択肢であるものの、やはり作業量が多いときにはデスクトップやラップトップの方が便利だということ。作業量の多い仕事でMacBookに頼ってしまう理由は次の3つが挙げられます。

  • デスクトップアプリのことは何でも知っている:たくさんのショートカットを知っているので、手早く操作ができます。キーボードショートカットを多用している人にとって、iPadのキーボードショートカットは物足りないと感じるでしょう。このことが、私が抱いている最大の不満です。
  • タスクによってはパワー不足:画像編集や動画編集・レンダリングなどの作業は、iPadでもできないことはないのですが、たいていデスクトップ並のスピードが必要になってしまいます。
  • サポートしている自動化が少ない:デスクトップで「TextExpander」の使用に慣れていると、iPadで同等の効率化ができないことに不満を感じるでしょう。

とはいえ、iPadオンリーをやってみて良かった点もいっぱいあります。ヘンな話ですが、良かったことの1つは、制約があること。1つのフルスクリーンアプリしか開けないため、作業中のタスクに集中するしかありません。デスクトップでは、command+Tabキーでかんたんにウィンドウを切り替えられるので、集中力を奪われてしまいます。その点iPadなら執筆に集中でき、文章の質が上がりました。それに、あちこち不要な切り替えをしなくて済むため、シンプルなタスクの効率が向上しました。

もちろん、iPadライフスタイルの最大のメリットは機動性です。文字通り、iPadを持ち運ぶことで、好きな場所で仕事ができます。ラップトップの場合、持ち運びに注意を要しますし、バックパックを持ち歩く必要があります。

まとめると、ラップトップを完全に手放さなくても、仕事でのタブレット利用はとってもお勧めです。一度お試しいただければ、その便利さに、きっと驚くと思います。

Going iPad-Only: How to Do It with the Right Apps and Accessories | Asian Efficiency

Thanh Pham(原文/訳:堀込泰三)

Images by Jason A. Howie, henribergius, thms.nl, Luke McKernan, and jesadaphorn.
swiper-button-prev
swiper-button-next