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5つの行動特性で「10倍成果を出す人」に近づく

5つの行動特性で「10倍成果を出す人」に近づく

インバスケットとは、架空の人物になりきって、制限時間内に多くの案件を処理していくというビジネスゲーム。『同じ条件、同じ時間で 10倍仕事ができる人、10分の1しかできない人』(鳥原隆志著、大和書房)の著者は、このインバスケットを用いた同名の能力開発ツールを研究しているのだそうです。つまり本書が目指しているのは、その方法論に基づいて、「成果を出す人の行動特性」を身につけること。

そんな性格上、各項目ごとに「現実にありそうなストーリー」が示され、その内容に沿って説明がなされています。ただストーリーの部分をここでご紹介するのは難しいですし、読む楽しみを奪うことにもなってしまうので、第2章「10倍成果を出す人、10分の1しか出せない人」の要点をまとめてみます。

1.「太いところ」を狙って働く

商売を考えるとき、「薄利多売」を意識する人は成果が上がりにくい。一方で、「どうすれば大きな売上を挙げられるか」を優先的に考える傾向があると、成果を多く上げられるそうです。つまり、小さな売上を確実に重ねるよりも、全体に占める影響の高い仕事を狙っていくのが成果を上げる人。「太いところを狙う」わけです。逆に成果が上がりにくい人は、全体に余り影響を及ぼさないところにこだわり、不当に時間とパワーを注ぎがち。

人は自分が大事だと感じた仕事に熱中し、自分なりの目標を設定するもの。しかし成果を上げる人になるためには、「そもそもその仕事が、全体に対してどれだけ影響を及ぼすのか」を考えることが大切だということです。(51ページより)

2.「仕事の価値」を見極める

「お客さまの要望にすべて応えたい」という考え方は、顧客志向として評価できるとはいえ、時間には限度があるもの。成果を上げる人は、その行動や依頼が、かける努力に対してどれだけの成果につながるかを常に冷静に見極めているといいます。一方、成果の出ない人は、あまり考えずに次々と仕事を受けてしまう。それは、業務として行なうことには一様に価値があると思い込んでいるから。

つまり著者が言いたいのは、「どれだけの成果につながるのか」「労力に対してどれほどの成果に結びつくのか」という視点を持っておきたいということ。(57ページより)

3.「ハイパフォーマー」の共通点

同じ問題が起きたとしても対策は一様ではなく、その緊急度に従って動き方を変える必要があります。時間があれば、問題や仮説についてじっくり考えてから動けばいいでしょう。しかし「考える」という行動は、必ずしも座ってしかできないわけではないと著者は言います。特に成果を上げる人は、「走りながら考える」のだそう。逆に成果の出ない人は、さまざまな要素を検討しすぎ、タイミングを逸することが多いのだとか。

つまり、まずは「応急的な処置」をしながら「恒久的な対策」を考えていくのが正しい対処法だということ。短期的な成果につながる「行動」をとりながら、長期的な成果につながる「思考」をするのがいいというわけです。(64ページより)

4.両手を同時に動かす

成果の上がる人は、常に複数の仕事を進めるもの。仕事を分解して、その隙間に他の仕事をすることがうまいからだそうです。また仕事を作業単位で考えていると、細かい作業がいろいろと見えてくるので、短い時間であってもできることを進められるのです。

逆に成果を出せない人は、ひとつの仕事が終わるまで次の仕事に移れない傾向にあるとか。「確実にこなしていく」と言えば聞こえはいいですが、これはビジネスの世界では「要領が悪い」ということになるわけです。また要領の悪い人には、「あとから入ってきた仕事はあとに回す」傾向が。これは「次々と発生する仕事の優先順位を柔軟につけられない」ということ。重要度や緊急度とは関係なく、やりやすい順番で仕事をしてしまうというわけです。(70ページより)

5.計画を修正しながら進める

計画を立てて段取りを組むことはとても重要。しかし計画はあくまで計画で、途中で修正、変更が必要になることもよくあるものです。だからこそ意識しておきたいのは、計画はこなすためにつくるのではなく、成果を上げるためにつくるものであるということ。一度決めた流れを組みなおすのは面倒ですが、計画を変えた方が成果が上がるのであれば、計画を崩さなければならないということです。

また、成果の出ない人には、そもそも「計画を立てない」特性が。「計画なんて、立ててもどうせ狂うもの」という心理があるからだといいますが、計画がなくては、いい仕事はできません。「計画はつくるけれど、柔軟に修正を加える」というスタンスが、成果を出すためにはちょうどいいということです。(78ページより)

インバスケットを受け入れる

ここでは要点だけを引き出したわけですが、冒頭で触れたとおり、本書の原点となっているものはインバスケット。つまり、まずはインバスケットを受け入れる必要があるわけですが、そのことについて著者は重要なことを記しています。

もちろん、私もインバスケットが完全なものだとは思っておらず、他のアセスメントツールと同じく、これだけで人のすべてを完全に評価できるとは考えていません。ただ、理解しなければならないのは、自分の評価は自分が決めるのではなく他人が決めるということです。インバスケットはその評価の道具の一つにすぎません。(237ページより)

つまり、そのように受け止めることができれば、本書には大きな活用価値があるといえるのではないでしょうか。というわけで、「上記のように話を導いていくインバスケットという手法とは、はたしてどんなものなのか?」と興味が湧いたら、本書をぜひチェックしてみてください。

(印南敦史)

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