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「結局なにが言いたいの?」とツッコマれないための会話の原則

「結局なにが言いたいの?」とツッコマれないための会話の原則

「仕事で自分の考えがうまく伝わらないことがある」と感じている人は、決して少なくないはず。そこでおすすめしたいのが、きょう紹介する『「で、結局何が言いたいの?」と言われない話し方』(金子敦子著、日本実業出版社)。

コンサルタント、アナリストとしての豊富な経験を持つ著者が、「成果を出すコミュニケーション」の方法を実践的に解説した書籍です。基本的なことが書かれた第1章「『で、結局何が言いたいの?』と言われない話し方」から要点を引き出してみます。

成果を出すコミュニケーション3原則

成果が問われる場面のコミュニケーションにおいて意識すべきは、次の3つの原則。部下から報告を受けた上司が「で、結局何が言いたいの?」と問いただすようなシーンが生まれるのは、これらのうち1つ以上が欠けているからだとか。

1.コミュニケーションには目的がある

2.コミュニケーションは受け手が出発点である

3.コミュニケーションにはコストがかかる

まずは「目的」を見失わないようにする。理由は、目的がはっきりしていれば、なにを話し、聞くべきかがつかめるから。次に「受け手」の頭のなかを想像し、ひとりよがりでまとまりのない報告にならないようにする。そして「コスト」を意識する。コミュニケーションしようとすれば、自分のみならず上司の時間も奪ってしまうことに。そこで上司のいらだちを招かないためにも「コスト」を考え、話がだらだらと長くならないようにすることが大切。(14ページより)

それでは以下、原則を1つずつ見ていきます。

1.目的を考える

コミュニケーションのゴールは、「相手の話を理解し、自分の話を理解してもらい、成果につなげること」。そしてそのために必要なのは、そのコミュニケーションがなにを目指すのか、「ゴール」を意識すること。相手とゴールを共有して初めて、コミュニケーションは価値を生み出すからだといいます。

さらに、日々の「ゴール」には、その先の目的があるもの。そして会社にとって最上位の「目的」は、顧客に価値を提供した結果,収益を上げることです。さらに会社の目的として重要なのは「顧客に価値を提供すること」。その価値は会社によって異なるため、会社が顧客にどんな価値を提供しようとしているのかを見極めることが重要であるということです。(17ページより)

2.受け手が出発点

「受け手が出発点」に関連することとして著者は、「マネジメントの父」として知られるドラッカーが『マネジメント』(ダイヤモンド社)で記している、コミュニケーションについての4つの特徴を挙げています。

1.受け手が知覚しなければコミュニケーションは成立しない

いくら話し手が言葉を発しても、受け手が知覚しなければコミュニケーションは成り立たない。知覚するのは受け手なので、受け手に合わせた言葉で話すことが大切。

2.受け手は自分が期待することを受け取る

話し手が伝えようと努力しても、受け手が受け止めるのは「自らが読みたい・聞きたいこと」だけ。そこで、「受け手がどんな期待を抱いているか」を理解する。

3.コミュニケーションは受け手に負担を求める

「コミュニケーションは受け手にとって負担が大きいものなのだ」ということをまず理解することが、円滑で成果の出るコミュニケーションにつながる。

4.コミュニケーションは情報とは違う

「コミュニケーション」は「情報」がなくても成立するもの。一方、「情報」のやりとりが意味を持つためには、情報の送り手(話し手)と受け手が、あらかじめなんらかの理解を共有していなければならない。

いかなる場合においても、コミュニケーションとは「受け手を意識する」ことからはじまるという考え方です。(27ページより)

3.コストを意識する

限りある貴重な資源である時間を使うからこそ、そのコミュニケーションによって、どのように成果に貢献できるのかを常に意識する必要があると著者は言います。相手とのコミュニケーションには、少なくとも会って話すだけの時間がかかっています。さらにそのコミュニケーションのための、事前の準備や事後のフォローにも時間がかかるもの。

では、なぜ会社はそんな費用をかけるのか? それは、会社は売上を上げるために「投資」する必要があるから。つまり、コミュニケーションは会社にとってコストであり投資。会社はお金を使う以上、成果を期待しているというわけです。(43ページより)

第2章以降では具体的な話し方・聞き方へと話題が進んでいきますが、その大前提として、原点というべき第1章を理解しておくことが大切ではないかと感じました。いずれにせよ「話し方」についてかなり奥深い解説がなされているので、ビジネスシーンできっと役に立つはずです。

(印南敦史)

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