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注目を集めるスーパー「福島屋」の10のキーワード

注目を集めるスーパー「福島屋」の10のキーワード

JR青梅線沿線の羽村。新宿からだと1時間近くかかるこの小さな駅の近くに、「福島屋」というスーパーマーケットがあります。ユニークな経営方針を持ち、全国の小売業者や地方自治体から視察者が頻繁に訪れるお店です。

福島屋 毎日通いたくなるスーパーの秘密』(福島 徹著、 日本実業出版社)は、親から受け継いだ「よろずや」を出発点に、紆余曲折を繰り返しながら福島屋を成功させた著者が、その道のりを振り返った書籍。

でも、お世辞にも交通の便がいいとはいえない福島屋は、なぜそれほどの知名度を確立できたのでしょうか? 本書に散りばめられたコラム「FUKUSIMAYA's Key Word」から、ポイントを探ってみましょう。

1.グラフィック・ワークショップ

福島屋では毎月第2、第4月、火曜日に、売り場の改善を図っていくためのワークショップである「グラフィック・ワークショップ」を開催しているそうです。

店内の棚ごとに写真を撮り、大きなスクリーンに映し出して意見交換。「この棚はどこがおかしいか」「では、どうすべきか」などを話し合い、実際の商品をテーブルに並べて触り、商品を「感じて」から売り場の改善を図る。そして、顧客の反応を確認するというわけです。(70ページより)

2.POP

顧客に商品のことを伝えるために、POPを活用しているのも福島屋の特徴。「お客様に伝えたい」という気持ちにあふれた文言が好評だといいます。表示方法にも工夫を凝らし、食の安全性を独自の3段階で評価。シールで色分けするなど、わかりやすく表示しています。(77ページより)

3.硝酸態窒素

福島屋では硝酸態窒素を頻繁に測り、安全性を確認しているのだとか。硝酸態窒素は、体内でアミノ酸と結合し、発がん性物質に変わるからというのがその理由。

肥料過多で窒素を多く含んだ土壌で栽培された作物は硝酸態窒素の含有量が多くなるため、無農薬栽培の野菜といえども必ず調べているということ。(80ページより)

4.MPS

福島屋のミセス・プロズ・スマイルズ(MPS)とは、地元の主婦からなるチームの呼称。市場調査、マーケティング、催事の提案、POPの作成、プライベートブランド(PB)商品の企画・開発など幅広い業務を担っているそうです。主婦の感覚を活かし、商品や売り場を変えるチームだというわけです。(84ページより)

5.自然栽培米

20年以上前から産地へ直接足を運び、直接取り引きを行なっていることも、福島屋の特徴のひとつ。現地の契約農家から直接仕入れているものは、お米が最も多いのだそうです。もちろん農薬と化学肥料は無使用。土づくりからはじまり、水や有機肥料にもこだわった、手間暇かけて栽培されたお米ばかりが揃えられているのだとか。(113ページより)

6.共栄共存

農家などの生産者を仲間と位置づけ、ともに売れる商品づくりに取り組み、利益が出れば還元する。お客様からも積極的に意見を聞き、店舗運営に反映させる。さらには事業者や流通、同業他社も仲間と捉え、それぞれの機能を活かした共存共栄のあり方を模索しているそうです。理由は、すべてについて知恵を絞る「編集能力」があるスーパーは生き残れるはずだという確信があるから。(121ページより)

7.プライベートブランド(PB)

PB商品の企画・開発も積極的に推進しており、アイテム数はすでに200以上。店頭の並ぶ総菜の80%、ベーカリー(パン類)の90%がPB商品だといいます。「きあげ」「切干大根」など、不動の定番商品も多いのだとか。(129ページより)

8.津々浦々物語

20年以上かけて日本全国津々浦々を歩き、発掘した商材を売るためのプロジェクト。パッケージ化して同業他社への導入も進行中。生産者は製品の完成度を高めることに専念でき、販売者は全国の優れた商品の情報を入手できるというメリットがあります。(136ページより)

9.講座

2010年から「美味しい時間」という講座を開催し、顧客のための食に関する教室を開いているそうです。講座で使用した食材は、店内に「講座コーナー」を設けて紹介。実際につくったメニューの写真を飾り、参加者の声をPOPにしてアピールしているのだとか。(150ページより)

10.福島屋六本木店

2014年1月、六本木アークヒルズサウスタワー地下1階にオープン。有機栽培や無農薬の野菜、その日に届いた産地直送の魚などが並び、新鮮なものが食べられるように、ステーキ丼やお寿司を提供する工房も。購入した商品をカフェスペースで食べることもできるそうです。(177ページより)

「スーパーマーケットの話は、自分とは無関係」と思うなかれ。福島屋が実践したひとつひとつの取り組みには、あらゆる業種に応用できるビジネスのノウハウが詰まっていることがわかります。ぜひ一度、手にとってみてください。

(印南敦史)

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