
写真撮影をするとその出来事の記憶が残りにくくなることが、米・フェアフィールド大学で行われた新しい調査によって明らかになったそうです。
しかし、記憶を鮮明に残しておくためには写真撮影を完全に止めるとよいのかというと、話はそれほど単純でもないようで。「ズームイン」することで、写真撮影がもたらす記憶への悪影響をナシにできるのだそうです。
調査の方法と、結果
この調査は学生グループを美術館へ連れて行き、一部の学生に写真撮影を命じ、他の学生に写真を撮影することを禁止する指示を出して行いました。
翌日行ったテストの結果、写真を撮影していたグループよりも写真を撮影しなかったグループの方が昨日のイベントを明確に記憶している、ということが明らかになりました。
ですが、何らかを被写体として、その一部をズームした写真を撮影した人の記憶は影響を受けていなかったことも、同時に明らかになったのです。
何らかの被写体に対して寄って撮影した場合、その後の認識能力、詳細の記憶などは影響を受けないということが明らかになりました。それも、ズームインしなかったものの記憶も、ズームインしたものの記憶と同じくらい鮮明に残っていたのです。
この実験結果は人の記憶能力とカメラの記憶能力の主な違いを浮き彫りにしており、何かにフォーカスする行為によって、通常よりも多くの注意を注ぐ認知過程を経た場合には、写真撮影は記憶力への障害とならないということを示しています。
つまりイベントで写真撮影を行う場合、何らかの「寄り」のカットを撮影しておくことで、そこでの経験をちゃんと記憶に残しておけるということになります。
イベントで写真撮影を行うことが多い方は一度、この話が本当かどうか確かめてみては?
Point-and-Shoot Memories|Psychological Science via Daily Mail
Mihir Patkar(原文/訳:まいるす・ゑびす)
Photo by Thinkstock/Getty Images.ランキング
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5