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「待つのがつらい」理由とその克服方法

「待つのがつらい」理由とその克服方法

この曲の歌詞にもあるとおり、「待つのは一番つらい時間」です。

心理学では、待つのがつらいと感じる理由をさまざまに説明していますが、米紙『ニューヨーク・タイムズ』の記事にあるように、大きな要因は「いつまで待つのかわからない」という不確かさのようです。

「いつになれば報われるかわからない」と感じてしまう

私たちは、何かを待つのが得意ではありません。ある研究によると、待ち時間が長くなればなるほど、「もっと長く待つことになるだろう」と考える傾向があるのだそうです。待った末の「報酬」がいつ来るかがわからないとき、私たちはどのくらい待たなければならないのかを見誤りがちです。いつになったら報われるかわからないという、まさにその点が、待つことや、より広い「目標の設定」一般を難しくしているのです。

『ニューヨーク・タイムズ』の記事では、いくつかの具体例を挙げて説明しています。

理論上は、費やした時間が長ければ長いほど、目標達成に近づくはずです(少なくとも直感的には、それが理に適っていると思われます)。ピアノを練習すれば上達するし、毎日ランニングしていればタイムが良くなるといった具合です。けれどもどういうわけか、途中の段階では、そうは考えられません。この実験の参加者たちは、時間が経過すればするほど、報酬はより遠ざかったと感じました。

昇給であれダイエットであれ、努力がいつ報われるかわからないとき、その目標に挑み続けるのはどうしても難しくなります。世界は同じ時計の上で動いているわけではないので、同じ目標に向かっていたとしても、人によって達成できるペースは違ってきます。

「自分の欠点」を責めず、「時間の見積もり」を上手にやろう

では、目標をなかなか達成できない時、モチベーションを維持するにはどうしたら良いのでしょうか。実は、「状況を正しく把握する」だけで充分なのかもしれません。

目標がどうしても達成できないような気がする場合、そう感じてしまう理由の一端は「時間の認識の仕方」にあります。つまり、どうしても直せない自分の欠点が原因なのではありません。これを知っておけば、将来的な成功の可能性が高まります。自分の意志の弱さを責めるより、必要な時間をうまく見積もる方法を見つけましょう。自分に課せられたタスクの実情を踏まえたうえで、現実的で具体的な枠組で、目標の達成時期を決めるのです。

そのように枠組みを変えるだけで、行動にも直接の影響が現れる場合があります。ペンシルベニア大学の神経科学者Joseph W. Kable氏は、ワシントンDCとニューヨーク市で、地下鉄のプラットフォームに次の電車が来るまでの待ち時間を表示するようにしたところ、「決断するうえでの不確かさ」がなくなったという例を引いています。「(地下鉄を)待つ時間があるか、それとも会議に遅れないようタクシーを拾うべきかと、判断に迷うことがなくなりました。こうした手がかりがあって不確かさを解消できるなら、判断はとても楽になります。問題は、その手がかりを得られるかどうかだけなのです」

地下鉄の待ち時間なら簡単に予測できるでしょうが、たとえば食生活の改善に取り組んでいるとして、2kgやせるのにいつまでかかるか、気分までスッキリするのはいつ頃か、などと予測するのは不可能です。それでも、しばらく時間がかかるものだと認識しておくだけでも、一番きつい最初の数週間を乗り越えるには充分ではないでしょうか。

You're So Self-Controlling | The New York Times

Thorin Klosowski(原文/訳:江藤千夏、合原弘子/ガリレオ)

Photo by James Lee.
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