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Appleに見放されたPowerPC Macを全力で活用する方法

Appleに見放されたPowerPC Macを全力で活用する方法

PowerPCをノーマルなMacとして使う方法(対応アプリケーションの探し方)/OS XをLinuxに置き換える/自分専用のクラウドとして使う/ファイルサーバとして使う/Bittorrentマシンとして使う

MakeUseOf:AppleがIntelプロセッサへの切り替えを行ったのは2006年のこと。それまでMacはPowerPCプラットフォームを使用していたので、Mac用のソフトウェアは両方のパソコンでうまく動くように設計されなくてはなりませんでした。最近では2006年より前のモデルはほとんど出回っていないので、問題が起こることは非常に少なくなっています。

これはつまり簡単に言うと、2006年より前に製造されたデバイスで最新のMacソフトウェアを使うことはできないということ。何年も前からMacを持っている方も、ガレージセールで見つけて買った人も、その年代物のMacを使って何ができて、何ができないのか、というのはなかなか分かり辛い問題だったりします。私が1年ほど前まで使っていたのは、「PowerMac G5」というPowerPCを使ったMacの中で最もパワフルなデバイスでした。当時としては画期的にパワフルだったので、スピードだけで考えると6年後もさほど問題なく使用できるだろうし、ハードウェアだけを考えるとこの先2年くらいは使い続けることができると思います。

ならばなぜ、いま使っていないのか。

問題はハードウェアではなくソフトウェアにあります。AppleはLeopard(Mac OS X v10.5、2007年10月26日リリース)以降、PowerPCと互換性のあるOSをリリースしていません。つまり、それ以後の新機能、そしてMac App Storeなどは完全に使用不可能なのです。Appleのデスクトップソフトウェアの状況も同様です。Appleが提供しているPowerPC向けのブラウザの最新版は2010年にリリースされたSafari 5、AppleによるメディアプレーヤーiTunesの最新版も同じく2010年から更新されていません。iWorkおよびiLifeにいたっては2009年度版が"最新"です。

Appleはプラットフォームを更新しないだけでなく、ソフトウェアも放置状態です。Microsoft OfficeやAdobeソフトなどの最新版もPowerPC Macでは(おそらく)使えません。ウェブアプリが使えるのであれば、まだ利用する手だてはありますが、プラットフォーム向けのブラウザのセレクションが限定的なため、これも難しいのが現状です。ChromeにはPowerPC版がそもそも存在していないため使用不可、FirefoxのPowerPC版の最新版は2011年の始めにリリースされた3.6、Operaは1.0以後更新されていません。幸いなことに使えるソフトウェアはわずかですがあります(探すのがなかなか大変ですが)。

PowerPCをノーマルなMacとして使う方法

そのままの状態でMacを使う方法は、実はあります。ですが、臨機応変な対応と厳選されたソフトウェアが必要となります。必要なアイテムは下記の通りです

・ブラウザ:「TenFourFox

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PowerPC Mac用の現役ブラウザは存在します。それがこのTenFourFoxというブラウザで、FirefoxのPowerPC Macビルドです。このソフトウェアのメンテナンスは今日もFirefoxの延長サポートリリースに基づいて行われています。Firefoxの最新版の全ての機能性が使えるというわけではないですが、今も更新され続けているブラウザを使うことができるということを意味します。

・メディア再生:「VLC

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「iTunes」や「QuickTime」の古いバージョンを使い続けるのもひとつの手ですが、より軽量なメディアプレーヤーを使いたいのであれば、VLCがオススメです。PowerPC用の更新は今も行われており、問題なく作動します。しかも、パソコンが対応できるのであればほとんどどんな形式のファイルでも再生してくれます(iMac G4でのHD動画の再生は、スペック的にキツいかも知れません)。

・事務作業:コマーシャルソフトウェアの古いバージョン

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最新版ではないですが、古いバージョンのソフトウェアは問題なくMacで使うことができます。PowerPC用の「Office」の最新バージョンは「2008」ですが、そんなに悪いものではありません。Officeの最新版のファイルとも互換性があり、リボンインターフェースを搭載していないバージョンのOfficeなので、むしろこっちの方が好きという人もいるはずです。

また「iWork '09」もAppleによる最新版よりも使いやすいと評判です。このソフトウェアはかなり軽いので、古めのMacでもサクサクと動きます。長年Macを使っている人であれば文書作成アプリ「Pages」は手放せないプログラムだと思いますが、「Excel」使いの人にしてみれば「Numbers」の機能性は物足りないかと思います。

デザインなどの作業を行う場合、PowerPC MacではAdobe Creative Suiteの最新版は使えません。ですが、CS5を起動させることはできます。最新機能は搭載されていませんが、まだまだ使えるソフトです。最新版との互換性の問題を除けば、どんな機能が足りないのかを考える方が大変かも知れません。

・使用可能なその他のソフトウェアリスト

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このリスト(PowerPCSoftware Archive)を見てもらうと、OS X搭載のPowerPC Macにはまだまだ利用価値がある、ということが分かってもらえると思います。

またPowerPC Macで使えるソフトウェアを紹介してくれるブログ・MacPowerPC.comの購読をオススメします。"Universal"または"PPC"とマークしてあるダウンロードリンクから入手できるソフトウェアはPowerPC Macで使用可能です。

OS XをLinuxに置き換える

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それでも新しいソフトウェアをPowerPC Macで使いたいというのであれば、思い切ってLinuxに切り替えてしまうのが得策かも知れません。OSをMac OSからLinuxに切り替えてしまえば、セントラルリポジトリにあるFirefoxの最新版やLibreOfficeやその他のオープンソースソフトウェアを使うことができるようになります。この方法だとソフトウェアを検索している時間をかなり短縮でき、すぐに作業に取りかかれます。

Macユーザー用の最新版LinuxであるUbuntuにはコミュニティによってメンテナンスされているPower PC Mac用バージョンが存在します。Ubuntu WikiにPowerPCでUbuntuをインストールする方法が詳しく紹介されているので、興味のある方はチェックしてみてください。またLinuxをPower PC Macにインストールする方法を紹介しているブログPowerPC Liberationもオススメです。かなりいろんなことが学べるサイトです。

ですが、Adobe FlashやDropbox、Google Chormeなど、Linux用のコマーシャルソフトウェアのほとんどは、やはりPowerPC Macでは使うことができません。ほとんどのソフトウェア会社は既にPower PC向けに更新を行うことを止めているのですが、オープンソースのソフトウェアはその限りではなく、かなり豊富なセレクションから選択することが可能なので、インストールして使ってみてください。古いMacとはいえ、まだまだ活躍させる方法はたくさんあります。

その他の上手な使い方

古いPowerPCを普通のパソコンとして活躍させることが可能なのはすでに紹介した通りですが、それが理想的な状態であるか、というとそうではありません。これらのマシンは今のデバイスのスピードに慣れてしまった人たちにはかなり遅く感じるでしょう。それならば、以下のような使い方はいかがでしょうか。ハードウェアの使い方はプログラムを使って作業を行うことだけではありません。

・自分専用のクラウドアプリとして使う

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OwnCloudDropboxやGoogleカレンダーの代わりにクロスプラットフォームで使えるセルフホストなクラウドサービスです。このソフトはLinuxを搭載したPowerPC Macでかなり簡単にインストールできるようになっているので、使ってみたい方はディストリビューションのパッケージマネジャーを確認してみてください。

PowerPCへサーバを設定し、クライアントをWindowsやMac、Linuxなどのその他のコンピュータにインストールするだけで自分専用のクラウドサービスの完成です。しかもオンライン音楽プレーヤーを搭載。第三者によるクラウドサービスにどことなく不信感を持っている人には特にオススメです。OwnCloudのPowerPC Mac版は見つけることができませんでした。クラウドサーバとして使うのであればLinuxをインストールするのが賢いかも知れません。

・ファイルサーバとして使う

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Macはネットワーク経由のファイルサーバとして使うこともできます。ルータに接続すれば、優秀なローカルサーバのできあがり。OwnCloudのように多機能ではありませんが、ローカルファイルストレージとしてはとても簡単に使用可能。

2008年にJacksonがWindows/Macコンピュータ間でファイルを共有する方法をアウトラインしてくれているので、そちらを参照してみてください。

・Bittorrentマシンとして使う

Macをサーバとして使っているのであれば、同時にtorrentファイルのダウンロード用にも活用することができます。MacPowerPC.comにはMac用のBitTorrentクライアントリストがありますが、その多くはネットワーク経由でのファイルの追加に対応しているので、試してみる価値がありそうです。

・その他思いつくものであればなんでも(!)

PowerPC Macが2013年に理想的なパソコンであるか?と言われれば、もちろん、理想とはかけ離れたところにあるパソコンなのですが、だからと言って役に立たないわけではありません。この記事で紹介した手法を使えば、古いハードウェアを立派に機能させることが可能です。

他にも、たとえばMacの部品をばらして組み直すこともできます(このやり方の説明には相当量の文字数が必要になりそうです!)。他にも、こんな風に使ったらどうか、またはこんな使い方をしている、という方はコメントで教えてください。

Are There Still Any Legitimate Uses For a PowerPC Mac? | MakeUseOf

Justin Pot (訳:まいるす・ゑびす)

Top Image by Kevin Simpson.
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