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MakerBotのCEOが語る3Dプリンター事業の過去・現在・そして未来

MakerBotのCEOが語る3Dプリンター事業の過去・現在・そして未来

Gigaom:3Dプリンター製造メーカーのStratasysが、一般消費者向けの3Dプリンター企業Makerbotを買収したのは、つい5カ月前のこと。この買収は、Makerbotにどのような影響を与えたのでしょうか?

Makersbotの共同創設者兼CEOのBre Pettisは先日、米メディアGigaomのインタビューに応じ、買収の件のみならず、オープンソースハードウェアに関する過去の方針転換、また今後の構想などについて語りました。

StratasysがMakerBotを買収したことで、社内にどのような変化がありましたか?

Pettis:私たちは、昔と変わらないままのMakerBotです。以前と変わらない速度で成長しています。今年だけで、我が社は200人採用したかと思います。もうすぐ従業員は400人に達します。最大限の速度で成長しているのです。同じメンバーと共に、以前と同様にニューヨークを拠点にしてます。より多くの資源を手に入れて、成長速度が増しています。

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MakerBotが現在取り組んでいることは何ですか?

Pettis:つい先日、Digitizerを開発しました。私たちはしばらく、この製品の開発に取り組んでいました。次の取り組みは、Digitizerの限界に挑むことです。3Dプリンターのようにデジタルデザインを物体に変化させるのと、物体をデジタルデザインに変化させるのは全く別のことなのです。CADのモデルをつくる能力が無いと感じている人は多くいます。MakerBotのDigitizerはその問題を解決します。

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3DプリンターReplicator 2 の改良に取り組む予定はありますか?

Pettis:現時点では、Replicator 2を使ってみたい人は誰でも使いこなすことができるはずです。まあ確かに、台の水平出しは理想よりも少々面倒ですね。これについては改良を重ねていく予定です。私たちは、製品の値段を10万ドルから2000ドルまで下げました。すでにトップシェアを確保しています。ある意味、製品の改良は今後ずっと継続しますし、常に改良すべき点というのは存在します。しかし、残りの5パーセントの改良すべき点は、これまでの95パーセントの部分の2倍の時間がかかるようなものなのです。私たちの製品は、すでに示されているように、かなり最適な状態です。

クラウドファンディングのサイト上で購入可能な1000ドル以下の3Dプリンターについてはどう思われますか?

Pettis:持続可能ではありませんね。私たちは初期に、値段設定を間違えました。最初の機械は650ドルする材料でつくり、それを750ドルで販売しました。それで、私たちは滅びかけました。Kickstarterのすばらしさは、本当のイノベーションが生まれ、新しいものがつくられるときです。既存のテクノロジーと同じものを見ると、がっかりします。テクノロジーを前進させていないのですから。

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MakerBotは今後、ステレオリソグラフィー方式やレーザ焼結型(SLS)方式のプリンタをつくる予定はありますか? 金属をプリントする機械はどうでしょうか?

Pettis:私たちは、かなりの時間をかけてやりたいことを明確にしました。MakerBotsの素晴らしい点は、非常に速いこと、ユーザーフレンドリーであること、そしてプリント後にはすぐにプレートから取り出して使えるという点です。こうしたテクノロジーを子どもがいる場所で使うとしたら、有毒なものは扱えません。プラスチックは再生可能なすばらしい生体適合物質です。金属について言えば、金属が溶けるときに生じることが問題です。おそらく自宅では扱いたくないと思うでしょう。私たちは、リビングのデスク上で快適に使え、ユーザーフレンドリーなものをつくることに注力しているのです。

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オープンソースプリンターをつくる計画から撤退したことに対する批判については、どう考えていますか?

Pettis:私たちは、オープンソースハードウェアに取り組んだ初めてのチームであり、それによって瀬戸際まで追い込まれました。商売を本当にたたんでしまうか、それとも少し変化すべきか、という選択を迫られたのです。その結果、私たちは馬鹿げているほどにオープンであるよりも、最大限オープンであるというスタンスに切り替えました。完全にうちのめされ、長時間かけて開発したテクノロジーをもっていかれる地点にまで到達してしまったのです。

人々はイノベーティブではありませんでした。ただ、アジアに送って、安く、品質の悪いものをつくらせたのです。そして、購入者たちは私たちのサポート部門に電話をかけてきました。思うに、初期の時点で純粋主義をとったばかりに、方針を変えたときに叩かれたのだと思います。しかし、私たちは共有したくない、人々の能力アップに貢献したくないというわけではありません。他者と共有をしたければ、Thingiverse上で共有すれば良いですし、それはすばらしいことだと思います。

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つい先日、MakerBotは学校が生徒のために簡単に3Dプリンターを取得できるための構想を打ち出しました。なぜ、そうしたことが重要だと思うのでしょうか?

Pettis:私たちは、過去20年にわたって、工作の授業で本当の挑戦に取り組んできました。しかし、今ではそうした場はありません。学校は読む、書く、コンピューターに触れる場であり、工芸や創造とは結びついていません。私が考えたのは、MakerBotを学校に置けば、製造に関する教育が増え、次世代の能力を伸ばし、グローバル経済における競争力も増すと思ったのです。

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3Dプリンター技術によって、物体の海賊版が増えると懸念していますか?

Pettis:私たちは、VHSテープ、カセットテープ、CDへの書き込み機器の登場を経験しました。インターネットだって既に起こったのです。今、物に対して起きていることは、当然の流れです。

3Dプリンターの未来はどのようなものになるでしょうか?

Pettis:5年以内には、自分の身近な人で3Dプリンターをもっているという人を知っているというレベルに達し、徐々に全員がもつレベルにまで近づいていくでしょう。20年後は、3Dプリンターをもつのは普通になっているでしょう。冷凍技術はある時は最先端の技術でしたが、100年前の時点で、人々はみな裏庭に製氷室をもち、大きな氷の固まりをそこで手に入れていました。そして今は、そんな場所は存在しません。

まだまだ、ワクワクすることが起こるはずです。私たちはまだスタート地点にいるに過ぎません。開拓者、リーダー、探検者をこれから本当に目にしていくことでしょう。

MakerBot CEO Bre Pettis: Stratasys' patented tech will appear in its 3D printers within a few years I Gigaom

Signe Brewster(訳:佐藤ゆき)

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