特集
カテゴリー
タグ
メディア

AppleのCMでPC役だったジョン・ホッジマンの、iPhone中心の仕事術

AppleのCMでPC役だったジョン・ホッジマンの、iPhone中心の仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ第55回。YouTubeのカルチャー・トレンド部門を率いるケビン・アロッカ(Rich Gelfond)氏に続く今回は、テレビやライブコメディで多彩っぷりを発揮しているジョン・ホッジマン(John Hodgman)氏にインタビュー。

作家、俳優ポッドキャスター、テレビ出演者、夫、父親、ライブコメディアン、MacのCMでのPC役など、非常に多くの顔を持つ男、ジョン・ホッジマン(John Hodgman)氏。多彩な彼に、できないことなどあるのでしょうか?ヒゲを生やしたいかにも"オタク"然としたホッジマン氏。その多岐にわたる活動をどのようにやりくりしているのか、かねてから非常に気になっていました。そこでほんの数分だけ、貴重な時間をお借りして、仕事術についてインタビューしてきました。偉業の陰には、いくかの"トリック"があるようです。

  • 氏名:ジョン・ホッジマン(John Hodgman)
  • 居住地:ニューヨーク市
  • 現在の職業:ライター兼パフォーマー、時々「狂気のミリオネア」(Deranged Millionaire:テレビ番組『The Daily Show with John Stewart』での役柄)
  • 現在のモバイル端末:iPhone 5、iPad 2
  • 現在のコンピュータ:MacBook Air
  • 仕事スタイル:横になって

「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは何ですか?

ホッジマン:長い間、次のようなシンプルなプロセスを実践してきました。まず、セリフややるべきことを考えるのはシャワー中。そのときはすぐに忘れてしまうのですが、散歩中に思い出すことが多いので、いつも持ち歩いているモレスキンのノートにそれを書き留めておきます。後でノートの内容をWordファイルに入力し、ファイルのことは完全に忘れます。実際にセリフやスケッチ、本などを書かなければいけない状況に追い込まれるまで、放っておくのです。Appleの『メール』も使っていました。自分のくだらない考えを、手早くクラウドに保管しておけるのが便利だったので。

でも、ライブコメディへの出演が多くなるにつれて、シャワー以外のプロセスはすべて、「Googleドライブ」を使うようになりました。デバイスを越えてクラウド上で仕事ができるので、ショーに向けたメモをホテルのビジネスセンターでプリントアウトできますし、書かない言い訳も減りました。でも、Gmailは使ってません。

ほかに欠かせないアプリといえば、ゲーム『Scrabble』とスマホで呼べるタクシーサービス『Uber』ですね。「ブルックリンまで」と行き先を告げるのに、いちいちドライバーと言い争いをすることを考えたら、多少高くてもその価値はあります。それに、お気に入りの帽子を車内に忘れた翌日、自宅まで届けてくれたことは絶対に忘れません。

仕事場はどんな感じですか?

ホッジマン:横になって仕事をするのが私のスタイルです。学生時代からずっと書き物はベッドでしていましたが、いつもそのことに罪悪感を感じていて、デスクでやろうと試みたこともありました。でも42歳になった今、人からどう思われようと気にならなくなったので、自宅の書斎にソファベッドをひっぱり出してきて、そこですべての仕事をしています。私にとって、これがいちばん生産性の高い方法で、昼寝への移行も驚くほどスムーズです。

お気に入りの時間節約術は何ですか?

ホッジマン:毎日決まったスケジュールになるよう、ここ何年も挑戦してきましたが、無理でした。たとえばこの9月のスケジュールは、書き物を1週間、『The Daily Show』に出演、ポッドキャスト『Judge John Hodgman』のエピソード4回分を収録、移動日3日間、カリブ海でコメディショーを4日間。「New York Times Magazine」向けのコラムも毎週書いていますし、時代ものの作品に出演するために、今週はこの滑稽なヒゲにさらなる磨きをかけるため、伸ばすことに励んでいます。

毎日やることが違うので、毎日がパニックです。正直なところ、同じ毎日であってほしいというのが私の願いです。でも、必要は発明の母ですね。毎日を規則正しくする、こんな方法にたどり着いたのです。

  1. 午前10時から午後2時は書き物の時間にして、会議、携帯、メール、その他の仕事は一切しません。そう決めることで、クリエイティブな仕事ができるだけでなく、その時間に書いていないと、非常に強い罪悪感を感じるようになりました。つまり、モチベーションにつながっているのです。
  2. ずいぶん昔に、メールをフォルダ分けするのはやめました。ジャンクメールすら消しません。すべてのメールは、Twitterのタイムラインのように、受信箱の下の方に流れていきます。今、受信箱には2万2153件のメールがありますが、まったく気になりません。とても解放的な気分です。
  3. 相手がファンであれ仕事仲間であれ、長いメールには短く答えることにしています。私の力の及ばないことやスケジュール上無理なリクエストには、返信すらしません。
  4. 出演時を除き、午後6時には仕事を止めます。次の日にまた仕事用のベッドに横になるまでは、一切仕事のことは考えません。

愛用中のToDoリストマネージャーは何ですか?

ホッジマン:iPhoneアプリ『リマインダー』を愛用しています。アプリに何度もリマインドしてもらわなかったら、この仕事のことも忘れていたでしょうね。

携帯電話とコンピュータ以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

ホッジマン:Ken Onionデザインのナイフ、Kershawの「Chive」です。何年か前、「Men's Journal」に執筆していたころ、Alton Brownさんにいただきました。とても高性能な小型ナイフで、サッと開いてパッケージを切るのに便利です。でも、もっと有用なのは、(私にしては珍しくデスクに座って作業をするときに)カチャカチャと衝動的に開閉を繰り返す手遊びです。

まだ若かったころは、黄色いメモ用紙に手書きというのが普通でした。今でも、無意識のうちにメモ用紙を取ろうと手を伸ばすことがあります。今思えば、なぜあのメモ用紙を使うのをやめてしまったんだろう。まだ売っているはずだから、今度買ってこようと思います。

日常のことで「これは他の人よりうまい」ということは何ですか?

ホッジマン:時間が許すなら、1日中卵料理を作っていたいです。スクランブルエッグ、オムレツ、目玉焼き、ポーチドエッグなど、あらゆる卵料理です。私が大好きな一冊『Eat Me』の著者であるKen Shopsinさんが言うように、卵料理はとても瞑想的な作業だと思います。卵は1つ1つ違っていて、調理時間や仕上がりは、新鮮さや含水量など、何千もの微妙な違いによって異なるのです。正しく調理された卵は、避けることのできない苦悩から救い出された偉業だと思います。その卵をソーセージとチーズと一緒にパンにはさむと、極上サンドイッチのできあがりです。

今、どんな本を読んでいますか?

ホッジマン:Neal Stephensonの秀作『Cryptonomicon』を読んでいたのですが、いまは中断してLuc Santeの『Low Life』を読んでいます。20世紀になったばかりのニューヨークにおける犯罪や騒動の歴史を描いた作品で、これから出演する予定のヒゲの役柄で必要なのです。Matt Fractionの『Hawkeye』も読み進めています。

仕事中、どんな音楽を聴いていますか?

ホッジマン:だいたい1日中、WNYCのラジオをかけていて、私にとって最適なホワイトノイズになっています。また、私は一日に何度も宙を見つめている時間があるのですが、その時に面白い内容が頭に入ってきたりします。

あなたは外向的ですか、内向的ですか?

ホッジマン:「どちらでもある」が正解だと思います。私は身を隠すことが大好きなのですが、ステージに上がることがそのための最適な手段だったりします。かといえば、『Daily Show』に出演して業界の奇才たちと一緒に演技をすることは、非常に大きな刺激になります。それに、彼らが持っているコーヒーとおやつも、人生の楽しみの1つです。

睡眠習慣はどのようなものですか?

ホッジマン:子供がいるので、夜中は私の"爬虫類"の脳が侵入者を警戒して、あまりよく眠れません。同じ理由で、遅くまで寝ていることもできません。だからいつも、午前0時から7時ごろまで寝返りを繰り返し、午前中に熟睡の昼寝をします。

あなたが受けたものと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

ホッジマン:The Long Winters(米シアトルを拠点とするロックバンド)のJohn Roderickです。

これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

ホッジマンアダム・サヴェッジさんが「昼食を抜け」と言うのでやってみたら、曲がり角の向こう側まで見えるような気がしてきました。

Tessa Miller(原文/訳:堀込泰三)

swiper-button-prev
swiper-button-next