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できるリーダーが、部下との会話で意識すべき注意点

できるリーダーが、部下との会話で意識すべき注意点

課長の時間術』で話題を呼んだ著者の新刊『課長の会話術』(田中和彦著、日本実業出版社)のポイントは、「どう話すか」ではなく「何を話すか」。その点にもとづき、「部下のやる気を引き出し、成長させながら、チームの目標を達成する」ための会話術が紹介されています。

「部下全員と具体的な各論でコミュニケーションを取りながら、組織をダイナミックに動かせるポジションは、課長だけです」と著者は断言しますが、では、課長はどんなことを話すべきなのか? 第1章「できる課長は部下と何を話しているのか?」に目を向けてみます。

部下との面談

理想的なキャリア形成とは、「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」の3つの輪の重なりの部分を大きくしていき、さらに輪自体も広げていくこと。「キャリアデザインの3つの輪」というこの考え方は、個人のキャリア形成のみならず、部下との会話においても重要な意味を持つといいます。

やりたいこと

本人の持つ欲求や将来の希望。部下の「やる気」の源泉はここにあるため、やる気を最大限に引き出すには、この「やりたいこと」を認識することが大切。

やれること

必要なテクニカルスキル、ポータブルスキル、専門知識など、「何ができるか」という人材価値。部下の成長は組織の成長に直結するので、部下を成長させることは上司の責務だということ。

やるべきこと

周囲からの期待や役割。広義では、世の中のニーズに応えることや社会人として果たすべき義務。会社内においては、具体的な業務目標。部下に目標達成への執着を持たせることも重要だという考え方。

できる課長は、部下のこれらの3つの領域を常に意識しながら、バランスよく会話するそうです。逆にダメな課長は、ノルマの数字だけを振りかざし、部下の尻を叩くばかりだとか。そんな意味でも、まずはここを認識しておくべき。

成長段階に応じた関わり方

部下の成長段階に応じて、課長の関わり方は変わるもの。それは、3つの段階に分解が可能。

第1段階「教えるマネジメント」

新入社員や業務未経験者に対するアプローチ手法。業務遂行に必要な知識やスキル、手間や段取りなどを具体的に教える段階。「まず、やってみようよ」と有無を言わさず、やらせてみることが肝心。

この段階では、指示などもなるべく丁寧に具体的に伝えること。また過度のプレッシャーを与えることなく、小さな成功体験を積ませることに注力すべきだそうです。

第2段階「促すマネジメント」

一人前として認められるようになった中堅社員への関わり方。それなりに仕事ができるようになったと感じる部下に対し、自信を持ってもらう段階です。上司への依存から脱却してもらうためにも、知識やスキルなどを上司から一方的に与えるのではなく、本人が主体的に動くことで自ら手に入れるよう仕向けていくことが重要。

第3段階「任せるマネジメント」

かなりの部分を権限委譲できるベテラン社員としての部下への関わり方で、マネジメントの理想型といえる段階。頻繁に指示することも、コミュニケーションに時間をかける必要も不要。自由と責任を与え、細かく干渉することなく要所を押さえておけばいいわけです。

この段階の部下は、不必要な面談が形式的に設定されることを嫌うため、適度な距離感が大切。なにかあれば責任は上司が取るというスタンスが望ましいそうです。

このように、部下の成長に合わせてコミュニケーションのあり方も変わってくるというのが著者の主張。そしてコミュニケーションの量は、成長に反比例するように、部下が、仕事ができるようになればなるほど減っていくそうです。

ただし、コミュニケーションの質という面では、部下の成長に伴い、内容やレベルも比例して高くなっていくもの。部下をよく知り、個別対応で、部下の成長段階に合わせたコミュニケーションを心がけることがすすめられています。

印象的なのは、部下とのコミュニケーションの取り方について、かなり細かく説明がなされている点。だからこそ、読み込むことによって会話術の要点をつかることができるのではないかと思います。

(印南敦史)

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