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ビジネスパーソンの指針になる、ニーチェが残した7つの言葉

ビジネスパーソンの指針になる、ニーチェが残した7つの言葉

『ツァラトゥストラはかく語りき』をはじめとする名著を残したドイツの哲学者ニーチェ(1844~1900)は、後世にも大きな影響を与えた存在。そしてその魅力は、難解で抽象的な理論によってではなく、いま生きている人間のための哲学を打ち出したところにあると、『超訳 ニーチェの言葉』(フリードリヒ・ニーチェ著、白取春彦編訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の編集/翻訳者は指摘しています。

ニーチェの名が今なお世界的に知られているのは、彼の洞察力が鋭いからである。急所を突くような鋭い視点、力強い生気、不屈の魂、高みを目指す意志が新しい名文句とも言える短文で発せられるから、多くの人の耳と心に残るのである。

(「はじめに──ニーチェという変わった哲人」より)

「己について」「喜について」「生について」「心について」「友について」「世について」「人について」「愛について」「知について」「美について」とテーマごとに分けられた本書に目を通してみれば、その魅力はすぐにわかるはず。初版が発行されたのは2010年の1月ですが、すでに110万部を突破しているという事実にも充分納得できます。

己について」から7つをを引き出してみましょう。

1.自分への尊厳

自分はたいしたことがない人間だなんて思ってはならない。それは、自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。

そうではなく、最初に自分を尊敬することから始めよう。まだ何もしていない自分を、まだ実積のない自分を、人間として尊敬するんだ。(中略)

それは自分の可能性を大きく開拓し、それをなしとげるにふさわしい力を与えることになる。自分の人生をまっとうさせるために、まずは自分を尊敬しよう。(『力への意志』Selbstheit 001より)

2.自分を知る

自分についてごまかしたり、自分に嘘をついたりしてやりすごすべきではない。自分に対してはいつも誠実であり、自分がいったいどういう人間なのか、どういう心の癖があり、どういう考え方や反応をするのか、よく知っておくべきだ。(『曙光』Selbstheit 010より)

3.自分を遠くから

おおかたの人間は、自分に甘く、他人に厳しい。

どうしてそうなるかというと、自分を見るときにはあまりに近くの距離から自分を見ているからだ。そして、他人を見るときは、あまりにも遠くの距離から輪郭をぼんやりと見ているからなのだ。

この距離の取り方を反対にしてじっくりと観察するようになれば、他人はそれほど非難すべき存在ではないし、自分はそれほど甘く許容すべき存在ではないということがわかってくるはずだ。(『さまざまな意見と箴言』Selbstheit 012より)

4.行動で示せ

人から信じてもらいたければ、言葉で自己を強調するのではなく、行動で示すしかない。しかも、のっぴきならない状況での真摯な行動のみが、人の信に訴えるのだ。(『漂泊者とその影』Selbstheit 013より)

5.自分を見つけたい人に

自分がどういう者であるか理解したい人は、次のような問いを自分に向け、真摯に答えてみればいい。

これまで自分が真実に愛したものは何であったか? 自分の魂を高みに上げたものが何であったか? 何が自分の心を満たし喜ばせたか? これまでにどういうものに自分は夢中になったか?

これらの問いに答えたとき、自分の本質が明らかになるだろう。それがあなた自身だ。(『ショーペンハウアー』Selbstheit 015より)

6.機嫌よく生きるコツ

不機嫌になる大きな理由の一つは、自分のなしたこと、自分の産んだことが人の役に立っていないと感じることだ。

だから、不機嫌な老人がいる。一方で輝く青春の真っ只中にいる若い人たちが不機嫌なのは、自分が社会の中で生産的な存在になることがまだなかなか難しいからでもある。

したがって、いつも機嫌よく生きていくコツは、人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。そのことで自分という存在の意味が実感され、これが純粋な喜びになる。(『人間的な、あまりに人間的な』Selbstheit 016より)

7.「〜のために」行わない

どれほど良いことに見えても、「〜のために」行うことは、卑しく貪欲なことだ。

誰々のためにであろうとも、何々のためにであろうとも、それが失敗したと思えるときには相手、もしくは事情や何かのせいにする心が生まれるし、うまくいったと思えるときには自分の手柄だとする慢心が生まれるからだ。

つまり、本当は自分のためにだけ行っているのだ。

けれど、純粋に能動的な愛から行われるときには、「〜のために」という言葉も出てくることはない。(『ツァラトゥストラはかく語りき』Selbstheit 020より)

このようにひとつひとつが簡潔で、しかもどこからでも読めるため、ちょっと時間ができたときに開いてみるには最適。なにげなく開いたページから、思いもよらないヒントを見つけ出すことができるかもしれません。

装丁も美しく、ずっと手元に置いておきたいと感じさせてくれる一冊。きっと役に立つはずです。

(印南敦史)

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