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「あと1分だけ」に注意! 完璧主義者に「休憩とリフレッシュ」が必要な理由

「あと1分だけ」に注意! 完璧主義者に「休憩とリフレッシュ」が必要な理由

ハーバード大学医学大学院の臨床心理学者が、誰の心にも潜んでいるという完璧主義(つい「完璧」を求めてしまう性格)の特徴を明らかにした書籍が『がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法』(ジェフ・シマンスキー著、小林玲子訳、阪急コミュニケーションズ)。

結論からいうと、「がんばりすぎてしまう」完璧主義には「健全なもの」と「不健全なもの」があるのだとか。そこで、自分がどんなタイプに属するのかを見きわめ、自分が持つ完璧主義の「うまくいっている部分」を把握し、それを強化することを勧めているわけです。第9章「仕事熱心の功罪──なぜ休憩とリフレッシュが必要なのか」を見てみましょう。

「あと1分...」の誘惑

「これさえ終われば楽になる」

「さっさと終わらせてしまいたい。そうしたらもう頭を悩ませる必要もないから」

「休憩してしまうと、先ほどまでの思考の状態に戻るのが難しい。中断するよりも、一気に終えるほうが簡単だ」

「いっぺんに複数の作業をするのは好きじゃない。気が散るんだ」...。

仕事に追われていると、こんなふうに思いがち。その点について著者は「決してストレスを感じたりうんざりしたり、ときどき働きすぎたりするのがいけないとはいいません。むしろこうした経験は成功の要素だと思っています」と前置きしたうえで、次のように問いかけています。

ではあなたの仕事に対する熱意は利益を生んでいますか? たくさん稼ぐという意味ではありません。本当に訊きたいのは、自分の価値観にあった人生を歩んでいるかということです。

(193ページより)

そして「ひとたびプロジェクトに取りかかったら一気に完成させてしまうのが、ベストの戦略だ」という考え方に疑問を投げかけます。行動リストの項目が減っていくのは気分がいいものですが、一方で、この戦略には罠があるから。

「仕事熱心」がうまくいかない理由

仕事熱心に問題はないのかと完璧主義者にたずねると、いちばん多いのは「このやり方でずっとうまくいっていたのだから今後もそれでいい」という答えだそうです。しかし、今日エンジンがかかったからといって、明日もそうだとは限りません。それに、まだ終わっていないことばかりに意識を集中させていたら、永久に仕事を終えられなくなってしまう。自分が達成したことにも決して満足できないわけです。

しかし優先順位をつけないと、燃え尽きたり息切れしたりしてしまうもの。人間の体は、そうやって強制的にシャットダウンするようにできているのだそうです。

「あと1分...」に代わる戦略

・休憩を利用して創造性を高める

創造的に問題解決を実現するためには、問題を寝かせる期間が重要。問題が漠然としていたり複雑だったりして、ストレートな解決法が通用しなかったら、一度手を引く(問題を寝かせる)ことが最終的に答えを見つける可能性を高めるというわけです。(195ページより)

・ライフ・バランスを保つ

「ライフ・バランス」とは、人生のさまざまな分野に費やしている時間と、理想的な時間の過ごし方との比較。そして研究者の実験によれば、時間をうまく配分するために有効なのは、

「理想の一日」について書き出し、

それをもとに現在のスケジュールを組なおし、

一カ月を通してできるだけ理想に合致させること。

実験の参加者はこうすることで他人との関係が深まり、人生の満足感が高まり、能力に自信がついたのだそうです。(198ページより)

・スケジュールを組み直す

疲労を避けてリフレッシュすることだけが休息の意義ではなく、バランスのいいスケジュールを組み、いちばん重要なことに取り組めるようにするのが大切。不健全な完璧主義は集中力を失わせ、大きな目標を見失わせてしまうからだそうです。

ただし、いつもスケジュールを完全に管理している必要はないとか。頑固にスケジュールを守るのではなく、注意深く計画を立て、もっとも大事な活動のための時間を最低限残しておけばいいということです。

自身の内部に潜む完璧主義とどう折り合いをつけていくかということについて、悩んでいる方は少なくないはず。でも、そうだとしたら本書が手助けになってくれるかもしれません。

(印南敦史)

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