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プロジェクトに合わせたDIY電子工作ボードの選び方(Arduino、Raspberry Pi、BeagleBone)

プロジェクトに合わせたDIY電子工作ボードの選び方(Arduino、Raspberry Pi、BeagleBone)

マイクロコントローラーや安価なシングルボード・コンピューターを使ったすばらしいDIYプロジェクトが多数報告されています。しかし、Arduino、Raspberry Pi、BeagleBone...どのボードを選べばいいのか悩みますよね? 今回は3つの人気ボード、Arduino UnoRaspberry Pi Model BBeagleBone Blackの特徴と向いている用途を解説し、プロジェクトに合わせたボードの選び方を紹介します。

「マイクロコントローラー」、「ポケットサイズのコンピューター」、「デベロップメントボード」などと聞くと、はんだごてを握ったコアな工作マニアを想像しますが、今回紹介するボードは誰でも簡単に扱え、電子工作入門にぴったりなものばかりなのでご安心を。

各ボードのスペックが知りたい人は、下の表を御覧ください。

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Arduino:初心者や、単一用途のプロジェクトに

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25USドルのArduinoはDIYコミュニティの必需品です。オープンソースで、消費電力も非常に少なく、セットアップも簡単。初心者向けにデザインされているので、本当に誰にでも扱え、外部機器との連携も容易です。Arduinoはプログラム可能な小型ボードで、PCを使ってコードを組み込めます。できることはシンプルですが、照明のコントロールや、ガーデニングシステムのプログラムなどにはうってつけです。ボードもプログラミング言語もオープンソースで、サンプルプロジェクトも豊富、自分のニーズに合わせてチョイスできます。

以前、Arduino入門(英文)をアップしましたが、Arduinoは誰でも扱えるほど本当にシンプルで、これからDIY電子工作を始めたい人にぴったりなボードです。

長所:Arduinoは安価で、30USドルもあればボードといくつかの部品を購入できます。Arduino Unoを筆頭にさまざまなバリエーションがあります。消費電力もわずかで、一日中稼働させるプロジェクトや、バッテリーで動かすプロジェクトに向いています。また、Arduinoは熱心なファンが大勢いるので、サポートを受けたり、チュートリアルやサンプルプロジェクトを見つけたりするのが簡単なのもポイントです。

短所:Arduinoは初心者向けのボードとはいえ、グラフィックインターフェースがないので、慣れるまで少し時間がかかります。また、安価な小型ボードであるため、同時にたくさんのプロセスを処理できません。つまり、複雑なプロジェクトや、大きなコンピューティングパワーが必要なプロジェクトには不向きです。

Arduinoが一番向いているのは:Arduinoは単一用途のプロジェクトに向いています。たとえば、乾燥機が終わったら通知したり、ビデオインターホンシステムの製作などです。

また、Arduinoは現実的な用途と相性がいいので、窓のブラインドドアの鍵と連動させるプロジェクト、ガーデンのコントロールパネルなどのシンプルなプロジェクトにも向いています。逆に、インターネットに接続したり、マルチタッチディスプレイを使ったり、完全自動化などのプロジェクトには不向きです。

プロジェクトのアイデア

Arduinoで何ができるでしょうか? 以下にいくつかのサンプルを載せておきます。

自転車にブレーキランプやウインカーを設置する

蚊取り装置を自作する

音声で照明をコントロールする

ペットが家具に近づかないようにする

泥棒撃退アラームを自作する

Raspberry Pi:複雑で、マルチメディアで、Linuxベースのプロジェクトに

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35USドルのRaspberry Piは発表したとたんにDIYの定番となりました。SDカードからLinuxを起動できる小型コンピューターで、さまざまなプロジェクトに使えます。基本的には低出力のLinuxコンピューターなので、Linuxでできることは何でも実行可能。2つのUSBポートとHDMI出力を搭載、普通のPCと同じように使えて、Linuxシステムが必要なあらゆるプロジェクトに利用できます。

Raspberry Piはディスプレイを制御したり、インターネットに接続したりするプロジェクトに向いています。つまりは小型のコンピューターであり、複雑過ぎるものでない限り、使い道は無限大です。

長所:小型コンピューターなので、さまざまな利点があります。HDMIポートでTVにつなげるし、2つのUSBポートにマウスとキーボードをつなげばPCにもなるし、イーサネットポートでインターネットへも接続できます。SDカードからOSを起動するので、カードを交換するだけでOSを簡単に入れ替えられます。Raspberry Piは安価でパワフルながら、初心者でも簡単に扱えるボードです。

短所:Raspberry Piはコンピューターを使うさまざまなプロジェクトに利用できますが、ArduinoやBeagleBoneと違って、外部センサーや外部ボタンとの連携には苦手です。つまり、家電や照明器具との連携には不向きです。

Raspberry Piが一番向いているのは:Raspberry Piはグラフィック・インターフェースやインターネットを使うプロジェクトに向いています。元々、教育目的で設計されたので、低予算のコンピューター教育プロジェクトにはぴったりです。さまざまな入出力が使えるので、XBMC Media Centerオールインワンのレトロゲームコンソールのようなマルチメディアプロジェクトにも向いています。

プロジェクトのアイデア

Torプロキシを自作する

テレマーケターやロボット電話をブロックする

家の中のあらゆるものを自動化する

Raspberry PiをパーソナルVPNにする

AirPlayレシーバーを自作する

BeagleBone Black:外部センサーやネットワークを使うプロジェクトに

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BeagleBone BlackはRaspberry PiとArduinoを組み合わせたようなボードです。Raspberry Piのようなパワーと、Arduinoのような外部インターフェースを兼ね備えています。45USドルですが、その価値は十分にあります。

Raspberry Piと違ってセットアップにディスプレイを必要しないことからわかる通り、BeagleBone Blackは少し上級者向けです。デフォルトでAngstrom Linuxがインストールしてあるので、Raspberry Piのようにスタンドアローンコンピューターにもなります。Androidなど他のOSのインストールも可能。Raspberry Piのように教育目的で作られたものではないので少しとっつきにくいですが、何にでも使える優れたボードです。

長所:BeagleBoneは、最初から十分なフラッシュメモリを搭載しており、OSもインストール済みなので、箱から出したらすぐに使いはじめることができます。ヘッドレスモード(モニターなし)でも実行可能で、Raspberry Piのようにセットアップに外部モニターを必要としません。豊富な外部入出力を備えており(GPIOピンを69個搭載。Raspberry Piは8個)、外部機器との連携も得意分野です。

短所:BeagleBoneはRaspberry PiよりUSBポートが少なく、ビデオエンコーディングも搭載していません。つまり、スタンドアローン・コンピューターやエンターテイメントシステムには不向きです。また、BeagleBoneのコミュニティは強力とはいえ、Raspberry Piほどファン層に厚みがありません。すなわち、チュートリアルやサンプルプロジェクトを見つけるのに少し苦労します。

BeagleBoneが一番向いているのは:BeagleBoneは、Arduinoには複雑過ぎるが、Raspberry Piのようなグラフィックは必要としないプロジェクトに向いています。インターネットや複数の外部センサーと接続できるので、現実世界と連携する複雑なプロジェクトにも使えます。

プロジェクトアイデア

Adafruitからのガイドをセットアップする

ビール醸造システム

CrashplanとBeagleBoneでパーソナルバックアップサービスをセットアップする

インターネットラジオ

ホームオートメーション・システム

Thorin Klosowski(原文/訳:伊藤貴之)

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