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「それって、どういうこと?」と聞かれたときの正しい答え方

「それって、どういうこと?」と聞かれたときの正しい答え方

仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』(鈴木鋭智著、中経出版)の著者は、大手予備校で現代文、小論文を指導している「国語のプロ」。そんな立場から、重視すべきは「話し方」や「プレゼンテーション」や「英語力」ではなく「答え方」だと説いています。

問われたことに、正しく答える。

質問の意図を、正しく理解する。

実はこの「受け答え」こそ、若手社員に求められる第一のスキルなのです。

部下の仕事の9割は上司やお客様の質問に答えることで占められるからです。

(7ページより)

第3章「その質問、本当はこういう意味なんです」から、「『どういうこと?』って、どういうこと?」に注目してみましょう。

1.話が長すぎて「どういうこと?」と聞かれてしまうとき

例題を通して考えてみましょう。

「当店が発売する牡蠣の安全性に関してですが、いま全国では食中毒が多発しておりますため、当店独自のシステムで十分な管理を行っております。もっとも、獲れた海域の細菌数にもよりますが。ちなみに牡蠣は生食用と加熱用がありまして、これは鮮度の違いではなく、減菌処理をする代わりに味が落ちるのが生食用、獲れたまま未処理なのが加熱用で......」

上記に対して「つまり、どういうこと?」と聞かれたとき、どう答えるべきでしょうか?

×:説明が足りなくて申し訳ございません。「当店独自の管理体制」というのは、生産地と提携しまして、養殖の段階から水質や生育具合をコンピューターで管理するという最新のシステムでございまして......。

:焼いて食べれば平気です。

つまり、要点だけをまとめることが重要。内容に自信がない人ほどゴチャゴチャと情報を詰め込むものですが、要点だけビシッと言える人は、それだけで「自信と責任感」を印象づけることができるわけです。

2.短い話なのに「どういうこと?」と聞かれてしまうとき

原因の多くは、専門用語やカタカナ語を使いすぎることだとか。

アメニティー・アセスメントへのパブリック・インボルブメントは、プライオリティーの高いアジェンダです。

それって、一体どういうこと?

×:ですから、アセスメントをパブリックにしようという意味なんですけど?

:住み心地を調査するのに市民も参加させろという意味です。

日本語だけで話せという意味ではなく、外来語や専門用語の知識は世代や職業、学歴、普段接している情報の種類によって異なるものなので、わかる言葉に言い替えることが重要

3.短くて簡単な言葉なのに「どういうこと?」と聞かれてしまうとき

こうした場合に多いのは、言葉はわかっていても内容に納得がいかないときだそうです。

「議論には遊びが必要だ」とは、どういうことだ?

そう聞かれたときの答え方は?

×:議論とは、人と人とが意見を交わし合って話し合うこと、遊びとはゲームや漫画などを意味し、どちらも必要だという意味です。

:型にはまって真面目に議論するだけでなく、遊び心や冗談も交えたほうが新しい視点がもたらされ、充実した議論になるという意味です。

「議論」という言葉の意味ではなく、ここで問われているのは「議論」と「遊び」という、一見矛盾するものが結びつけられる「逆説」の論理。この因果関係を説明せよ、ということです。

「遊び=( )=いい議論」

では腑に落ちませんが、

「遊び=(新しい視点)=クリエイティブな議論」

とかけている因果関係を埋めるとスッキリとした論理的説明になるわけです。

本書のおもしろいところは、このように問題集っぽく話が進められている点。だから親しみやすく、読みやすく、「答え方の極意」を自然に身につけられるというわけです。

(印南敦史)

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