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「集団」を「チーム」にすれば、クリエイティブな関係性が生まれる

「集団」を「チーム」にすれば、クリエイティブな関係性が生まれる

意識と行動を少しだけ変えてみることで、職場の空気は変えることができる。その変化を端的に表せば、「集団」を「チーム」にするということである。同じ部署内でいくら机を並べていても、それは「集団」でしかない。まずはお互いメンバーの顔をよく見て、目標とモチベーションと情報を共有し、お互い協力し、助け合う体制ができて初めて、一体感のある「チーム」になるのである。

(3ページより)

人はチームで磨かれる 職場を元気にする72の質問』(齋藤 孝著、日本経済新聞出版社)の著者は、本書の冒頭でそう主張しています。「見方を変えれば、チームは強力な人材育成システムにもなり得る」とも。

では、その理由は? 序章「なぜチームなのか」に、答えを探してみましょう。

チームだからこそアイデアが生まれる(19ページより)

今日の社会でもっとも求められているのは「アイデア」であり、そのためには、人と人とが関わって新しい付加価値を生み出すのがもっとも効率的だといいます。ちなみに、お互いの間に新しい意味が生まれる状況を「クリエイティブな関係性」と呼んでいるという著者は、この問題に着いて研究を重ねてきた結果、「教える」というより、学び合うチームをいかにつくれるかが重要なのだという結論に達したそうです。

人が集まっただけでは「チーム」ではない(21ページより)

単に数人が集まっただけの集団は「チーム」とは呼べず、重要なのは、そこからチームとしてまとまってくプロセス。そして、そのための大前提は、メンバー全員が当事者意識を持つこと。チームには「推進力」が存在し、社会人である以上はなんらかのかたちでチームの推進力に貢献するのは当然だというわけです。

まず、「自分はチームのためになにができるのか」と、常に考える癖ををつけることが第一歩。「自分は推進力の一助になっているか、それともぶら下がっているだけか」を考える必

全員がリーダーとしての自覚を(24ページより)

数人が寄り集まれば、自然に話の主導権を握る者と黙って聞いている者が現れるもの。前者がリーダーになるのはごく普通の流れですが、社会の急速な変化に乗り遅れないためには、メンバー個々人もそれぞれについて考えて行動する必要があるそうです。つまり、全員がリーダー的な気概を持ち、チーム全体としても調和していかなければならないということ。

低成長が続き、大手企業といえども安泰ではなくなった現在、状況を突き破って利益を求めるのは、少なくとも個人プレーでは不可能。サッカーにたとえれば、チームのメンバーが連動し、次の目標を予測してパスを出し合うことが必須条件だといいます。全員が試合を動かす一員になり、ボールを持った時点で、その人がリーダーだというわけです。

「マネジメント理論」に欠けている「身体性」(29ページより)

もうひとつ、著者がチームをつくる上で欠かせないと思っているものが「身体性」だそうです。一般に「組織」はピラミッド型を形成する「組織図」で表されますが、それを機能させる際に重要なのが、最小単位であるチームの関係性。そしてそこに、身体性が欠かせないというわけです。端的にいえば、メンバーが笑顔か仏頂面かによってだけでも、場の雰囲気はがらっと変わるといいます。

こうした考え方を軸に、本書の以後の章では、72もの質問を軸にチームの意義や重要性が語られていきます。スポーツを例に挙げるなどの工夫が随所に施されていることもあり、違和感なく読み進めることができるはずです。

(印南敦史)

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