特集
カテゴリー
タグ
メディア

挫折を生かすための3つのヒント

挫折を生かすための3つのヒント

コーチングの仕事をはじめたばかりだった8年前。私は、国際的な広告代理店相手の大きな契約を獲得してワクワクしていました。同社のさまざまなポジションの社員たちを対象に、月に数回、プレゼンテーションや管理のスキル、プロフェッショナル・プレゼンス(プロに必要な心構えなど)について、訓練とコーチングを行うのです。

夢のような仕事でした。事業もうまく進んでいましたが...その3年後、最重要クライアントが、別の広告代理店に合併されることに。合併した代理店は、元から取り引きのあった業者を優先し、その中に私は入っていませんでした。

私は突然、得意の絶頂から失意のどん底に叩き落されました。かなりの収入を失っただけでなく、そのクライアント関連で思い描いていた将来の計画や、新規事業の開発を先延ばしにするという「贅沢」、そして自分自身のプライドも失ってしまったのです。その後、事業のほうは、その当時の損失を補って余りあるほどに回復しましたが、この時に味わった失望感は、今も意識のどこかに貼りついています。

今から思うと、私の自尊心と収入がこうむった打撃は世界最悪レベルというほどではありませんでした。せいぜい、お尻を蹴られた程度です。私に必要だったのは、お尻の皮を厚くして、プライベートの面でも仕事の面でも立ち直る力をつけること。そして、「何も変化が起こりませんようにと祈る」よりもマシな、戦略的な事業計画を立てることでした。それでも、その当時は、自分の築いてきた仕事の世界が音を立てて崩れ落ち、日を追うごとに状況が悪化していくような気がしていたのです...。

130323how_to_bounce_back_stronger_1.jpg

どこかで聞いたことのある話ではないですか? プレゼンで大失敗したり、「獲得したも同然」だった顧客を逃してしまったり、あるいは、昇進の声がかからなかったりしたことのある人なら、やる気も自信も夢も奪われる、ひどい失望感がわかってもらえるのではと思います。

「失望」には、怒り、恐れ、悲しみなど、兄弟分に当たる負の感情がたくさんありますが、『The New York Times』でベストセラーとして紹介されたチップ・コンリー(Chip Conley)氏の著書『Emotional Equations: Simple Formulas to Help Your Life Work Better』では、「失望=期待-現実」というユニークな公式を指摘しています。

つまり、予定したり希望したりしていたものと、実際に手に入れたものとの間に隔たりがあった時、失望が姿を現します。その隔たりが小さく、簡単に対処や克服ができる場合もありますが、巨大な割れ目に落ち込んでしまい、抜け出すことはほぼ不可能だと思えることもあります。特に厄介なのは、現時点で失われたものを嘆くだけでなく、思い描いていた将来に対する計画も失われたことを受け入れなければならないという点です。

誰もが、仕事や私生活で、さまざまな失望に繰り返し向き合います。例えば、「確実にモノにした」はずの顧客(期待)を別の業者に奪われた(現実)とか、苦労して書きあげた本の出版を持ちかけた(期待)のに7つの出版社から断られた(現実)とか、あるいは好意を寄せていた相手(期待)がほかの人を好きになってしまった(現実...そしてリアリティ番組でもよく見かける悲しい光景)など。

そして、私たちが対処しなければならないのは、自分の失望だけではありません。同僚やクライアント、上司や家族、そして友人たちも失望することがあります。そういう時、あなたが失望にどう対処するか(または対処できないか)によって、ほかの人が失望と向き合うのを支えることができたり、あるいは逆に支えられなかったりします。

失望を感じた時にどう対処すべきか、ここでは3つの戦略を紹介しましょう。いずれにせよ、失望を味わう時はくるのですから。

失望と向き合う「正しい方法」や「正しい時」はありません

あなたは、ものごとの明るい面を見たいかもしれません(「それがどうした? この顧客を失ったってことは、もっと面白い顧客を追い求める時間ができたってことじゃないか」など)。一方で、上司や同僚は、もうしばらく暗い気分や恐れを抱いて過ごしたいのかもしれません(「この顧客を失うなんて最悪だ。企業イメージが大打撃を受けないように、何とかする方法を考えなくちゃ」など)。

相手がどちらの状態か見分けがつかないなら、少し距離を置いて、自分のものの見方をほかの人に押しつけないようにしましょう。私は楽観的な傾向が強い人間ですが、それでも、心の準備が整わないうちにものごとの明るい面を見せようとする人がいたら、強い拒否反応を示します。まだその時期がきていないのに、誰かを苦しみから救い出さなくてはと思ったり、あるいは逆に、その妙に楽天的な態度はイライラするから控えてくれ、と頼んだりしないことです。

その挫折から学ぶべきことがあります

130323how_to_bounce_back_stronger_2.jpg

大手のクライアントを失った時、私は思い知りました。私はそれまで、短期的な利益を最大化しようとするだけで、長期的な事業計画を立てる大切さを無視していたのです。日が照っているうちに干し草をつくらなければと思うあまり、翌年の収穫のために種をまくことを忘れていたのです。

私は現在、目先の利益を生み出す仕事をしながらも、新規事業開発を怠りません。あの時の失望から、もう二度と学ばされたくない痛い教訓を得たからです。失望を味わう経験から、ビジネス戦略の欠陥や過大な予測、前提条件の間違いや判断の誤り、あるいは自分の性格上の欠点までもが見えてくるかもしれません。味わった痛みを無駄にしてはなりません仕事や私生活において有益な結果につなげましょう

「また失望したくないから目標を下げる」はやめましょう

仕事でも私生活でも、挫折から生じる怒りや悲しみ、そして戸惑いは、立ち直ろうとする時に大きな障害となるかもしれません。それは、もともとの目標を引き下げてしまうかもしれないという意味でです。例えば、必ず達成できるように、年間の売上目標を引き下げてしまう。あるいは、優秀なスタッフが、もっと待遇の良い会社に転職した時に、代わりとして、能力の劣っている人物を雇う。あるいは、断られるのが恐くて、売り上げに応じた支払いを受けられない出版契約を受け入れる、など。

安全な感覚や、ささやかな勝利の喜びを味わうために、目標を下げるようなことをしたら、自分自身からも会社からも、そして世界からも、私たちの美点や輝きが失われてしまいます。それこそが真の失望です

作家のマリアン・ウィリアムソン(Marianne Williamson)氏は、「小さくまとまってしまったら、世界に貢献ができない」と言っています。失望がもたらす大きな痛みは、さらに大きな成果やチャンスにつながるかもしれません ─── その過程に耐え、大切な教訓を得るため一生懸命に学び、そしてそう、何度でも何度でも立ち直ろうとする姿勢さえあれば。

How to Bounce Back Stronger After You Blow it At Work | Fast Company

Deborah Greyson Riegel(原文/訳:吉武稔夫、合原弘子/ガリレオ)

Image remixed from ollyy (Shutterstock).
swiper-button-prev
swiper-button-next