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景気に左右されず「お金を稼ぐ」ということの本質

景気に左右されず「お金を稼ぐ」ということの本質

不勉強ながら『景気に左右されない 一流の男のお金の稼ぎ方』(里中李生著、総合法令出版)の著者を存じ上げなかったのですが、まえがきに目を通した時点で、よくも悪くも「この人は本気」だと感じました。ちょっと引用してみましょう。

書店では今、「あっという間にお金を稼げる」という類の本が飛ぶように売れている。

中には「働かなくても年収1億円」とか。

堕落に他ならない。

そんな奇跡のような芸当が出来るなら、とっくに日本は富裕層で溢れている。

(中略)

あなたにはそれができるか。

いや、あなたはそれがしたいか。

私はきちんと働いて稼ぎたい。立派な仕事をして、息子に尊敬されたい。

あなたはどうか。

素晴らしいメッセージだと思います。おそらく誰しもが気づいていながら、うまく表現できないままでいた核心部分を突いている。そしてそんな著者は、「あなたが成功をしないとすれば、あなたの仕事のやり方がどこか間違っているのだ」とも断言しています。つまり本書は「大金を稼げる」というようなタイプとはまったく逆の立場から、堅実にそして効率的に働くことの意義を説いた書籍なのです。

ただし表現がストレートすぎるあまり、非常に誤解を受けやすいだろうなと思ったのも事実です。とはいえ、そのあたりは本人も承知のうえなのでしょう。というわけでマイナス(であると誤解を受ける可能性がある)部分は避け、前向きな意味で心に残ったフレーズをいくつかピックアップしてみたいと思います。

各家庭には液晶テレビがあって、しかも、地上デジタルに移行する際に、ほとんどの国民が液晶テレビを購入した。購入しなかったのは地方のまた地方に住んでいるお年寄りたちくらいだった。

それなのに、あなたたちは「不況のせいで苦しい」と、そればかり言っている。

それは、甘えではないか。

(16ページより)

異論もあるでしょうが、ある意味でそのとおりだと個人的には感じました。そんな時代だからこそ、個人としての力がものをいうのですから。

先輩や自分よりも稼いでいる人たちを決してバカにしてはいけない。無論、あきらかに脳なしという男はいて、それは誰でもわかることだからその男を模範にする必要はないが、あなたよりも稼いでいる男は才能があるか、努力しているか、人柄が良くて、多くの人に助けられてきたのだ。それは尊敬に値することではないか。

(33ページより)

これは、負けていようが悔しかろうが「客観性をもつ」ということの重要性に焦点を当てた、とても重要な言葉だと思います。つまり、「尊敬する」ところから道が始まるということです。

あなたが営業に行って断られたら、それは国のせいなのですか。

あなたの企画が通らなかったら、それは国のせいですか。

あなたが面接で落ちたら、それは国のせいですか。

違う。すべてはあなたに能力がないからなのだ。

今後、私の本が売れなかったら、私と出版社の能力が足りないからだ。安倍新政権のせいではない。

あなたが中国の貧困そうに生まれていたら、チャンスはまったくない。

だが、あなたが日本の一般家庭に生まれていたら、チャンスは山ほど転がっていて、たとえ、成功者になれなくても、貧困にもならないのである。

(中略)

まずはもっと楽観的になってほしい。

(42ページより)

「いまはこういう時代だから」というボヤキに対する一撃だと感じました。

「俺の会社では働いても給料は上がらない」。それはどういうことか。あなたの会社ではあなたが成果を出しても結果を出しても、あなたの昇進を見送るブラック企業なのですか。違うはずだ。

これも、つい口に出しがちなボヤキの矛盾を突いた言葉だと思います。「努力が報われない」と感じるのは、努力が足りない証拠だというわけです。

先にも触れたとおり、本書の論調にはかなりの偏りがあります。「炎上」するためには充分すぎる火種が、随所に隠れています。しかし感情を制御し、ここに書かれていることを客観的に受けとめることがもしもできるなら、その先になんらかの道筋を見出すことができるのではないか? 読み終えて、そう感じました。

(印南敦史)

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