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「壊れてよかった!」スマホなしの生活を3カ月続けたら戻れなくなった理由

「壊れてよかった!」スマホなしの生活を3カ月続けたら戻れなくなった理由

RubyデベロッパーであるSimon H. Eskildsenさんは、先日不注意で自分のスマートフォンを壊してしまったそう。普段なら落ち込むところですが、これが自身の生活を振り返るきっかけとなったのです。彼はなぜ「スマートフォンが壊れてよかった」と思ったのでしょう?

去年の11月、ランニング中にiPhone 4を落とし、スクリーンが割れてしまいました。新しいiPhone 5を買いに行こうと最初は思ったのです。でもその前に、少なくとも1カ月スマートフォンなしで過ごしてみて、自分がどのくらい依存しているのか探ることにしました。

スマートフォンを使うようになったのは5年前から。最初がiPhone 3で、それが3GSに、さらに4に替わりました。iPhone 4が壊れて、そのままなら5を手に入れていたでしょう。でも振り返ってみれば、壊れて良かったのだと思います。解き放たれて

スマートフォンやコンピューターに囲まれた生活を送っていると、私たちは「常に接続」されています。起きている時間はずっと、FacebookやTwitter、電子メール、iMessage、電話、HipChat、Skypeで連絡がつくし、もちろん直接会うこともできます。プッシュ通知は早々と無効にしたけれど、それでもほとんどのサービスを利用していました。数分でも空き時間があれば、電子メールやTwitterやFacebookをチェック。私はいつも、あらゆる場所に、少しずつ存在していたけれど、本当はどこにもいなかったのです。

ポケットからささやき続ける誘惑が消えると、どこに行っても「自分はここにいる」と強く感じます。依存症とはいえなかったにしても、私はちょっとした自由を手に入れました。この自由をぜひ皆さんにも味わってほしいのです。一日中つながっている状態を断ち切ってみると、いいことがさまざまあります。コンピューターを介さないとすれば、電話で私に連絡できるのは、直接の友人や同僚たちだけです。スマートフォンがあると、ちょっとした空き時間を大して中身のないエンターテインメントで満たすことになりがち。そのとき自分がやっていたこと、やろうとしていたこととはまったく関係のない方面に意識がそれます。しっかり考えなければと思っていた事がらが、いつのまにかおろそかになっています。「切り替え」の影響は思っていた以上に大きいと気づきました。『Angry Birds』やニュースやツイートで時間のすきまを埋めようとするのをやめて、自分の考えを深めるのはとても有益です。

「欠点」をどう考えるか

Nokiaのケータイに逆戻りしたことで、残念な点もいくつかありました。

カメラがない:私はそれほど写真を撮りませんが、「Instagram」にときどき投稿するのは好きです。旅行をするときは、後で思い出せるように、ちょうど12枚だけ撮影します。これからはたぶん、そのときだけカメラを借りればいいのでしょう。それとも撮影をきっぱり諦めるか。今夏の旅行では、よく考えるつもりです。

音楽が聴けない:私はよく歩きながら音楽を聴きます。でも、iPodは買わないと決めています。iPhoneがなくなったのでつらいのですが、どうしても音楽を聴きたくなったときはコンピューターの前に座ればいいのです。通勤の時に音楽がなくても、やってみれば別にどうってことはありません。iPhoneが壊れる1年ほど前に「音楽抜きのランニング」を始めたときと同じく、自分を包んでいた泡の外に踏み出したような感覚で、周囲の世界を肌で経験できます。もちろん、時には自分の世界にひたるのもいいものですが。今のところ、iPodを買うつもりはありません。

地図が使えない:友人を訪ねたり、旅行したり、交通機関を利用したりするとき、私はよくiPhoneの『Maps』アプリを使っていました。方向感覚に自信はあるので、もう一度自分の勘を頼りにしてみよう、この感覚をもっと鍛えれば何とかなるだろうと思いました。GPS機器に頼れないと、しっかり計画を立てるようになります。たいていの場合、何の問題もありません。外国にいるときはGPSが使えたらとても役に立つでしょうが、データ通信のコストは今でもバカみたいに高いので、紙の地図で何とかしのぎます。何なら、そのへんの誰かに尋ねてもいいし、これから会う相手に電話する手もあります。

意外な発見

古いケータイを使う生活に戻って3カ月たつと、意外な発見がいくつかありました。

よく電話をかけるようになった:iPhoneだと、メールがとても便利です。古いNokiaのケータイに戻したら、電話をかける回数が増えました。その方がしっくりくるのです。iPhoneでは不思議なくらい電話をかけませんでした。私がケータイから電話すると、同世代の相手はたいてい、びっくりしました。私は電話本来の機能を再発見し、以前ならメールで済ませていた相手と、楽しくおしゃべりするようになりました。人間関係も良くなるし、たいていは近況を伝え合う楽しさが増します。

デバイスに気をつかわなくなった:バッグのポケットにケータイを放り込んで出掛けるだけ。服のポケットには何も入れません。気を使うものを身につけずにいると、なんだか自由な気持ちになります。どこに置いたっけ...と寝る前に確かめる必要もありません。「傷をつけたら大変」と思うほど高価でもないから気にならないのです。心配しなくちゃいけないものなんて、少なければ少ないほどいいのです。

辞める前に気がかりだったことは、ほぼ当たっていました。でも、なくてもやっていけます。カメラが使えず、音楽が聴けず、地図が見られないのは不便ですが、それらがなくても生きていけるとわかりました。この発見は私にとって大事だし、大きな利点でもあります。さまざまな機能をすべてひとつにまとめたデバイスは便利だけれど、今のところ私にとっては「持たないこと」のプラス面の方が、マイナス面より大きいのです。

スマートフォンには戻りません...今のところは

今のところ私には、スマートフォンへ戻る積極的な理由が見つかりません。パワフルなデバイスをポケットに入れていることが、あれほど自然に感じられ、あれほど依存していたと思うと、なんだか不思議な気分です。新しいデバイスを手に入れるのに1000ドル払うことを、当たり前のように受け止めていたのですから。スマートフォンは多くの面で「日常を拡張するデバイス」となっています。けれども、それを持たなくても、生活していく上で特に大きな影響はないと感じています。

コンピューターの前に座るとき以外は、「完全に切り離されている状態」を存分に楽しむようになりました。常に最新の物事を追いかける必要がなくなり、気をつけて取り扱わなければならない高価なデバイスがひとつ減ったことに、私はホッとしています。ポケットの中からささやきかける誘惑があると、現実の人に向けるべき注意がおろそかになりかねません。ケータイだと充電が2週間に1回で済むだけでも、とんでもなく助かります。どうでしょう、1カ月スマートフォンなしで過ごし、その体験を書きつづってみませんか。

Why I'm glad my iPhone broke | Sirupsen

Simon Horup Eskildsen(原文/訳:福岡洋一、合原弘子/ガリレオ)

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