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「拒絶」がヒトにもたらす負の影響と対処法

「拒絶」がヒトにもたらす負の影響と対処法

拒絶は、自分自身に嘘をつく最大の方法かもしれません。ときには役立つこともありますが、真実を受け入れることを拒んで順応性に乏しい態度や関係ができてしまっては、害あって益なしです。では、実際、拒絶はどのように作用し、私たちの意思決定にどのような影響を与えているのでしょう。また、この課題の改善策として、どのような方法があるのでしょうか。夫婦・家族セラピーを専門とするメンタルヘルスの臨床医ロジャー・ジル(Roger S. Gil)氏は、次のように述べています。

■「拒絶」とは何か

拒絶とは、苦痛な真実から身を守るための心理的な防衛機能で、心理学用語の「回避」のひとつと考えられています。どのようなかたちでこの状況に陥るとしても、自分の態度に「拒絶」の存在を認識できれば、物事のとらえ方を普段とは変えるべきタイミングが察知しやくなります。

「拒絶」は本来、健全な機能である

誰しも、ときには拒絶に陥ってしまうもの。厳しい状況を切り抜けるため、自我を防御する正常な手段です。たとえば、疲れているのに運動をやめたくないとき、拒絶がなければ、カラダが発する雑音を無防備に受け取らざるをえないでしょう。疲労でスタミナ切れという事実を「拒絶」できるからこそ、疲れていても運動を続けられるのです。

「拒絶」が害になる場合とは?

現実を拒絶し、依存したり、衝動的にリスクを冒したりなど、不健康な態度に陥ってしまう。あるいは、虐待的な関係や自分を酷使する仕事など、自分にとって害のある状況を継続させてしまうと、「拒絶」は害になります。残念ながら、悪い状況にはまり込むまで、この有害な作用を認識できない人がほとんど。よからぬ結果が同じように何度も起こっているのに、その原因がよくわからないなら、現実を拒絶している可能性があります。■「拒絶」を認識するコツ

1:繰り返し起こるネガティブな事柄に注目する

「害を及ぼすような関係が続く」、「依存性のある態度に伴って負の副作用が起こる」など、ネガティブな事柄が繰り返し起こったら「拒絶」の徴候です。自分の望まないネガティブな結果をもたらす環境を自らつくり出しているか、実際は無力で影響を受けざるを得ない状況にも関わらず自分では支配できていると思い込んでいるか、いずれかだと考えられます。繰り返し起こる事柄があれば、自分が真実を拒絶している可能性があると気づきましょう。

2:他人を責めない

「みんなが悪い」などという台詞を言っている自分に気づいたら、拒絶の証かもしれません。世界中で自分以外の誰もが自分に対して結託している可能性は極めて低いわけですから、気を悩ませるネガティブな結果を引き起こしているのは自分自身かもしれません。自分の考えがジレンマの原因であることを明らかにするため、「いつも」、「けして」、「みんな」、「誰も」など、大げさな言葉を使ったら、その都度メモをとりましょう。こうすることで、自分の態度を客観視するための材料が蓄積できます。つまるところ、自分のあらゆるジレンマの共通項は、自分自身なのです。

3:自分とは異なる考え方を持つ人に相談する

自分とは考え方が違う人を見つけましょう。とかく似た者同士が集まりがちですが、同じような考え方を持つ友人なら、自分と同じように物事をとらえるでしょう。ですから、自分が拒絶すれば、友人もこれに同調し、結果的に自分の拒絶がより強まるだけかもしれません。一方、自分の意見や仮定に異議を唱えてくれるタイプの人がいれば、自分の拒絶について「どうしてそんな風に感じるの?」とたずねてくれるはず。彼らの物の見方・考え方を知ることで、自分が拒絶に陥ったとき、自分に何を問うべきかを知ることにもつながるでしょう。

「拒絶」は正常な自衛手段であり、誰もが陥ること。ポイント「自分がその状況に陥っていることを認識できるかどうか」のようですね。自分の「拒絶」をいち早く察知するため、これらのコツを活用してみてください。

Roger S. Gil(原文/訳: 松岡由希子)

Photos by i3alda (Shutterstock).
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