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ビジネスを成功へと導く「チーム術」〜『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』を読んで

ビジネスを成功へと導く「チーム術」〜『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』を読んで

ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』(齋藤ウィリアム浩幸著、日経BP社)の著者は、アメリカ・ロサンゼルスに生まれ、世界レベルで活躍する日系人企業家。「80年代に恩恵を受けた日本に恩返ししよう」と8年前から拠点を日本に移したそうですが、その結果気づいたのは「日本にはチームがない」ということだったとか。

失敗を恐れないでリスクを引き受ける精神は、チームから生まれる。チームの本質はお互いに助け合う、ヘルプしあう関係だ。(中略)変化が激しく、不確実性が増している今の時代では、チーム不在は致命的だ。チームをつくれなければ取り残されるし、グローバルな競争で勝ち残ることはできない

(プロローグより)

ではそんな国に住む私たちは、これからどうしたらいいのでしょうか? 本書にはその答えが書かれているわけですが、今回は第2章「なぜ日本でチームが必要なのか」から印象的な部分を紹介します。・チームの伝道師となる(109ページより)

現在の日本の企業を「何かを生み出すための組織ではなく、何かを守るための組織になっている」と指摘する著者は、チームに不可欠な要素であるパッションの重要性を力説します。「パッションさえあれば、あとはなんとでもなるというくらい大切なもの」であり、「魂の入ったチームをどうやってつくり上げるかが日本復活の肝になる」と(著者自身、福島原発の事故調査委員会の事務局に入ることになった際、チームの伝道師になって、さまざまな問題を多くの人に理解してもらおうと決めたのだそうです)。たしかにそうした意欲こそが、現在の日本に求められているものかもしれません。

チームで鍛える仕組み(113ページより)

個人主義の国だといわれるアメリカは、同時にチームの国であるというのが著者の主張。いろんな国の移民が集まる国だからこそ、チームの大切さを身にしみて理解しているというわけです。学校、教会、ボーイスカウトなどチームの訓練の場も多様ですが、重要なのは「チーム同士で競うこと」。生存競争はチーム単位となるため、たとえば募金を集めるときなどにもチーム同士で競い合うべきだといいます。

お互いの弱みを知る(126ページより)

チームの前提条件は、お互いの弱みを知ること。理由は、自分の弱みも知らない人と、チームで一緒に働けないから。人間なら必ず弱点、欠点、短所があるものなのだから、本音でお互いの弱点や失敗談を話すことによって信頼感が生まれてくる。そうなれば、別のミーティングで意見が対立したとしても、相手の発言の背後にあるものがわかるようになるというわけです。

チームの最適人数(128ページより)

2つのピザを食べられる人数、つまり6人から8人がチームとして最適な規模。理由は、そのくらいならしっかりコミュニケーションがとれるし、お互いの個性、強み、弱みをわかりあえるからだそうです。規模でいえば15人程度までは友人同士としてやっていけますが、それを超えると友人以外の人が加わるようになるのだとか。amazonのジェフ・ベゾスも同じことを言っています。これはチームづくりに際して参考にしたいですね。

衝突を恐れない(131ページより)

「グループ」は、あらかじめ決められた目標を遂行するために集められた集団。対して「チーム」は、互いに助け合い、補いあうことで目標が達成されることをメンバーが理解しているもの。自分が主体的にやろうというオーナーシップを全員が持っているからこそ、自由に意見を言い合って、衝突すらアイデアが生まれるチャンスと考えるそうです。衝突を恐れて本音を隠すより、ずっと建設的ですね。

アメリカで生まれ育った日系二世としての立場から本質を突く姿勢は、とても刺激的です。他にも参考になるフレーズが多数隠されていますので、本書を一度手にとってみることをおすすめします。

本書を手に取った方は、どんな感想をもったでしょうか。Facebookページでも下記のコメント欄でも、ぜひ教えてください。

(印南敦史)

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