特集
カテゴリー
タグ
メディア

ビジョンを強調せよ! イケアのビジネスを支えた6つの秘密とは

ビジョンを強調せよ! イケアのビジネスを支えた6つの秘密とは

IKEAモデル─なぜ世界に進出できたのか』(アンダッシュ・ダルヴィッグ著、志村未帆訳、集英社)は、2009年までイケアの社長兼CEOを務めた著者が、同社についての思いを記した書籍。そこから浮かび上がるのは、イケアの成功の裏側にあるのはビジネス術的な「仕掛け」ではなく、一貫性のある思想であるということ。ブレがないからこそ、ここまでの企業になり得たのだろうということがよくわかるのです。

もっとも印象的だった「ビジョン」について、6つの要点をピックアップしてみましょう。1.価格設定(28ページより)

イケアの魅力といえば、リーズナブルな価格設定。そしてここには、イケアの企業としての信念が表れています。根底にあるのは「低価格で販売すれば販売数が伸び、利益をもたらす」という考え方。会社のビジョンに沿ってコスト削減につとめ、その結果を顧客に還元したわけです。

2.機能性(29ページより)

大邸宅に住んでいるのは一部の人。ほとんどの人は、持ち物をしまうのに適当な場所を見つけ、取り出しやすく収納するのに苦労している。限られた空間を効率よく使う必要があるからこそ、イケアは機能性を最重要視しているのだそうです。

3.顧客の参加(29ページ)

イケアが配送から組み立てまでを顧客に委ねているのは、当然ながら「自分でやればやるほど支払う額は少なくなる」から。できるだけ多くのことを自分でする顧客が、つねに一番得をするべきだという考え方を反映しているわけです。

4.拡大(30ページより)

80年代末期のソ連崩壊後すぐ、イケアは東欧諸国での店舗展開に乗り出し、1999年にはロシアに進出したそうです。多くの企業が新興市場でのビジネス展開に慎重さを見せるなか、経済的に余裕のない人を支援するために、あえてリスクの高い計画を進めたのです。

5.環境保護(30ページより)

環境的・社会的条件の改善は、「より快適な毎日を、より多くの方々に」というイケアのビジョンと一致しているといいます。だから、最大または最良の企業になることが大切であるとイケアは考えました。「成長する義務とは、社会の大多数の人の日常をよりよいものにするというビジョンを実現する義務」だからです。

6.会社のビジョンに対する信頼を得る(31ページより)

イケアが信頼される理由のひとつは、上場企業でないことにあるといいます。理由は、株主の富を最大にすることと会社の社会的ビジョンを実現することの間で利害を調整する必要がないから。そしてもうひとつの信頼要因は、ホームファニッシングの問題解決能力も、低価格も、従業員のふるまいも、イケアのすべてが言行一致しているという点。ちなみにこのことについては、以下の一文が印象的でした。

真意に基づくビジョンと価値観が形成されると、それらは会社の進む方向、戦略、判断、そして行動に決定的な影響を与える。なによりも、それらは従業員を惹きつけ、各人が能力を最大限に発揮するようにはたらきかける原動力となる。また、会社と顧客とのあいだに絆を育み、一般社会から尊敬を得る助けにもなる。組織の成功と評判に関して、ビジョンと価値観の重要性はどんなに強調してもしすぎることはない。

(32ページ)

この一文は、イケア以外のどの企業にもあてはまる、そしてとても大切なことなのではないでしょうか。

本書を手に取った方は、どんな感想をもったでしょうか。Facebookページでも下記のコメント欄でも、ぜひ教えてください。

(印南敦史)

swiper-button-prev
swiper-button-next