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デスク作業の合間に効く「落語ストレッチ」

デスク作業の合間に効く「落語ストレッチ」

普段デスクワークの人は、座ったきりで身体を動かしていないのではないでしょうか。

さて、座ったままの仕事といえば落語。座って話しているので身体的には楽だと思われているかもしれませんが、そんなことはありません。頭の柔軟性が重要なのはわかりますが、実は、落語には体力や身体の柔軟性も必要なんです!

落語家に見習って身体と頭の両方を柔軟にしてみませんか? 今回は落語を使ったストレッチ術を湯浅景元さんの著書『和でエクササイズ』(岩波書店)を参考に、3つご紹介します。■『猫の忠信』で股関節を柔軟に

男性は、両足を同じ方向にくずすいわゆる「女の子座り」ができない人が多いですよね。原因は股関節の柔軟性がないためです。そこで、女性役を演じれば自然と股関節の柔軟性がアップします。『猫の忠信』という落語では、男性役と女性役を落語家が演じ分けます。女性役を演じる際の格好は股関節を伸ばすストレッチになるのです。

  1. 正座をする
  2. お尻を左にずらして座り、左手を床について身体を支える
  3. この姿勢を10~20秒続ける
  4. 2、3を右に変える
  5. 左右それぞれ3回ずつ


実際にやってみてわかりましたが、女の私でも左と右とではやりづらさが違いました。やりづらさの違いは、以前記事で書いた左右の重心の差が関係しているのでしょうか。

身体はそんなに固くないほうですが、このストレッチ、股関節に効いている感覚があります。身体の左右の違いではなく股関節のずれからきているのかもしれません。

『巌流島』で腰と背中の筋肉を緩める

落語家は扇子と手ぬぐいだけで、いろいろな道具を表現します。例えば、閉じたままの扇子をキセルに見立てたり手ぬぐいを煙草入れに見立てたり。落語の演目『巌流島』より、手ぬぐいを煙草入れに見立て、キセルの方を床に近づけて火をつけるキセルの動作は、実は腰と背中の筋肉を緩める運動になります。

  1. 正座の姿勢から斜め前方に状態を倒します
  2. あたかもキセルを吸いながら煙草に火をつけるようなしぐさで10秒キープ
  3. 左右それぞれ3回ずつ


この姿勢を10秒間キープするのは、かなりきついです。背中が伸びているストレッチ感覚と姿勢を維持するための筋力が両方必要でした。

『船徳』で肩こり防止

扇子で棹(さお)をさす動作があります。『船徳』という演目は、演じている最中ずっと手を上げては下ろすを繰り返しながら話をするので、体力や呼吸器系が強くないとできません。棹の扱い方は一見簡単そうですが、

棹は三年、櫓(やぐら)は三月

と言われるほど難しいのだとか。さて、その「棹をさす」動作を取り入れたストレッチは、次のようなものです。

  1. 膝立ちで右手を上、左手を下にして扇子の両端を持ちます
  2. 両腕をゆっくり左下に下ろします
  3. この繰り返しを5回ずつ
  4. 左側も同じように5回繰り返します


ゆっくり降ろすのがポイントのようです。肩を上げて下ろすと、肩を回したときのような、肩甲骨周りの気持ちよさがあります。鏡でみてみると、全然棹をさしているようには見えませんでした。噺家さんたちのすごさを実感しました。

いかがですか? 落語ブームにのって、一発芸として落語をひとつぐらい覚えてみてもいいかもしれません。覚える落語によっては、ストレッチ効果も期待できるかもしれませんよ。

【参考】

・『和でエクササイズ』(湯浅影元著、岩波書店)

・『落語家・三遊亭楽春の落語豆知識 「扇子と手拭」

(大山奏)

Photo by m-louis.
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