自分にピッタリのマウスとキーボードを選ぶ方法
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皆さんは、PCを買ったときに付属しているマウスやキーボードをそのまま使っていますか? それとも新しく購入しましたか? どちらにせよ、もし反復性疲労障害(RSI)に悩まされていたり、すぐに絡まるコードや反応の悪いマウスにうんざりしているなら、買い替えを検討する時かもしれません。そこで今回は、自分にぴったりのマウスやキーボードを選ぶ方法をご紹介します。
■マウス
世の中には安くて優秀な2ボタンマウスがたくさんあります。しかし、良いマウスがいかに生活を素晴らしいものに変えてくれるかを知ったら、きっと驚くはずです。確かに良いマウスは決して安くはありません。しかし、手首の痛みが改善されたり、スクロールのために何度もクリックしなくていいことを考えると、値段に見合う価値はあると思います。
実際に、筆者が75ドルで買ったマウスは、彼の買い物の中でもベストといえるものだったそうです。マウスは仕事中ずっと触っているものなので、できるだけ品質の高いものを選ぶべきです。もしマウスの買い替えを考えているなら、以下を参考にしてみてください。
マウスを選ぶ上で一番大切なのは、持ったときのフィーリングです。職場全体の環境を整えることももちろん大切ですが、マウスを変えるだけでも快適さが劇的に向上することがあります。ポイントは「サイズ」と「グリップ」の2つです。サイズはその人の手の大きさによりますが(持ち運びをするかによっても変わりますよね)、グリップはその特性に応じていくつか種類があります。主なグリップは以下の3タイプです。
パーム・グリップ(かぶせ持ちタイプ)このタイプのマウスは手のひらをマウスに乗せ、手のひら全体を使ってマウスを動かします。他のタイプのグリップよりもマウスを速く動かせますが、動きの精密度はやや劣ります。よって、正確で細かい動きを要求するゲームなどには不向きです。
とはいえ、使いやすく快適なマウスには違いないので、反復性疲労障害で悩んでいる場合は、このタイプのマウスは良い選択肢となるでしょう。通常このタイプのマウスは、手のひらをのせる部分が大きくとってあり、代表的なものとして「Razer Lachesis」や「Microsoft IntelliMouse Explorer」などが挙げられます。
クロー・グリップ(爪立て持ちタイプ)このタイプのマウスは、文字通り人差し指と中指を爪を立てるようにマウスの上にかぶせて持ちます。そして、親指や薬指、小指を使ってマウスを動かします。パーム・グリップよりも細かい動きが可能ですが、少し手が力みやすくなります。
マウスは縦に長く、後ろの端が少しめくれ上がった形をしているので、マウスを手のひらで包んで浮かして動かしやすくなっています。このタイプは、パーム・グリップとリンガーティップ・グリップの中間に位置しており、幅広いバリエーションがあります。例えば、「Razer DeathAdder」や「Logitech G9x」はゲーム用のマウスとして有名です。また、筆者も愛用している「Logitech Performance Mouse MX」は、通常のPC作業用としても非常に優れています。
フィンガーテイップ・グリップ(つまみ持ちタイプ)このタイプはちょうどパーム・グリップの対極に位置します。手のひらはマウスに触れず、マウスはすべて指先だけで動かします。3タイプの中で最も細かい動きが可能ですが、一番手に負担のかかるマウスでもあります。また、使い慣れるまで時間がかかり、あるとき急に使いやすくなるような急カーブの学習曲線をもつタイプです。逆に、パーム・グリップは誰にとっても最初から使いやすいでしょう。
反復性疲労障害で悩んでいるなら、このタイプは避けたほうがいいでしょう。このマウスは比較的サイズが小さく形状も平らで「Razer Abyssus」や「Logitech Marathon Mouse M705」などが代表例です。
上のマウスの画像は「Razer's mouse ergonomics guide」というサイトから引用しました。主にゲームが話題の中心ですが、おすすめのサイトです。また、マウスの人間工学的な知識を得たいなら、YouTubeの「NCIX Tech Tips」という動画も参照してみてください。
上で述べた解説はあくまでも一般的なガイドラインです。人の手はそれぞれ異なりますし、3タイプの組み合わせや中間的なグリップのマウスもあるでしょう。手のサイズによっても合うグルップは変わってきます。もし手が平均より小さめなら、クロー・グリップがパームグリップの替わりにちょうどいいかもしれません。大事なのは、安易にオンラインで注文したりせず、ショップで実際に触ってみてから購入を検討することです。

ケーブル付きかワイヤレスかの選択は大きな分かれ道です。一般的に、ワイヤレスのほうがケーブルが机や物にひっかかったりしないため、使い勝手がよいと言われます。しかし、ワイヤレスマウスはわずかなタイムラグ(8ミリ秒程度)があるので、注意が必要です。もし真剣にアクションゲームをしている最中だとしたら、このタイムラグは致命的になります。さらに、無線ルーターなどの他のワイヤレス機器と干渉してしまうこともあり、もちろんバッテリーや電池が必要です。もし充電や替えの電池をストックし忘れた場合、非常に残念な思いをすることでしょう。
ワイヤレスマウスにはいくつかの異なる無線タイプがあります。通常は「Bluetooth」か「RF」です。RFマウスは比較的レスポンスが良く、電波の届く範囲も広いですが、USBレシーバーが必要で、PCのUSBポートを1つ占有してしまいます。また、RFは他の無線機器と干渉しやすいので、注意が必要です。一方のBluetoothマウスはどちらかというとまだ数は少ないですが、多くのBluetooth対応PCでそのまま使うことができます。現在のところはRFマウスがまだまだ主流で、良いBluetoothマウスを見つけるのはなかなか大変です。そのため、USBポートに余裕があるなら、より一般的なRFマウスをオススメします。

マウスのエクストラボタンはゲーマーのためだけにあるのではありません。ブラウザの「進む」、「戻る」機能や、Mac OS Xの「Exposé」機能をマッピングすることも可能です。Logitechマウスの中には「ファーストスクロール」ボタンがついているものもあります。これは、スクロールホイールをより速くスムーズに動かすことができて、長いページを読むのにとても重宝します。
筆者は、サイドにいくつかのエクストラボタンのあるマウスが気に入っているそうです。コピー&ペーストを一日に何度もする人は、この動作をエクストラボタンにマッピングすると便利でしょう。たくさんのバーチャルデスクトップを切り替えながら作業する人にとっても、Logitechのサイドボタン付きマウスは最適のツールと言えます。使い方は無限です。例えば、いつも押さえるのに苦労しているキーボードショートカットをエクストラボタンに割り当てるのもいいでしょう。試してみれば、それがどれほど便利かわかります。

感度はインチあたりのドット数(DPI)で表され、比較的高感度のマウスだと「1200 DPI」の感度があり、これだけあれば大抵は十分です。もし、細かい動きが要求される作業をするなら、感度が400DPI以下のマウスは選ばないように注意してください。マウスによっては、ボタンで感度を切り替えられるものもあり、わざわざPCのコントロールパネルを開かずに済むので便利です。通常のPC作業と細かい動きが要求されるゲームや、画像編集作業とをよく切り替えながら使う人には、きっと便利でしょう。
基本的には、自分の目で確かめて選択することをオススメしますが、参考までに米Lifehackerスタッフが愛用しているマウスをご紹介しましょう。

スタッフのうち4人が「Logitech Performance Mouse MX(旧 MX Revolution)」を愛用しています。このマウスは手のひらに完璧にフィットし、エクストラボタンもついていて、スクロールも非常になめらかです。基本的にはパーム・グリップやクロー・グリップ用に作られていますが、どんな持ち方にもフィットします。ワイヤレスマウスを探しているなら、まずこのマウスを試してみると良いでしょう(ただしサイズは大きいので、持ち運びには不向きです)。
この対極に位置するマウスが「Microsoft Wireless Mouse 5000」です。これはDachisご愛用のマウスで、シンプルで廉価、ワイヤレス仕様で持ち運びにもピッタリです。
ゲーマーのJasonは「Razer Naga」を使っています。このマウスは親指で押せる12個ものボタンがついています。このマウスは「World of Warcraft」のようなマルチプレイヤーゲーム用に開発されたマウスですが、他にもアクションゲームなど、好きなゲームに合わせてエクストラボタンの機能をマッピングし直すことが可能です。
■キーボード
現在使用中の安いキーボードで満足している方も多いかもしれません。しかし、メディアコントロールやボリューム調整、アプリ起動などが素早くできるエクストラボタンのついているキーボードもありますし、反復性疲労障害に悩まされているなら、使うだけで自然と正しい姿勢になるように設計されているキーボードもあるので、ぜひチェックしてみてください。

キーボードもマウスと同じく、デスクにいる間中触っているものなので、できるだけ疲れにくいものを選びましょう。高さや傾きを調節できるキーボードは、正しい姿勢をとるのに役立ります。リストレスト(手首を置く台)がついているタイプも良いです。「keyboards like the Microsoft Natural Keyboard Elite」や「Logitech K350」といった、人間工学キーボードも人気があります。ただし、これらの人間工学キーボードは慣れるまで多少時間がかかるので、そのあたりも念頭に入れておいてください。
もう一つの人間工学的ファクターは「キータッチ」です。旧タイプのキーが浮き出たキーボードもありますが、近年では「Logitech DiNovo Edge」やAppleのキーボードのように薄型のキーボードが人気です。お金に余裕がある人は「SteelSeries 6Gv2」などのメカニカルキーボードはいかがでしょうか。内部にゴムではなく、機械式のスプリングが内蔵されており、耐久性に優れています。キーを押すのに少し力が必要で反発もクイックなので、「キータッチ」を追求する人にはピッタリです。普通のキーボードのようにガタつくこともなく、キーの押し間違えも減るでしょう。メカニカルキーボード愛好者は一様に「もう普通のキーボードには戻れない」と口をそろえています。キーを打つ音が多少大きく、値段もはりますが、候補に入れておいて損はありません。

マウス同様に、ワイヤレスキーボードの弱点は「応答性」です。筆者の個人的な意見では、ワイヤレスキーボードはワイヤレスマウスほどの利点はありません。よく動かすマウスの場合は、ケーブルがあるとかなり煩わしいですが、基本的に動す必要のないキーボードの場合、ケーブルの存在はさほど気になりません。ケーブルが邪魔になるのはキーボードを膝の上に置いて使うときくらいです。
また、ワイヤレスキーボードはワイヤレスマウスと同じマイナス面があります。比較的高価で、バッテリーが必要。さらにはUSBポートを占有し(Bluetoothは例外)、無線の干渉も起こりえます。もし、ホームシアターPCなどでキーボードを頻繁に移動するような使い方をするなら、ワイヤレスキーボードも選択肢に入れるとよいでしょう。

他にもキーボードごとに様々な違いがあります。例えば、テンキーパッドがついていなかったり、「Dvorak」のように独自のキー配列になっていたり、USBポートが付属していたりします。また、ゲーム用にはさらに特殊なキーボードがあります。ゲームのホットキーのついたアドオンパネルや、アンチゴースト機能などがついたものもあります。暗闇で多くの時間を過ごすゲーマー達にはイルミネート・キーボードも人気です。
他の機器と同様、一番いいのは自分で試して回ることです。実際に触って「感じて」みれば、それが自分が探しているキーボードがどうかがわかるでしょう。 また、ショップを丹念に回っていれば、すばらしい新機能に出会うかもしれません。
ここで、米Lifehackerスタッフの愛用キーボードについてもご紹介しておきます。

Alanと2人のAdamはAppleキーボードのファンで、その薄さとキータッチがお気に入りだそうです。Appleのチクレットキーボードは、Apple派以外にもオススメできる優れた製品。ケーブル付きのタイプにもUSBポートがついていてかなり便利です。
Alanはゲームをするときには、たくさんのエクストラキーをゲームに合わせてカスタムできる「Logitech G19」を使うそうです。小さなLCDモニタもついており、ゲーム中にステータス情報などを表示できて超便利とのこと。さらに、いろんな色の光でライトアップもできます。
Jasonの現在のお気に入りキーボードは「Microsoft Comfort Curve 3000」だそうです。人間工学的なウェーブデザインを採用しており、自然と正しい姿勢になるように設計されています。反復性疲労障害に悩まされている人は要チェックです。
筆者のWhitsonは、何台ものキーボードを乗り換えてきましたが、Logitechの薄型キーボードを外すわけにはいかないとのこと。今だと暗闇仕様の「Logitech Illuminated Keyboard」がお気に入りだとか。もしお金に余裕があって多機能なものがお望みなら、「Logitech's diNovo」シリーズもオススメとのことです。
マウス・キーボード選びでは、とにかく快適さと健康を最優先にしてください。自分に合ったものを選び、ストレスや痛みを取り除きましょう。利便性はその次に考えるようにしてください。
皆さんのお気に入りのマウスとキーボードは何ですか? ぜひコメント欄で教えてください。
Whitson Gordon(原文/訳:伊藤貴之)
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