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特典をもらうよりポイントを貯める方が幸せ? ポイントを貯めたくなる人間の心理

旅行ビジネスの競争は激しく、多くの旅行関係の会社は、ポイントを貯めると特典がもらえる会員プログラムを持っています。一番馴染みがあるのは、航空会社のマイレージプログラムでしょう。ある一定のマイルが貯まると、無料の航空券やビジネス・ファーストクラスへのアップグレード、先行搭乗などの特典が受けられます。

仕事で出張や移動が多い人は、航空会社のマイレージプログラムを利用していることも多いと思います。最近では実際に飛行機に乗る機会がなくても、クレジットカードでマイルを貯める「丘マイラー」なんて人もいますよね。

このようなポイントプログラムを有効に使うことは、企業にとっては大きなメリットがあります。移動で使う飛行機を、色々な航空会社を使うのではなく一つの航空会社に絞る人が多いのは、間違いなくマイレージプログラムがあるからです。

消費者視点で見ると、マイレージプログラムでマイルを貯めることが本当に得なのかどうか、いまいちハッキリしません。旅行をする時に航空会社を選ぶ理由は色々あると思います。航空券の価格が重要な人は、ネットで格安航空券を検索して一番安い航空券を探すでしょう。マイルを貯めている人は、無料の航空券が欲しかったり、その他の会員特典が受けたくて、その航空会社だけを使うのではないかと思います。

一つの航空会社に絞って飛行機に乗ると、マイルが貯まりやすいというだけで、喜んでお金を払う人が多いです。「40ドル払えば早めに搭乗することができますよ」と言われても、多分余計に払う人はいないでしょうが、「マイレージプログラムの会員であれば早めに搭乗することができます」と言われると、40ドル余計に払ったりするのです。

そこまでしてマイルが貯めたくなるのはなぜでしょう? 特典が魅力的だというのは間違いないと思います。特典が魅力的でなければ、ここまでマイルを貯めようと思う人は多くないはずです。

しかし、このようなポイントプログラムは本当にお得なのでしょうか? 「Journal of Consumer Research」という雑誌に、おもしろい研究結果が載っていました。

ポイントプログラムというのは、何かを購入するとポイントが付与されます。例えば、1ドルにつき10ポイントがもらえるレストランと、1ドルにつき1ポイントがもらえるレストランがあります。1ドルにつき10ポイントがもらえるレストランでは、特典をもらうのには1000ポイントが必要です。1ドルにつき1ポイントがもらえるレストランでは、特典をもらうのに100ポイントが必要です。ですから、どちらのポイントプログラムも同じ設定です。

被験者がポイントプログラムでポイントを貯め始めた時は、ポイント数はあまり重要ではありませんでした。しかし、ポイント数が特典のもらえる数の8割に達した頃、被験者はポイントを貯めることに喜びを見出し始め、他の人にも勧めるようになったのです。しかも、100ポイントで特典が受けられるプログラムで80ポイントを貯めた人よりも、1000ポイントで特典が受けられるプログラムで800ポイントを貯めた人の方が、より他の人にも勧めたいと思ったそうです。

ポイントプログラムを導入している会社というのは、消費者にその会社を使う習慣をつけて欲しいのだ、ということを覚えておいてください。航空会社もホテルも、自分の会社を使い続けることを習慣にして欲しくて、ポイントプログラムを導入しているのです。多少お金を余計に払ってでも、欲しくなるような特典があるなら、それでもいいでしょう。ですが、特典がそれほど魅力的でないなら、ポイントプログラムのために余計に支払うことは意味がないのではないでしょうか。

ポイントプログラムというのは、どれだけ多くのポイントを貯めたかが重要なのではありません。ポイントプログラムを利用する時に、今までどれだけ多くのポイントを貯めたかではなく、特典をもらうには、あとどれだけお金を費やす必要があるのか? を考えてみてください。そうすれば、自ずと何がお得で、何がお得でないのか、見えてくることでしょう。

特典をもらうことよりも、ポイントを貯めることの方が幸せ、というような本末転倒にならないように、賢くポイントプログラムを利用してくださいね。

The psychology of loyalty programs [Psychology Today]

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)

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