サンクコストの呪縛でストレスと無駄遣いを増やさないためのコツ
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過去の出費のうち、回収不可能な費用を「サンクコスト(埋没費用)」といいます。身近なものだと、前売り券を買ったものの、結局行きそびれた映画や、急な仕事でふいにしてしまった、プロ野球の観戦チケットなどが、これに当たりますね。この手のコストは、できればゼロにしたいところですが、そうもいかないのが人生。そこで、こちらでは、サンクコストとうまく付き合う方法について、採り上げてみたいと思います。
おなじみのマネー系ブログメディア「The Simple Dollar」では、サンクコストでハマりがちな罠と、これに対処する方法について、述べています。
1: 大リーグの前売り観戦チケット家族で大リーグの前売り観戦チケットを買ったものの、当日、子どもが急に病気になった場合、観戦を取りやめても、チケットのために、既に支払ったお金は戻ってきません。「もったいないから、観戦を強行しよう」という思いがよぎりがちですが、この判断は適切でないかも...。病気の子どもが気になって観戦を楽しめないし、留守している間に子どもの具合が悪化し、もっと大変なことになるかもしれないからだ。
2: 破産寸前の会社への投資これまで多額の投資を行ってきた会社が、破産寸前に陥った場合、投資の穴を埋めるために、さらに投資をするのはリスク高し。むしろ、早めに「損きり」するほうが賢明かもしれない。
このようなサンクコストの呪縛は、「せっかく払ったのだから、もったいない」というマインドや、自分の失敗を認めたくないという意識から生じるものだとか。実際、サンクコストを冷静に認識することも、実は結構難しいもの。なぜなら、サンクコストを認めるということは、それまでの自分の行動の失敗を認めることになるからです。しかし、この呪縛に囚われてしまうと、無駄な時間を使ったり、必要以上の債務を負うことになったり、冷静で適切な投資判断ができなくなるなど、新たな弊害を生み出しかねません。
では、サンクコストの呪縛を最小化するには、どうすればよいのでしょう?
この記事ではまず、確実性の高いものでない限り、サンクコストになりそうなものにお金を使わないこと、を勧めています。また、サンクコストが避けられない場合は、そのコストだけに囚われるのではなく、全体の影響を最小限にするための選択を心がけること。また、それまでの経緯はともかく、その時点での状況を冷静に見極めて、これらをもとにベストな判断を下すことも、大切です。
いかがでしたか?
自分のサンクコストを認めることは、ある種の「敗北感」や「挫折感」を感じることにもつながるかもしれませんが、このネガティブな感情を受け入れないで、意固地になってしまうと、さらに大きな失敗につながることも...。あるタイミングで未練を断ち切り、スパっと割り切ることも、ときには必要なようですね。
Some Thoughts on the Sunk Cost Fallacy [The Simple Dollar]
Jason Fitzpatrick(原文/訳: 松岡由希子)