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抜け漏れなく効率的な仕事に、「手順化」のススメ

仕事を効率的に進める上で、タスクを書き出し、都度チェックすることは基本中の基本。しかし、実はもうひとつ重要なポイントがあります。それは、どのようにタスクを書き出すか? という点。たとえば「プレゼン用の資料を作る」というタスクには、データや情報収集、分析、要点のまとめなど、様々なタスクが隠れているわけですが、これらをきちんと細分化して書き出しておかないと、思わぬ抜け漏れが発生したり、何から手をつけていいかわからず、放置したまま時間だけが過ぎてしまうことも...。そこでこちらでは、仕事を「手順化」するというテーマについて、採り上げてみましょう。

仕事の手順化とは、目標や成果の達成に必要なものを、すべて漏れなく明らかにし、やるべきこと、その順序、チェックポイントなどをまとめること。一見、手間がかかり「回り道」のように思えますが、一連のワークフローをこのようにまとめておくことは、実は効率的で確実な仕事術です。

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Photo by lupoianfla.

なぜなら、ヒトはミスする生き物。また、忘れる生き物でもあります。一方で、実際にミスや抜け漏れがおきると、それをカバーするのに、相応の時間とコストがかかるのも事実。その点、仕事を手順化し、チェックリストなどにまとめておけば、「あれ? これ、どうやるんだっけ?」というときにも備えられますし、実際の日常業務をこれに照らしてチェックすれば、事前に抜け漏れを防ぐことができます。また、この一連の手順を少しづつカイゼンすれば、効率性の向上にもつながります

では、具体的に、どのような方法で、「手順化」すればよいのでしょう?

大きくわけて、2つのアプローチがあります。ひとつは、特定の状況を想定し、ベストな手順を作ること。理想の状況をもとに、完璧な手順を設計していくのです。もうひとつのアプローチは、今、自分が実際にやっている手順をリスト化するというもの。取り掛かりやすさの面からは、前者よりも、後者のほうが適しているといえそうです。

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Photo by walker M.

日々、自分のやっていることは、完璧もしくは効率性満点ということはなくても、そこそこ正しいはずですね。そこで、今の状態をまずは可視化し、冷静に見直しましょう。一日の行動をステップごとに書き出し、何か重要なプロセスをすっ飛ばしていないか? 非効率なやり方ではないか? じっくり振り返るのです。

従来の手順に、疑問をもたないことが非効率を生み出すという例として、ある料理本でこんな話が紹介されていました。

ある日、筆者は夫から「なぜ、お肉を切って、2つのフライパンで調理するの?」と尋ねられ、「自分の母親がそうしていたから」と答えた。その後、筆者が実母にその理由を聞いてみたところ、母も「おばあちゃんがそうしていたからだ」と答えた。そこで、祖母に直接理由を尋ねてみると、「大きなフライパンを買うお金がなかったので、分けて焼くしかなかった」と言った。つまり、いまとなっては大きなフライパンを買う余裕があるにもかかわらず、「なぜ、こうやっているのか? これは本当に効率的な方法なのか?」を考えなかったゆえに、非効率な調理法を受け継いでしまったというわけなのです。

100520precedurechecklist4.jpgのサムネール画像
Photo by edsaxby.

意識・無意識問わず、ほぼすべての行動は、一連の流れにあるはず。可能な限り、具体的に、ひとつひとつ書き出してみましょう。一見「取るに足らないこと」も、改めて可視化してみると、別の視点から課題が見つかったり、改善すべきポイントが現れるかもしれません。

さて、一通り今の自分をステップごとに書き出せたら、いざレビューへ。以下のポイントで見直してみましょう。

  • それぞれのステップは必要か? なぜ、そのステップが含まれているのか?
  • ステップの順番は正しいか? 前後が間違っていないか?
  • 他人が見ても、説明なく理解できるほど、わかりやすいか?
  • それぞれのステップは、実行できる、もしくは、チェックできるほど、具体的なものか?

浴室の掃除を例に挙げてみましょう。

たとえば、シンクの真上に照明がある浴室で、「シンクを洗い、磨く」というステップのあとに、「照明を拭く」というステップがあったら、どうでしょう? この順序だと、せっかくキレイにしたシンクの上に、照明のホコリや汚れが落ちてしまい、またシンクを洗う羽目になるかも...。掃除の基本原則「上から下へ」に従って、プロセスを改善したほうが効率的ですね。

このように、各ステップの必要性・具体性などはもちろんのこと、それぞれの順序についても見直しを行い、必要に応じて修正してみてください。

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Photo by Dominik Gwarek.

また、「カイゼン」は継続することに意義がある

一度、レビューしてからも、週次・月次などで、定期的に手順を見直しましょう。小さなことでも、微調整を続けていくと、生産性の向上につながります

手順をまとめるフォーマットとしては「Procedure List」などもありますので、これらを活用し、一度、普段の何気ない自分の行動を、プロセス分解してみてはいかがでしょう?

[How to Start Using Procedure Checklists for Flawless Task Execution]

Jason Fitzpatrick(原文/訳:松岡由希子)

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