「2012年の企業コミュニケーションはこうなる!」イベントレポート
ライフハッカー編集部の所属するメディアジーンの兄弟会社・株式会社インフォバーンが主催する、企業の広報、宣伝、マーケティング、コミュニケーション、経営企画の担当者向けセミナー「斉藤徹×佐藤尚之×小林弘人 2012年の企業コミュニケーションはこうなる!」が12月2日(金)、青山学院アスタジオで開催されました。
ライフハッカーではこの模様を取材してきましたので、レポートをお届けします!
『ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと』(日本経済新聞出版社)の著者であり、株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役の斉藤徹氏、『明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法』(アスキー新書)を上梓し、「さとなおさん」の呼称で知られるコミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏、株式会社インフォバーン代表取締役CEOであり、『メディア化する企業はなぜ強いのか? ~フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識』(技術評論社)を出版した小林弘人氏の3名の登壇者に、モデレーターに株式会社ブープラン代表取締役の幸田フミ氏を迎え、約100分にわたったトークセッション。
セッションではまず、「2012年の企業コミュニケーションにおけるポイントは何か?」という提起を受け、斉藤氏が「Facebook上の一人当たり情報共有量が年間2倍になるという〈シェアの法則〉を考えると、SNS上でシェアされる情報は今後、指数関数的に増える。これにより、私のテーマだった〈透明性の時代〉がさらに透明になっていくだろう。生活者に対して、あるいは会社の従業員に対して、上からではなく同じ目線に立った、今までと違う広報のあり方、マネジメントのあり方が必要になる」と答えました。
また、佐藤氏は「2012年は企業コミュニケーションを担当している人が、情報伝播の主導権が、送り手側から生活者側へ移ったということを深く理解する一年になるだろう。それはソーシャルメディアが起こす変化の一歩目。今後2~3年で、ソーシャルマーケティングを取り巻く環境はゆっくりと変わっていくと思う」と語りました。
さらに、「いかにして上司や経営者に、企業コミュニケーションの重要性を理解してもらうか」というテーマでは、佐藤氏は「電通で働いていた経験から、上司を説得するには3段階必要だ。一つ目は、口コミでものが売れる時代になってきたということを、上司が分かる言葉で伝えること。次に、図を作って整理しながら仕組みを説明すること。最後に、上司の成功体験も尊重し、共存すること。自分たちが当事者になって、上司に対して伝えるためのコミュニケーションデザインを施すべきだ」と、3点を提示しました。
小林氏は、「ソーシャルマーケティングで成功している企業は、どこも担当者がノリノリで、情熱がある。言われたからやっています、みたいな人はいない。ソーシャルメディアにおいては個の力がとても大切だ。元カトキチのツイッター部長のような、チーフソーシャルコミュニケーションオフィサーみたいな存在が企業にいた方が良いかもしれない」と述べました。
また、『ソーシャルシフト~』の執筆に当たり、10社以上の先進的なソーシャルメディア活用企業を取材したという斉藤氏は、「ソーシャルメディアの場合は、はじめることよりも運用することの方がはるかに重要だ。たとえばFacebookでも、凝ったウェルカムページやアプリを作る企業が多いが、Facebookは結局のところウォールでのコミュニケーションが8割以上を占める。ウォールでいかにお客様とエンゲージメントを深めるかが、成功の95%ぐらいを握るはず。そこでPDCAサイクルの中で、エンゲージメント率をあげる工夫を続けるのが良い」と、ソーシャルマーケティングの成功のポイントを指摘しました。
小林氏も、「いくらソーシャルメディアが流行っているからと言って、〈冷やし中華はじめました〉型(シーズンだから始めておいたといったタイプ)のキャンペーンページではダメ。ソーシャルメディアはカンバセーショナル(対話型)マーケティングなので、ある時期からスタートしたり中断したりしていたら成功は難しい。逆に、普段から対話をしておくことで、セーフティネットを築き上げ、炎上を防ぐことにも繋がる。ソーシャルマーケティングをやる以上は、できるところから、無理しない程度に続けていくことが大切だ」と、ソーシャルメディアにおける継続的な対話の重要性を語りました。
ディスカッションの後に行われた質疑応答では、ソーシャルマーケティングを実践する上での質問が相次ぎました。
「今後、企業の広報・宣伝の役割はどう変わっていくか」という参加者からの質問に対して、佐藤氏は「会社を代表してコミュニケーションするということは考えない方が良い。むしろ、社内全体コミュニケーションを作る先頭に立つ意識で、インナーのコミュニケーションを活性化させる方が良いだろう。広告効果とか、KPI(重要業績評価指標)とか考えてはいけない。ソーシャルメディアは人と人との繋がりで生まれるもの。効果を測定しようというのは昔の発想だ」と述べ、小林氏も「社内でコラボができていないのに、社会でソーシャルメディアができるはずがない。ソーシャルメディアは、社内の意識がにじみ出て伝わるところが大きい。まずは社内総当たりのような形で、インナーブランディングを行うことが重要だ」と語りました。

会場には、企業の広報、宣伝、マーケティング、コミュニケーション、経営企画の担当者を中心に約150名が訪れ、3人の具体的な事例に基づく話に、熱心に耳を傾けていました。
(大山貴弘)
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