買い物に失敗しないための大切なポイントと心構え4か条
クリスマスや年末のお買い物シーズンがやってきますね。お店はお客である私たちに、衝動的に買ってもらおうとします。自分のショッピングカートが、金魚鉢とか等身大のキリンのぬいぐるみとか、わけのわからないもので一杯になっていたら、余計なのを買おうとしてると思って良いでしょう。そこで今回は、「余計な買い物の原因」と「買い物に失敗しないためのポイント」をお教えします。
■いらないものでも「無料」には弱い

「タダほど怖いものはない」ということわざもありますが、「無料」という言葉には無視できない魔力があります。差し出されたものが無料だったら、別にもらってもいいかな...という気持ちになりやすいものです。無料のものをもらうのは別に悪くないだろう! と思うかもしれませんが、問題は、お金を払わないからといって、何の代償も払わないわけではないということです。無料の魔力は、普通なら選ばないようなものを選ばせたり、そのせいで多少お金を払うよりも悪い結果を引き起こします。
『予想通りに不合理(Predictably Irrational)』の著者Dan Ariely氏は、クラブで無料でタトゥーを彫る実験を実施しました。その結果、76人が無料ならやってほしいと言ったそうです。クラブに集まっていた人の平均年齢は26歳で、基本的には酔っておらず(1~11までの「酔っぱらい指数」で表現すると2.64平均くらい)、ほとんどの人が「無料だったから」という理由で、永久に残ってしまうタトゥーを彫りたがったとか。
無料タトゥーの行列に並んでいる人に「無料でなかったらタトゥーをすると思いますか?」と質問したところ、68%の人が「やらないと思う」と答えました。つまり、無料だったからタトゥーをやりたがったのです。また、「このパーティーで無料のタトゥーができると知っていましたか?」と聞き、「知っていた」と答えた90%の人に、さらに以下の2つの質問をしました。
まず「パーティーに来る前からタトゥーをすると決めていましたか? それともパーティーに来てから決めましたか?」と聞いたところ、「来る前から決めていた」と答えたのが85%で、「来てから決めた」のが15%でした。さらに「その夜、どれくらいタトゥーを入れたいと思ったか、0~100で答えてください」と聞いたところ、タトゥーを入れたいと思う平均値は65でした。
被験者の一部は、どんなタトゥーを入れたいかも考えていなかったそうです。せっかくの機会を逃したくないというだけで、そのような選択をしたのです。人は、無料で何かを提供されると、このような判断をしてしまいます。
しかし、この問題はシンプルな質問を自問自答するだけで簡単に解決します。それはズバリ「これが無料ではなくて、半額や少し値引きされているだけでも、ほしい(したい)と思うだろうか?」というもの。答えが「はい」の場合は、もちろん無料でもらう(する)価値があります。「いいえ」の場合は、意志を強く持ってパスした方がいいでしょう。
無料で何かがもらえる場合は、他のかたちで代価を支払うことになる場合がよくあります。個人情報を提供しなければならないような場合、住所が他の会社に売られて、必要のないダイレクトメールが大量に送られてくるようになり、「タダほど怖いものはない」ということわざ通りになります。
■ブランド信仰はただの悪い習慣

あなたがこれまでに「~オタク」とか「~マニア」と呼ばれたことがあったり、強い思い入れのあるブランドがある場合、それは判断力の怠慢だと思ったほうがいいかもしれません。企業は、他の人よりも優良顧客のあなたに良い対応をするでしょうし、あなたも「自分の好きなものだから」という理由で、その会社やブランドに固執するでしょう。しかし、他の商品の選択肢についても考えてみた方がいいです。
人間は、今持っているものが良いからという理由だけで、使っていない物の方が劣ると判断しがちです。他に安かったり優れていたりするものがあるかもしれないのに、ひとつのブランドに固執してしまうという「機会損失」の結果、お金を無駄にすることもよくあります。特定のブランドを買う習慣がつき始め、それをブランド信仰だとカン違いする時に、この問題は起こるのです。日々の生活の中で、決まった歯磨き粉や決まったコンビニのおにぎりなどを買うようになります。他のものもたくさんありますが、おそらく試したことはないでしょう。
十分満足できるものが見つかってそれに慣れると、他のものを買ってみようということすら考えなくなり、同じものを買い続ける習慣を変えにくくなります。多くの悪い習慣同様、この抵抗感が、たとえその選択が間違っているとしても、保守的な決定をする原因となるのです。これをブランド信仰と呼びますが、本当は新しいものを試すことに億劫になっているだけで、ただ保守的になっているだけです。
「Science Daily」には、その解決方法が載っていました。
会社が自社製品を意欲的に購入する顧客(ファン、マニア)を得ると、その顧客は自分を守るのと同じくらい、ブランドを守る意欲が湧きます。本当にブランドを自分自身のように感じているのです。人は、何か別のものや行動で自己肯定できると、それに対して寛容になるのです。
例えばガジェッド好きな人がいたとしたら、本人はそのブランドを買うことで「ブランドを支えている」と自負します。その好きなブランドを通して、自己肯定しようとするのです。数少ない製品でそのような考えを持つのは悪くないことですが、「消費を必要としないマニア」になることができれば、そのブランド信仰の習慣から簡単に脱することができます。そのことで思考の偏りがなくなりますし、これまで眼中にもなかったような、より安くて良いものにも目が届くようになるのです。
■買ったもので周りによく見られたいという自己顕示欲

常にできるだけ一番良いものを買おうと思っているかもしれませんが、何を買うかを考えている時間のほとんどは、周りの目を気にしているのです。それは、消費者社会では、選んだものが自分自身を表していると考えられているから。選択のかなりの部分がそのような理由に左右されているので、流行に敏感ですごく魅力的に見えるようなものを買ってしまいがち。実際には、お金をドブに捨てるような、ステレオタイプで意味のない買い物になります。人気のあるカルチャーの一部になりたいと思ったり、何かに抵抗しようとするグループに所属したいと思ったりするがゆえに、このようなことになるのでしょう。
作家であり、「You Are Not So Smart」という自己欺瞞ブログのDavid McRan氏は、この仕組みを以下のように説明していました。
1960年代、反抗精神のある若者にタイダイのTシャツとベルボトムのパンツを売るには、何ヶ月もかかりました。1990年代、ネルシャツとドクターマーチンを南部の人に売り始めるまでにjjは、数週間がかかりました。
今では、一般企業に雇われた人がバーやクラブでカウンターカルチャー(対抗文化)に出会い、それがすぐにポピュラーになってしまいます。
正統な文化(最先端の文化)として始まったものだったとしても、製品になって人気が出てしまうと、すぐに一般化してしまいます。すると、人々は新しくてもっとオリジナルなものを探し、そのような経験やサイクルが繰り返されるのです。これは本当にどうしようもないことですし、必ずしも問題ではありません。
消費者社会で受け入れなければならないことは、自分が好きなものを選ぶということは、そこまで重要ではないということ。これが一番キレイに見えると思ったドレスを選んで着た方がいいですし、パソコンでもトースターでも歯磨き粉でも、自分の好きなものを買った方がいいです。そして、その選択が自分を特別にしたり、より自分が本流であるように見えるとは思わない方がいいです。そのシステムに組み込まれていると、興味はお金だけになってしまいます。結局のところ、「ホンモノ」は自分の感覚の中からわき上がってくるものなのです。
■買った後で後悔しないために

「隣の芝生は青く見える」というのは、買い物においても当てはまります。おそらく、iPhoneを買ったらAndroidがほしくなり、買い替えてみたらAndroidは全然よくないと気が付きます(逆もまたしかり)。もしくは、限られた時間で選択を迫られた時は、ほしくないものに大量のお金をかけてしまうのではないでしょうか。どんな選択もできる状況で、巧みにあやつるような広告に囲まれて何か物を選んでいると、間違いを犯しやすいです。
買った後で後悔しないためには、選択肢を慎重に吟味することだと思うかもしれませんが、それは間違いです。特にそれが自分を幸せにしてくれるかというような、先のことを予想するのは難しいですし、例え良くないものを買ってしまったとしても、何かを買い物している時の方が普通は幸せなものです。結論が出ないのではないかと思うほど考えすぎるのもストレスですし、決断した後でこれは正しい決断だったのか...と疑ってしまうようになります。考えすぎずに直感で決めれば、そのような事態は避けられます。

もちろん、ほしくないものや最初に考えていた以上のものを買う必要はありません。そんなことをしたら、買った後で後悔することになるでしょう。得だからと急いで買ってしまったものは、その後すぐに後悔するというのは常識です。こうならないためには、まとまったお金を使うような買い物をする時には、1日置いて考えてみるとか、返品が可能なお店だけで買うようにするといいでしょう。これが衝動買いをしない買い方ですし、買った後で後悔したとしても、その損害を取り戻すことが可能です。
日本語には「もったいない」とか「足るを知る」というすばらしい言葉もあります。買う前に、まずは本当に必要なのか? と考えることも大事なのではないでしょうか。いい買い物をするためには、「買わない」という選択肢もあるということをお忘れなく。
Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)
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