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yamasaki  - ,  10:00 PM

「投資の選択肢が多い」と「投資できなくなる」~マネーハック心理学

「投資の選択肢が多い」と「投資できなくなる」~マネーハック心理学

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あなたは「選択肢が多いこと」の幸せを実感したことがありますか? シャンプーや石けん、洗濯洗剤や台所洗剤、芳香剤など、私たちはいろんな選択をしながら生きていますが、「選択があること」に喜びも苦痛も感じたことはあまりないと思います。

選択肢は個性です。たとえば、シャンプーや香水の香りが誰かの印象と結びつくことはよくありますが、それは選択肢がたくさんあるからこそです。国内で出回っているシャンプーが1種類しかなかったら、街中を歩いているときに昔好きだった人が使っていたシャンプーや香水の香り漂ってきたとしても、心動かされることはないでしょう。

筆者は海外旅行をしたときに、現地のスーパーマーケットに飛び込んでみたことがあります。そこでは1つの商品カテゴリーは1ないし2の選択肢しかありませんでした。洗剤は1種類、シャンプーは2種類、コーヒーはこの銘柄、牛乳はこれ...と銘柄選択の余地がないのです。同じ銘柄のシャンプーが棚に10列並んでいる姿は日本ではちょっと想像できません。選択肢の多さは豊かさの象徴でもあるわけです。

しかし、選択肢が多いことで私たちが幸せになれるかというとこれはまた別の話です。今回は「選択肢の多さとお金」について考えてみたいと思います。


「オススメ」に頼って投資をする危うさ


日本の東証一部には1900銘柄以上が上場していますが、これは普通の人にとっては「選択肢が多すぎる」状態でしょう。たくさんの企業から投資対象を1つ選ぶということは困難です。

そこで私たちは何らかの条件で絞り込みをかけます。その方法の1つとして「知っている企業を選ぶ」があります。知っている会社に投資をすることを投資のスタートとする人が多いのですが、私はちょっと懐疑的です。会社の名前を知っていることが、本当に会社の業績を知っていることではないからです。

「○○社の新商品を高く評価している」から株を買ってみたところ、確かに全国で品切れになる大人気で株価も上がった、というきれいなストーリーになればいいのですが、「私は大好きだが、売り上げ的には大失敗だった」ということもありえます。あるいはあなたの知らない商品がその会社の大損を生み出しているかもしれません。

絞り込みをかけるもう1つの典型な方法は「人気」と「オススメ」です。ネット証券のほとんどは「売買人気ランキング」を掲載しています。ネットの経済ニュースサイトはいろんなアナリストの「オススメ銘柄」を紹介しています。

「人気」も「オススメ」も儲かる保証ではありませんが、1900社から選べないため、ついつい利用してしまいます。そして失敗したときの言い訳にしてしまいます(あの人の予想のおかげで失敗した、と自分で選ばなかった理由を正当化する)。


選択肢が多すぎると「何もしない」可能性も大きい


選択肢が多すぎることは、「思考停止」と「先送り」のリスクも招きます。スーパーが顧客に聞けば「品数の充実」を求められるものの、本当に品数を充実させるとむしろ売り上げが下がる結果になったそうです。シーナ・アイエンガー著『選択の科学』というベストセラーで紹介される「ジャムの実験」です。

「24種類のジャムを試食できる」と言われるとワクワクしますが、行われた実験では実際にジャムを購入したのは試食に来た人の3%だけだったそうです。その気持ちはよく分かります。選択肢が多すぎるから選べず、選べないがゆえに「買わない」という行動を選ぶことになります。試食できるジャムを6種類に絞った場合、どれかをカゴにいれて購入した人は30%だったというのですから、「選択肢が多すぎる」問題は深刻です。

投資先進国といわれるアメリカでも、確定拠出年金401(k)プランの運用商品数が増えすぎた結果、「有利な老後への積立である401(k)にそもそも加入しない人」が増えるという問題が生じ、社会問題となりました。


ほどほどの選択肢が示され、我々のデメリットとならないやり方はないか


アメリカの代表的な老後資産形成制度は401(k)プランとIRAですが、401(k)プランにおいて、「選択の多すぎ」は利用者の運用成績を下げていることが明らかになっています。

前掲の書籍にも紹介されていますが、運用の選択肢が10本増えるごとに株式投資0%の人が2.87%ずつ増え、株式に投資する人の株式投資比率も3.28ずつ減っていくそうです。これは期待される運用成績が低下することにほかなりません。

つまり、私たちが「本業ではない資産運用」に向き合い、取り組み、無難かつ上々の成績を収めるためのアプローチは「選択肢がたくさん」ではなく「ほどほどの選択肢」なのです。

もちろん「少ない選択肢で、冴えないラインナップ」では意味がありません。いくつかの銀行が取り扱う投資信託のように、販売手数料を購入額の3%とり、毎年年2%の運用手数料(信託報酬)を取る商品は「少ない選択肢が、使えない選択肢」でしかありません。しかも10本しかなければ、他の金融機関に行くべきでしょう。


確定拠出年金は、「ほどほどの選択肢がベターな選択肢」になりうる


こんな話をしてきたのは、実は私が「運用の選択肢を増やさない」という役所の議論に参加しているからです(2017年2月から厚生労働省社会保障審議会企業年金部会確定拠出年金の運用に関する専門委員会の委員を務めています)。

そこでは「運用の選択肢(本数)の上限を定める」ことと「運用の選択が白紙の人にはリスクは低めの投資をさせる」ことを中心に議論しています。ここまで書いてきた話はまさに前者の話題です。

実は確定拠出年金は、手数料的には割安な投資商品が多いことで知られています。販売手数料ゼロ(ノーロード)かつ運用手数料が割安設定されている投資信託がごろごろしているのが確定拠出年金だからです。

最近、お得な老後資産形成方法としてネットやマネー雑誌で注目されているiDeCoも確定拠出年金の一種(個人型の確定拠出年金)です。

ところが、せっかくの好条件を阻害するおそれがあるのは、「運用の選択肢が増えすぎている」ことです。統計的には運用商品数は増加の一途で、これはどう考えても運用成績を「心理的に下げる」要素としか考えられません。

「やっぱり選択肢はたくさんあったほうがいいと思います」という、もっともらしい意見は多いのですが、それが合理的行動に結びつかない可能性のほうが高く、「ベターな商品を厳選したラインナップ」のほうが結果としてユーザーフレンドリーであるはずです。

来年から始動する積立NISAも運用の選択肢を厳選する方向で議論されています。正直なところ、運用の選択肢が20を超えては、「普通の人」は思考停止に陥るだけだと私は思います。

資産形成において思考停止と先送りの果ては、「老後破産」のリスク増大です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)であれば、比較サイトもあります。その中では「iDeCoナビ」がとても便利です。あなたが投資を用いて資産形成をしてみようと思うのなら、「運用の選択肢がほどほどで、ベターな商品を取りそろえている」金融機関で口座を作ってみてください。


(山崎俊輔)
Photo by Shutterstock.

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