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神山拓生

 - ,,,  09:00 PM

コンテンツは人と人をつなげるもの:クリエイティブ塾 Vol. 9 「BuzzFeed Japan」創刊編集長・古田大輔さん

コンテンツは人と人をつなげるもの:クリエイティブ塾 Vol. 9 「BuzzFeed Japan」創刊編集長・古田大輔さん

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ライフハッカー[日本版]編集長の米田智彦が主宰する「クリエイティブ塾」は、編集者としてのクリエイティブマインドを育成するワークショップです。今回のゲストは、楽しく読めるおもしろ記事や診断記事から硬派な報道記事まで、日々ネットでシェアされ続けるバズ記事を公開している「BuzzFeed Japan」、その創刊編集長である古田大輔さん。トークセッションより古田さんが明かした「バズるコンテンツ作りにおいて重要なポイント」をご紹介します。

古田大輔(ふるた・だいすけ)
1977年生まれ、福岡県出身。2001年早稲田大学政治経済学部卒、2002年朝日新聞社入社。京都総局、豊岡支局、社会部、アジア総局(バンコク)、シンガポール支局長、デジタル版の編集などを経て、2015年10月16日にBuzzFeed Japan社による新メディアである「BuzzFeed Japan」の創刊編集長に就任。

良いコンテンツで人と人の間に「コミュニケーション」を生みたかった


かつては朝日新聞で海外特派員としてアジアで取材を行い記事を執筆していた古田さんですが、「新聞は読まれていない」と感じることが多かったそう。署名記事を定期的に出していたにも関わらず、リアルでもソーシャルでも「記事を読んだよ」と言われることはなく、記事を書いても反応がないということから「新聞の読者の年齢層が上がってきている」と実感。

その一方で、インターネットが普及し始めた90年代後半に学生時代を過ごしネットのコンテンツが好きだった古田さんは、記者として働くかたわらでデジタルの動向を常に追い続け、そのキャリアもデジタルに向かっていきます。朝日新聞デジタル編集部時代にはフィギュアスケートの浅田真央選手をフィーチャーした「ラストダンス」というコンテンツを手がけ、大ヒット。

新聞からデジタルへの転機は、すでに世界でシェアされるバズコンテンツを作り着目されていたウェブメディア「BuzzFeed」の日本上陸が報じられたこと。古田さんは「誰がBuzzFeedの初代編集長になるか、自分がスッパ抜いてやろう」と意気込んで、BuzzFeedの幹部にアポイントを取ります。ところが、取材時点ではまだ編集長を誰にするかは決まっておらず、逆に古田さんに「やってみないか」と声がかかりました。

米田:朝日新聞を辞めることに躊躇はなかったのですか?

古田:ありませんでした。

編集長にならないかという誘いを受けた翌日にBuzzFeedのCEOとオンライン面談をしたんですよ。僕も聞きたいことがあって「これからのデジタルメディアはどうなると思いますか? BuzzFeedをどんな風にしていきたいですか?」と質問をしたら、「より良いコンテンツをより多くの人に広げ、つなげていくのはエキサイティングだ。先のことはわからないけれど、この目的は達成していきたい」という返事でした。

僕が目指していたのは、良いコンテンツを作ることで人と人の間に会話を、コミュニケーションを生むということ。BuzzFeedの理念が、自分の記者としての理念と一致していたわけです。それは行ってみたいなと。


そのコンテンツで「人の心のどの部分」を動かすのか?


SNSで連鎖的にシェアやRTされてコンテンツが広まる、「バズ」。この現象はどのようにして起こるのか。BuzzFeedはそれを考え続けてきたメディアであり、その疑問を問い続け、コンテンツ制作に活かしています。

古田:BuzzFeed CEOのジョナ・ペレッティは、MITの院生時代にとあるスポーツウェアメーカーとEメールで喧嘩をしたことで有名になりました。彼はそのやりとりがおもしろいからと、友だちにどんどん転送し、読んだ人たちも転送していきました。当時はSNSはありませんでしたが、Eメールがバズったわけです。

そのときに彼が思いついた疑問が「何が物事をバイラルさせるのか?(ウィルスのように爆発的に広めるのか?)」──今の時代でいえば「なぜ人々はSNSでシェアしたいと思うのか?」──でした。その答えを見つける実験プロジェクトして始まったのが「BuzzFeed」だったのです。

PVを争う世界は、見出しとサムネイルを見せてクリックさせている世界です。記事を読ませているのではなく、見出しを読ませている。それに対してシェアしてもらうためには、見出しをタップしたあとにもう1回タップさせないといけません。読者がそうするということは、「記事を全部読んだ後に、その記事を誰かに伝えたい」と思わせたということですよね? それはどうして起こるのでしょうか?

米田:後で読むためにシェアすることもありますけどね。

古田:それもありますよね。

なぜか日本にはない文化ですが、アメリカではおもしろい記事を見つけたときに「キミが読んでも絶対面白いと思うからどう?」という意味合いで名前をタグ付けしてシェアしたりするんです。「この記事はキミがした話によく似てる」とか「この記事はキミが知りたがっていた情報じゃない?」といったときにも、名前をタグ付けしてシェアしますね。

米田:宛先があるシェアということですよね?

古田:そうそう! BuzzFeedで常に考えているのはそこなんです。

たとえば最近バズったコンテンツに「視力1.5と視力0.01の世界。どれだけ違う? 再現してみた」があります。


170307_001_2.jpg視力1.5の人の視界と、視力0.01の人の視界を再現した画像が並ぶBuzzFeed Japanの記事「視力1.5と視力0.01の世界。どれだけ違う? 再現してみた」。視力がいい人でも視力が悪い人が見ている世界を疑似体験できる。


米田:シェア数はどれくらいですか?

古田:正確な数字は覚えていませんが、10万シェアほどいったんじゃないですかね。この記事をなぜ10万単位の人がシェアしたと思いますか?

その答えはコメントを見るとすぐにわかります。みんな「自分の目の見え方ってこうなんだよ」と友達に説明するためにシェアしていたんです。視力が0.01くらいで目が悪い人は、どれくらい見えないのか聞かれた経験があると思うんですよね。でもなかなか説明するのが難しいじゃないですか。この記事なら、一発でわかってもらえるということでシェアされたんです。

こんなシェアの仕方をアメリカでは「It's so me.(めっちゃ俺のこと)」といいます。「シェアする理由」には世界的に似ているものがたくさんあって、日本でも「これは自分のこと」と思ってシェアしてくれます。

こんな風に、あるコンテンツが人の心のどの部分を動かしてシェアされていくのかを考えていきます。そして、人々の間にコミュニケーションが生まれるのを楽しむ。BuzzFeedでは今でも「バズって何?」という疑問を大切にしていて、人々の心を動かすにはどうしたらいいのかを常に考えています。


「本当に報じるべきこと」とは何か?


BuzzFeed Japanではおもしろ系の記事だけでなく、報道も扱っています。古田さんは、政治ニュースのような堅い記事もバズコンテンツになりうると語ります。


170307_hilary.jpg古田さんが自ら執筆した、「敗戦のクリントン氏が最後に語った最もパワフルな言葉 『若い人に聞いて欲しい』


古田:BuzzFeedでは報道も扱っていて、アメリカ大統領選のヒラリー・クリントン氏の記事「敗戦のクリントン氏が最後に語った最もパワフルな言葉 『若い人に聞いて欲しい』」も超バズりました。堅い記事はバズらないと思ってる人もいるかもしれませんが、ポイントを押さえればニュースはめちゃくちゃバズります。

ヒラリー・クリントン氏はドナルド・トランプ氏に大統領選で敗北、翌日に敗北宣言をしました。他メディアももちろんこれを取り上げましたが、見出しはどこも「クリントン氏がトランプ氏に協力を表明&敗北宣言」といった具合でした。でもそれって何のニュースでもないと思うんですよ。もしクリントンさんが協力を明言しなかったらすごいニュースですがそんなことはありえない。犬が人間を噛んでもニュースじゃないけど、人間が犬を噛んだらニュースってやつです。ところが、敗北宣言で協力を表明するのは伝統芸能みたいなもので「そりゃするよね」という話なんです。

僕は他メディアでは絶対そういう記事を書いてくるだろうなって思ってるから、まったく違うことを書こうと思っていたんです。そして、彼女のスピーチの中身とどんな表情で語るかに焦点を当てることにしました。

実は、クリントン氏のスピーチはアメリカで評判が悪いんです。固まったような笑顔でゆっくりしゃべるから校長先生みたいで人間味がゼロだと。ところが、敗北宣言のときのスピーチは早口でした。僕はそれに彼女の人間らしさを感じ、感銘を受けました。最初は笑顔だったクリントン氏ですが、途中からその表情は真面目になっていきました。そして、彼女がスピーチの中で若者たちに次のようなエールを送ったとき、会場に拍手が巻き起こりました。


「皆さんに、特に若い人たちに聞いて欲しいんです。私は、自分が信じるもののために、生涯をかけて戦ってきました。勝ったことも、負けたこともあります。辛い思いもしました」

「あなたたちも、勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。負けることは辛い。でも、決して、信じることをやめないでください。正しいことのために戦うことは、価値のあることです。やるべき価値のあることなんです」

(BuzzFeed Japanより転載)


クリントン氏は目を少し潤ませていました。彼女が若い女性たちに強く伝えたかった「いつかガラスの天井は破れる」という話と合わせて、「あなたたちはチャレンジに値するすばらしい人たちだ」というメッセージは感動的でした。実際、多くの人に刺さりました。

僕が1番嬉しかったのは、奥さんにこの記事を「子どもに読んで」とシェアした人がいたこと。僕が書いた記事でBuzzFeedはその人とつながり、その人は奥さんとコンテンツでつながり、奥さんは世代を超えて子どもとつながることがこのコンテンツで可能になった。こんな風に、バズはニュースでも起こせるんです。


自分たちのコンテンツは「どう使って」もらえるのか?


動画コンテンツで顕著ですが、BuzzFeedのコンテンツはハイクオリティです。しかし、古田さんはそれ以上に「人と人をつなげる」というBuzzFeedのコンテンツを貫く哲学を大切にしています。


170307_furuta_2.jpgトークセッションで聞き手を務めたのはライフハッカー[日本版]編集長・米田智彦(左)


米田:料理動画専門の「Tasty Japan」についてうかがえますか?

古田:Tasty Japanのチームは東京とロサンゼルスにあります。ロサンゼルスのチームはすでに1年以上やっていて、元々ハリウッドで動画制作に携わっていた専門家を鍛え上げたりしながら、1年以上もやってきています。東京のTasty Japanチームはいつも彼らとブレストをするなどして、他のメディアの人が見たら引くくらい厳密なクオリティコントロールをし、時間やコストをかけて料理動画を作っています。Tasty Japanも「今度家で一緒にこの料理を作ろうよ」などと誘う材料にしてもらって家族や友人をつなげるというコンセプトなので、ほかに紹介した例とコンセプトはまったく同じです。まとめるなら「ニュースにしろ動画にしろ、そのコンテンツを用いてどうやってつなげることができるだろう?」ということに尽きます。

新聞記者時代にもたまに手紙などで感想もらうことはありましたが、朝夕2回、自分たちがニュースだと思ったことを書く新聞は一方的なコミュニケーションです。その一方で「インターネットの時代になってコミュニケーションに双方向性が生まれた」などと言われもしますが、双方向性を本当に活かしてコンテンツを作っているところってどれくらいあるんでしょう?

米田:BuzzFeedのコンテンツで読者同士で盛り上がれるみたいなところですよね。

古田:そうです。つまり「自分たちのコンテンツをどう使ってもらえるか」。単に読むだけではなく、どう使ってもらってコミュニケーションを生み出すかまで考えようと思っています。ある読者とつながるということだけではなく、「読者と読者をつなげるコンテンツ」を作りたいなというのが私たちの思いです。




タイトルが目を引く、写真がきれい、文章が上手い...良いコンテンツに出会うとこういった点に目が行きがちかもしれませんが、「みんなで楽しめる/みんなで役立てられる/みんなで考えさせられる」といったコンセプトやテーマ設定のコンテンツが今、人気です。ソーシャルゲームなどがそういったコンテンツとしてお馴染みですが、ウェブの記事などにもそうした要素があることが広く読まれる秘訣のようです。

ライフハッカー[日本版]では、今後もクリエイティブ塾の内容をまとめて発信していきますので、次回をお楽しみに。


(聞き手/米田智彦、構成・文/神山拓生、撮影/大嶋拓人)

  • ,,,,,,,,,,,,,,, - By 香川博人LIKE

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