• GIZMODO
  • FUZE
  • BUSINESS INSIDER JAPAN
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • roomie
  • gene
  • machi-ya
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

和田美樹  - ,  12:00 PM

ついにマラリアワクチンの完成間近か

ついにマラリアワクチンの完成間近か

170225malaria1.jpg


Inc.:熱、寒気、嘔吐、頭痛、意識障害などの症状を呈し、しばしば死に至ることも――これは、世界で年間2億人が感染しているマラリアの病状です。リスクへの暴露を減らす、つまり蚊に刺されないようにするという予防手段は、一定の効果をあげていますが、究極的な解決策であるワクチンは、何十年にもわたって難題のままです。長年にわたる科学的取り組みを追う『The Elusive Malaria Vaccine: Miracle or Mirage?(実現困難なマラリアワクチン:奇跡か幻か?)』という本が2009年に出ているほどです。ところが、去る2月15日、ついにその難題が解決したことを示唆する研究論文が、学術雑誌『Nature』に掲載されました。


「われわれ科学者は、1970年代から、放射線照射で弱らせた感染蚊の刺咬によって免疫効果が得られることはわかっていました」と言うのは、この研究の著者Stephen Hoffman氏。彼は、マラリアワクチンの開発を専門とするバイオテック企業Sanariaの最高経営責任者(CEO)兼最高科学責任者です。

また2009年には、クロロキンという抗マラリア薬で治療した感染蚊の刺咬によっても免疫が得られることがわかりました。しかし問題は、生きた蚊に刺させることでしか投与できないワクチンというのは、きわめて非実用的だということでした。Hoffman氏は言います。「ワクチン蚊をあなたの医者のところにもっていって、あなたを刺させるというのは、いくらなんでも無理です」

マラリアワクチンの開発が積年の難題である理由は、マラリアの病原体が、ウイルスではなく寄生虫ということもあります。

「私たちがよく知るワクチンというのは、ウイルスに対するもので、それらは抗原が非常に単純です」と説明するのは、この研究チームのもう1人のメンバーで、ケンブリッジ大学の病理学者、Peter Bull氏です。抗原とは、免疫反応を起こすもととなる物質のことです。「一方、マラリア原虫は、居場所を変えたり、自らを変化させたりと、非常に複雑で巧妙です。ですからウイルスのワクチンの開発とは状況がまったく異なるのです」

これまでの蚊による媒介の研究で、未成熟な段階のマラリア原虫、スポロゾイド(種虫)のもつあるものが、免疫効果をもたらすのではないかということがわかっていました。スポロゾイトは、マラリア原虫の生殖相の一過程で胞子のような段階です。これが蚊の唾液腺に集まり、人間に感染するのです。理論上、研究者たちがこの仕組みを逆手にとれば、ワクチンができることがわかっていました。「しかし、マラリア原虫は5000 以上の遺伝子をもっておりの、そのなかのどれが最も重要なのかを同定することができなかったのです」とHoffman氏は述べています。

その代わりに、Hoffman氏のチームは、スポロゾイトを患者に直接注射できるよう、スポロゾイトを抽出、精製し、保管する仕組みを考え出したのです。要するに、あの非実用的な生きた蚊の唾液のワクチンを、クリニックで実際に使えるものにしたということです。

「実験ワクチンを実用化に近づけたというわけです。とても大きな前進で、これに勝る成果はありません」とBull 氏は言います。

臨床実験では、被験者に、まず抗マラリア薬のクロロキンが投与してから、生きたスポロゾイトを注射しました。被験者がマラリアに感染してしまわないよう、クロロキンを投与してスポロゾイトを弱らせたわけですが、それでもスポロゾイトは、放射線を照射された感染蚊が通常媒介するのと同等の免疫を被験者にもたらしたのです。9人の被験者が注射後10週間にわたって、完全な免疫を持続しました。

10週間というのは、マラリアの発生地域に住む人々には十分な期間ではありませんが、旅行や仕事でそうした地域に一時的に滞在する人には有効な、短期持続型のワクチンとなるでしょう。抗マラリア薬の服用はときに重篤な副作用を伴うので、旅行者はワクチン注射を選ぶと思われます。次のステップは、このワクチンが、5種類の原虫すべてに有効であること、そしてすべての年齢層に有効であることの実証です。

「今回は、最初の一歩であり、私たちにはまだまだ多くの課題が残されています。しかしこのアプローチなら、全人口に予防接種をすることが可能であり、マラリア感染を止めて、流行地域をなくすことができると私たちは考えています」とHoffman氏は述べています。

このままだと、アメリカも、将来流行地域に含まれてしまう恐れがあります。過去には、アメリカ南部でもマラリアが流行っていましたし、最近は、気候変動によって、蚊が媒介する病気が再流行していることもあるので、マラリアが国境を越えてくる日は時間の問題かもしれないのです。


Scientists may have just made a malaria vaccine breakthrough|POPULAR SCIENCE

Kendra Pierre-Louis(訳:和田美樹)
Photo by Shutterstock

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    

lifehacker

Recommended

© mediagene Inc.