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[ LifeHacker Special Feature ]

働き方改革とマインドフルネス

マインドフルネスで働き方改革を。マスターコーチに聞く初心者向け瞑想メソッド

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体と同様、心を鍛えることは生きていくうえで不可欠なスキル。その心の問題にフォーカスし、世界中で脚光を浴びているのがマインドフルネスです。いま目の前にあることに集中し、自分自身を客観的に観察するトレーニング法であるマインドフルネスは、情報過多の中、マルチタスクが多く、注意力が散漫になりがちな現代のビジネスパーソンパーソンの集中力を高めるなど、働き方を変革する手法としても注目されています。

ライフハッカー編集部では、マインドフルネスについてこれまで数多くの記事で紹介してきました。今回、あらためてマインドフルネスの実践法と、マインドフルネスが日本人の働き方を変革する可能性について、浄土宗光琳寺(こうりんじ)の副住職の井上広法(いのうえ・こうぼう)さんにお話を伺いました。

井上さんは、ビジネスパーソン向けマインドフルネス・プログラム「cocokuri」のマスターコーチとしてもセミナーを開催し、各方面から話題を呼んでいるマインドフルネスのプロフェッショナルです。

井上広法(いのうえ・こうぼう)

浄土宗光琳寺 副住職。cocokuriチーフプロデューサー、一般社団法人寺子屋ブッダ理事、hasunoha共同代表

1979年、宇都宮市生まれ。佛教大学で浄土学を専攻したのち、東京学芸大学で臨床心理学を専攻。仏教と心理学の立場から現代人がより幸せに生きるヒントを伝える僧侶として活動している。2014年から、マインドフルネスをベースとしたワークショップ「お坊さんのハピネストレーニング」を開始。全国各地の寺院・学校・企業で熱弁をふるい、女性誌『an・an』や東洋経済オンラインなどさまざまなメディアでも取り上げられた。また、お坊さんバラエティ番組「ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日系)の立ち上げに関わり、同番組への企画アドバイス・出演を通して、よりよく生きる智慧としての仏教をやさしくおもしろくお茶の間に届けている。著書に『心理学を学んだお坊さんの幸せに満たされる練習』(永岡書店)がある。


マインドフルネスは究極の集中力トレーニング


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── 全米でも大ブームとなり、世界中を巻き込んでいるマインドフルネスですが、井上さんが考えるマインドフルネスの概念とは?

井上:解釈の切り口は、心理学者によっても、ジョン・カバット・ジン※や日本マインドフルネス学会の定義によっても違ってきますが、結局、「今、ここにいる」という自分自身の存在に全力を尽くすことがマインドフルネスの大元の概念だと私は考えています。

※生物学者で心理学者。マサチューセッツ大学医学大学院教授・同大マインドフルネスセンターの創設所長。1970年代にマインドフルネスを心身の健康に応用した「マインドフルネスストレス低減法」を痛みケアのために開発したことで知られる。

── 瞑想にはあらゆるメソッドがありますが、「マインドフルネス」の特徴は?

井上宗教性やスピリチュアル性を排除したものなので、どこに行っても誰にでもお勧めできるのが特徴です。マインドフルネスは科学的なエビデンスもあるし、「注意力のトレーニング」と言い換えることもできます。


初心者向けマインドフルネスの3つのポイント


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── 井上さんたちが提唱するマインドフルネスにおける3つのポイント「調身」「調息」「調心」について教えてください。

井上:これは、マインドフルネスをより効果的にするための器づくりのようなものだと思ってください。楽器を弾く前に調音するように、体と心と息を絶妙なバランスでチューニングするイメージです。姿勢に関しては、いろんなライフスタイルの中でイス型の生活の人もいれば床型の人もいます。今、世界でマインドフルネスが注目を集めている大きな理由としては、昔やっていたような脚を組む結跏趺坐(けっかふざ)ではなく、イスでもできるという点を挙げられるでしょう。

調身」は、イスに浅く座って背筋をまっすぐ伸ばし、へそのあたりのインナーマッスルを引き締めます。このとき、手は天井に向けて印を組む人もいますが、私のお勧めは手のひらを膝の上に置くニュートラルなスタイルです。目は半眼といいまして、薄目なのですが、目の前にブラインドがかかっているイメージ。そして2mほど先の地面をぼんやりと見ます。

そして、少し体を前後に揺すってみて、センターポジションを探します。このとき、力を抜くとしっくりくるポジションが見つかります。今度は左右にも体を揺すってみて、同様にセンターポジションを探します。これで少し顎を引けば、姿勢が整います。

調息」については、鼻で吸って鼻で吐くのが基本です。よく勘違いされるのですが、マインドフルネスは呼吸法のトレーニングではないので、呼吸をコントロールすることはしません

── それがほかの瞑想とは大きな違いですね。

井上:もちろんマインドフルネスでも呼吸を意識しますが、どちらかと言うと自分を感じるための1つのツールです。そうは言っても、浅い呼吸よりも深い呼吸の方が自分自身を感じやすいので、腹式呼吸がベターでしょう。

これで姿勢と呼吸を調えたので、「調身」「調息」は完了です。最後の「調心」ですが、これは、自分の意識を呼吸に向けることなんです。一番オーソドックスなのは、呼吸に意識を集中すること。

ここでも重要なのは、呼吸をコントロールせずに、完全に呼吸を感じるモードにすること。「興味深く自分の呼吸を観察する」というイメージ。何回か呼吸を続けて意識を向けると、息を吸うときと吐くときの切り替えの部分にも意識が向いてくるでしょう。ここまで来れば、かなり集中している証拠です。

とはいえ、心というのは語源が"コロコロ"といわれるぐらいですから、非常に転がりやすいんですよ。集中しているつもりが、「今日の夕飯何にしようかな」などと、心がコロコロしてくるんです。こうした雑念が入ってきたことに気づいたら、また呼吸に意識を戻します。

── 雑念が湧いてきてもまた呼吸に集中することに戻ればいいんですね。

井上:はい。ほかにも、たとえば未来の不安や計画が頭をよぎることもありますよね。未来の計画というと大げさですが、「Aさんにメールの返信したっけ...」といったものです。それからふとした瞬間に、誰かに言われたことを思い出して腹が立ってきた、ということも。でも、マインドフルネス中は、過去や未来に心を持っていかれるのはNGです。それからよくあるのが、「いいアイデアがひらめいた」というケース。どんなにいい考えでも悪い考えでも、今は集中モードなので、すべてを観察して呼吸に集中を戻しましょう。


マインドフルネスを習慣化させるには?


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── マインドフルネスは1日のうちどのタイミングにどれぐらいするのがお勧めですか?

井上:私なりに模索した結果、私は毎朝15分間のマインドフルネスをルーティンにしています。今、私もかけているJINSが開発した集中力を測定できるメガネ「MEME」と出会って、私の場合、集中するのに最低3〜5分はかかることがわかりました。せっかくなのでそこで終わらず、最終的に15分間にすることで、「調身」「調息」「調心」がそろった質の高い集中モードを感じられるからです。

── マインドフルネスを習慣化させるにはどうすればいいのでしょうか?

井上:実はマインドフルネスのもう1つの大きなテーマは、習慣化させることにあるんです。毎日同じ時間に決められた量を、同じ場所ですることで、日常のルーティンに入れてしまうのがポイントです。歯磨きをしないと気持ち悪いですよね? それと一緒で、マインドフルネスをしないと調子が悪いと感じるようになれば、こっちのものです。

ベストな時間については個人差があります。たとえば、元Googleのエンジニアで、マインドフルネスをベースにした画期的な研修プログラム「Search Inside Yourself (SIY)」の開発を担当したことで有名なチャディー・メン・タンは、1日1回、深い深呼吸ができたらそれでOKと言っています。もちろんそれもありですが、大事なのは、瞑想はあくまで心の体力づくりであって、ゴールではないということ。マインドフルネスで心のトレーニングをしながら、いかに日常生活をマインドフルに過ごせるかということがゴールです。そのための土台づくりが朝のルーティンとしての瞑想なので、時間の量は自分自身で決めてください。


マインドフルネスが現代人のイライラを鎮める


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── マインドフルネスを習慣化して、効果が出始める目安は?

井上:個人差はありますが、たった3分間の瞑想でもすっきりしたという人は多いです。とくにビギナーは、このすっきり感を大事にしてください。

それから、わりと早い段階で怒りや苛立ちをコントロールできるようになります。たとえば急いでいるのに、タクシーが渋滞に遭って遅れそうになると、普通は苛立ちますよね。これに限らず、あくせくしても仕方ないことってたくさんあると思います。でも、「しょうがない」と冷静に考えて怒りを自分のものにしなくなります。

── テック産業が盛んなアメリカ西海岸エリアでは、かつてヒッピーたちが禅を取り入れていた背景もあり、有名なところではスティーブ・ジョブズがいますね。一方で、昨今のマインドフルネスの広がり方についてはどう捉えていますか?

井上世界最先端の技術を開発しているということは、裏を返せば世界最先端のストレスやプレッシャーを常に感じているということですよね。彼らはスマートフォンをはじめとする、アラート機能が付いたデバイスに囲まれながらイノベーションを起こすことをノルマにされているわけです。また、コンピューターが進化し、いろいろと便利になっているのに仕事は増える一方という状況があります。そのような中で、何か救いの手だてはないだろうか? と思ったのではないか。おそらく、そんなときに、マインドフルネスを使ったストレス低減法がシリコンバレーに入ってきたのではないかと考えます。


働き方改革のポイントの一つは集中力の向上による生産性の向上


── 日本でも働き方の有り様が問われ、変革の時代にあると思います。そうした状況下で、ビジネスパーソンにとってのマインドフルネスが、どのように展開していくかという予想はありますか?

井上:現在日本では、働き方改革といっても残業問題に集約されている気がします。単に残業を減らしたところで、そもそもの解決策にはならず、ノマドワーカーが増えるだけでしょう。ここで大事なのは、いかに生産性を上げられるか? ということが問われていると考えています。生産性というのは、単位時間当たりの仕事量のこと。どんなにテクノロジーの進んだ、いいメモリのPCを持つとか、どんなに早い回線やWi-Fiを持つとか、そういう問題ではなく、そこで問われているのは人間の集中力です。生産性を上げるためには集中力を向上させるのが一番だと思うんです。

人間の集中力は1日のうちで有限なもので、その時間を延ばすこともできないし、ツールをこれ以上進化させてもあんまり意味がない。そうであれば、使い手の我々がどうやって集中力を向上させて、自分自身のスペックをアップしていくか。その観点が必要だと思うんです。

ビジネスパーソンを伸ばすマインドフルネス・プログラムとは?


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cocokuriの研修の様子


── ビジネスパーソン向けのマインドフルネス・プログラム「cocokuri」が目指すビジョンは?

井上:先ほど申し上げたように、マインドフルネスが持つさまざまな効用のなかでも、私たちがもっとも大切にしているのは、集中力を上げることです。特にビジネスパーソンに特化して、心のスキルアップの土台となる「集中力を身につける」ことを目指したうえで、心を強くする「心的耐久力」、心を高める「社会的知力」、それから心を広める「創造的知力」の4つの力を鍛えることを目的としています。

「心的耐久力」は、やりぬく力と折れない心を鍛えてストレス耐性をつけること。「社会的知力」は人と社会を思いやる力を育むこと、また、「創造的知力」は時代に求められるイノベーション力(既成概念にとらわれない発想力)を鍛えることを指しています。

cocokuri」のコンセプトは、マインドを革新することで、ビジネスパーソンのパフォーマンスを伸ばしていくことにあります。自分自身を変えたい、働き方を変えたいというときに、そのための知恵をマインドフルネスで高めていこうというのが趣旨です。

── 「cocokuri」の実際のプログラムではどんなことをするのですか?

井上:たとえば、5時間かけて行う集中力特化型の「Mindfulness Basics」では、マインドフルネスの理論と実践法を学んで、心のスキルアップの土台となる「集中力」を身につけていきます。人間はそもそも集中することが苦手です。そのうえ、スマートフォンの通知などにふり回され、集中力が奪われがちなのが現代人の実情です。集中力が途切れる原因と改善法を学び、マインドフルネスを実践することで、高い集中力を維持できるようにトレーニングしていきます。

各授業の最後には、マイルールを作っていただくワークショップもあります。たとえば、「これから毎朝15分早く起きてそのぶん瞑想してみよう」などといったことです。マイルールを持つことが、日常を大きく変える一歩につながると考えています。

マインドフルネスは、今まで外に、外にと向かってた意識を自分自身に向けてみようということでもあります。自分の心がこんなに雑念が起こるんだと気付くだけでも、自分に目が向いた証拠です。マインドフルネスを実践すると集中力が高まるだけではなく、疲れにも気付くことができるので、休むタイミングも分かります。まず睡眠が足りないと人は集中できません。それに気づけたら、早く寝る。そしたら、早く寝て早く起きて、朝に仕事をするというサイクルが生まれます。

── 睡眠障害も現代人が抱える1つの大きな問題ですね。

井上:結局、デイタイムに最大のパフォーマンスを発揮するには、よく寝て、よく休まなくちゃいけない。集中力を持続させるためには、いい睡眠が必要なわけです。いくらマインドフルネスをやっても寝不足ではいけません。

実際、マインドフルネスを始めると自分の疲れに気づきやすくなって、休むべきタイミングがわかってきます。これは体が資本のビジネスパーソンには大切なスキルです。睡眠が足りないと集中できなくなりますよね? それに気づいたら早く寝て、翌朝万全な体調で仕事に臨めるし、無理をして体に負担をかけることもなくなります。

── 仕事だけでなくプライベートにも波状効果がありそうですね。

井上:忙しいビジネスパーソンに対して言うのは酷かもしれませんが、朝、早起きをして瞑想をする時間を10分、5分でもいいからそれをつくるというのが、自分の24時間を大きく改善するのではないかなと思います。

「働き方改革」というのはまずは自分を変えなきゃいけない。cocokuriが伝えたいのは働き方を変えるための知恵をマインドフルネスで得ようということですね。

今までの日本人というのは、自分をないがしろにして、人のため、社会のため、会社のため、何かのために働いてきたわけです。ですので、これからは「自分のため」という選択肢を入れてほしい。マインドフルネスで意識のベクトルの向きを自分に変えてほしいなと思うんです。

自分に対する気付きをもたらす、というのはマインドフルネスの大きな役割ですし、現在は、MEMEのようなIoTデバイスがあって、客観的に「今、私は集中力が落ちているから休んだほうがいいんだ」といったことが確認できる。これを会社単位でやれば、「あいつ、休んでるけどしょうがないな」ということにもなります。

それから、日本人って瞑想をやっているとすぐ周囲の目を気にして「病んでいるんじゃないのか?」とか「宗教にハマったの?」みたいに言われるんじゃないか? と思いがちですが、マインドフルネスは科学化・数値化されたものです。MEMEというメガネをかければ「いや、違うんだ、俺は集中力を図っているんだ」と言えますし、マインドフルネスの効果を客観的にその人のステータスとして確認できるようになります。



井上さんのお話により、マインドフルネスは、自分自身に意識を向けることで、自己を知り、自身をよりよくコントロールするための導入口となることがわかりました。

ほかの誰でもなく、自分に徹底的に意識を向けることで、プライベートはもちろん、働き方、そして生き方の改革にもつながるマインドフルネス。

誰でも手軽に始められるマインドフルネスで、日常、働き方、そして未来を変える一歩をつかんでみませんか?


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(聞き手・構成/米田智彦、文/庄司真美、写真/松島徹)

マインドフルネスを科学して日本人の働き方を変える。ウェアラブルデバイスで集中力を確認できる時代がやってきた。

マインドフルネスを科学して日本人の働き方を変える。ウェアラブルデバイスで集中力を確認できる時代がやってきた。

長時間の残業が問題となるなど、今、日本人の働き方が改めて問われています。とはいえ課されたタスクは減らず、仕事が終わらなければ帰れない。それならば時間内にいかに集中して生産性を上げるか? ということが重要になってきます。そのための有力なツールとしてあらためて注目を浴びているのが、マインドフルネスです。今回は、ビジネスパーソンがマインドフルネスを実践する必要性はあるのかについて、「cocokuri」を運営するインナーコーリング執行役員の水野由貴さんと、「JINS MEME」の開発担当者である井上一鷹さんにお話を伺いました。

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