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ライフハッカー編集部  - ,  11:00 PM

遺伝子編集された免疫細胞で赤ちゃんの白血病治療に成功

遺伝子編集された免疫細胞で赤ちゃんの白血病治療に成功

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Popular Science:イギリスのグレート・オーモンド・ストリート病院の医師らからなる研究チームが、血液のがんである白血病を患う幼児2人の「治療」に成功したと発表しました。その治療法には、ドナーの免疫細胞を遺伝的に改変する技術が用いられたことを、米学術誌『Science Translational Medicine』に1月25日付けで発表された研究論文の中で報告しています。


今回の研究はきわめて小規模であり、対象となったのは幼児2人だけです。また、この小さな患者たちが白血病を克服してから、まだそれぞれ16カ月と18カ月しか経っていません。厳密には、これだけの期間では治ったとは言いきれません。一般的に、がんが「治った」と言えるのは、患者が病気を克服して数年以上が経過してからです。しかし、この研究の意義深い点は、「CAR-T細胞療法」という大きな可能性を秘めた斬新なアプローチを、比較的新しい遺伝子編集技術「TALEN(ターレン:Transcription Activator-Like Effector Nuclease)」と組み合わせている点です。

がん医学のコミュニティーでは、CAR-T細胞治療は大きな可能性を秘めた免疫療法としてすでに注目を浴びています(これは、患者の免疫系を利用して、免疫機能自体にがんと闘わせる治療法です)。しかし、予備的な臨床試験では、CAR-T細胞治療は限界にぶつかってきました。CAR-T細胞治療をあらゆるがんに利用できるようにするには、この限界を克服しなければなりません。研究者たちは、今回の研究で使われているTALENや、これまででもっとも手軽な遺伝子編集技術とされる「CRISPR(クリスパー)」などを用いることで、こうした限界の多くを解決できると考えています。


そもそも、CAR-T細胞治療とは何なのか?


CAR-T細胞治療(CARは「Chimeric Antigen Receptor:キメラ抗原受容体」の略)は、新しいタイプのがん治療です。まだ一般には提供されていませんが、アメリカをはじめ、イギリスや中国などほかの多くの国々で臨床試験が盛んに行われています。

この治療法では、まず患者の血液からT細胞(特殊な免疫細胞)の一部が取り出されます。次に、研究所でこれらT細胞の遺伝子操作を行い、表面に特殊な受容体「CAR」を導入します。そして最終的に、準備が整ったT細胞が患者の体内に再び注入され、この新たな受容体(CAR)が血液中で腫瘍細胞を探し出し、それらに付着して死滅させるというわけです。

CAR-T細胞治療の臨床試験は現在、アメリカで第Ⅱ相試験が行われています。ノバルティスなど一部の製薬会社は、今年中にもこの治療を一般の患者にも提供できるよう計画中です。


遺伝子編集がどう役立つのか?


この新しい治療法は、白血病など血液のがんに苦しむ幼い子どもを中心に大きな効果を発揮してきました。ただし問題もあります。イギリスの研究チームが研究の中で指摘しているように、T細胞の各セットをそれぞれの患者に合わせてカスタムメイドしなければならないのです。これには多くの時間と多くの費用がかかります。そのうえ、必ずしも白血病患者からT細胞を採取できるとは限りません。そもそも白血病患者は健康なT細胞を十分に持っていないからです。

そこで登場するのが遺伝子編集です。研究チームはドナーからT細胞を取り出し、遺伝子改変を合計4回行いました。うち2回はTALENが使われ、これにより汎用型のT細胞が生成されました。つまり、拒絶のリスクを冒さずに、T細胞を誰にでも使える状態にしたのです(拒絶とは、レシピエントの免疫系が外来性の細胞に激しく反応する、「移植片対宿主病(GVHD)」と呼ばれる現象で、その結果、患者が死ぬこともあります)。さらに他の遺伝子改変で、がんを探し出して攻撃するCARが導入されました。


今回の研究が抱える限界


研究対象となった生後18カ月と11カ月の幼児2人は、どちらも進行性の白血病を患っており、化学療法や幹細胞移植など、ほかの治療もすでに受けていました。この幼児たちが寛解を保っているという事実には大きな希望が持てますが、今回の研究はあくまで小規模なものです。さらには「MIT Technology Review」の記事によると、この幼児たちはほかの治療も同時に受けているため(1人はCAR-T細胞治療のあとすぐ、幹細胞移植を受けました)、がん細胞が消えた理由がCAR-T細胞治療だけだったかどうかははっきりとはわからない、と多くの専門家が述べています。

フィラデルフィア小児病院でがん免疫療法のディレクターを務めるStephan Grupp博士はMIT Technology Review記事の中で、「有効性は示唆されているものの、立証には至っていません」と語っています。「効果があったのであれば素晴らしいことですが、現時点では、それが明確になっているわけではありません」


次なる目標は?


それでも、遺伝子編集とCAR-T細胞療法の組み合わせが、非常に大きな可能性を秘めた研究領域であることに変わりはありません。目標は「汎用型ドナー」CAR-T細胞を作り出すだけではなく、この治療をさらに効果的にすることです。

ペンシルベニア大学の研究チームは現在、CRISPRを用いて、CAR-T細胞の期待される働きを阻害する2つの遺伝子(PD-1とTCR)を削除する研究を行っています。

臨床試験が行われれば、アメリカでCRISPR改変細胞が人間の患者に用いられる最初のケースとなるでしょう。その実現は今年中となる可能性もあります。ちなみに2016年11月には、中国の研究チームがCRISPR遺伝子編集T細胞を肺がん患者に初めてテストしています。

とはいえ、CAR-T細胞治療はまだ初期段階であり、CRISPR/TALEN遺伝子編集CAR-Tとなると、さらに新しいものであることを頭に入れておくべきです。この治療を誰もが受けられるようになるまでには、今回のような研究がさらに多くの患者を対象として行われなければならないのです。


Doctors successfully treat two babies with leukemia using gene-edited immune cells|Popular Science

Claire Maldarelli(訳:阪本博希/ガリレオ)

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