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ライフハッカー編集部  - ,,,,  11:00 PM

オランダ発!ご近所さんと貸し借りでつながるプラットフォーム「Peerby(ピアビー)」に注目が集まる理由

オランダ発!ご近所さんと貸し借りでつながるプラットフォーム「Peerby(ピアビー)」に注目が集まる理由

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「共有経済」という言葉をご存じでしょうか。個々人による購入・使用・消耗というサイクルで経済を成り立たせるのではなく、個人・企業などがもつ資産を貸したり、借りたりすることで成り立たせている経済モデルで、シェアリングエコノミーとも呼ばれています。

オランダのアムステルダムに「ご近所さんとつながる」という合言葉をかかげて、「モノの貸し借りのプラットフォーム」を創出した若い企業があります。名前は、Peer(仲間)とclose by(近所の)をくっつけて、「Peerby(ピアビー)」。2016年初頭、クラウドファンディングで出資を募ったところ、わずか4日間でなんと約200万ドルという、オランダのクラウドファンディング史上、最速で資金を集めた注目企業です。どんなビジョンをもってPeerbyを設立したのか、貸し借りの仕組みなど、CEOのダーン・ヴェデポール(Daan Weddepohl)さんに直接お話をお伺いしました。


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オフィスはアムステルダム中央駅から徒歩15分ほど。スタッフは現在20人でわきあいあいあとした雰囲気(© Peerby)


自宅で起こった火事が創業のきっかけ


Peerbyは2012年の夏、アムステルダムに誕生します。会社設立のアイデアは、それから遡ること4年前の2009年、ダーンさん自らが体験した火事にあったそうです。


── ご自宅が火事に見舞われたのですか?

ダーンさん:そうです。いろんなものをなくしました。住むところ、大切にしていた持ち物。火事だけではなく、職も失い、ガールフレンドとも別れ、母親も病気になるなど、いろんな災難がその時期一挙に押し寄せました。


── 大変でしたね...

ダーンさん:でも、そんなときに助けてくれたのが友人たちでした。住む場所、食べ物など物理的な援助ももちろんですが、何よりも、エモーショナルなサポートが本当に心に沁みました。自分の周りにいる友だちのありがたさをしみじみ感じました。


── その体験がどのようにしてPeerbyにつながったのですか?

ダーンさん:僕からも友だちにヘルプを求めましたが、友だちが積極的に僕を助けたいと思っていることに気づきました。助けることは人々がつながることでもある。困っている人を助けたいと思っているのは、自分の周りだけではないはず。どのような仕組みだったら人々をつなげることができるだろうと考えるようになりました。火事が起こる前は、素敵な家や物が自分を形作っていると思っていましたが、多くのものを失った後も自分は自分でした。モノを所有するって表層的でしかないなと。そのように、モノと自分を切り離して考えられるようになったら、肩から荷が減ってずいぶん気が楽になりました。


── 人々をつなげるというアイデアが初めにあったわけですね。

ダーンさん:そうです。いろんな人と相談しながら「意味のあるつながり」を模索しました。そんな時、『What's Mine is Yours』という書籍で"Collaborative consumption"(コラボレーション型消費)という発想に出合いました。そこから近所の人たちと貸し借りするプラットフォームを思いつき、2011年後半に会社を設立、2012年にサービスをスタートさせました。

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CEOのダーン・ヴェデポールさん。社内のミーティングボードと一緒に。


Peerbyの仕組み


ここでPeerbyの仕組みをご紹介しましょう。パソコン、スマートフォンのアプリでPeerbyにアクセスし、メールアドレス、任意のパスワードで無料サインアップをしてメンバーになります。住所を入力すると、ご近所のメンバーのみが地図上に現れます。何か借りたいものが発生したらメッセージを入力します。すると他のご近所メンバーに通知が届き(アプリだと玄関チャイムが鳴る)、返事をしたい際は「No, I'm sorry(ごめんなさい)」、「Yes, but not now(あるけど、後で)」、「Yes, I do!(はい! 貸します)」のいずれかのボタンをタップします。自分のプロフィールに写真をアップロードすることもできます。


170120app3.jpg(左)シンボルロゴは、庭の置物として人気のノーム(大地の妖精)。(中央)サインアップすると、自分のご近所さんがノームアイコンで現れるが、アイコンをタップしても個人情報は現れない。(右)誰が何を貸してほしいのかがわかりやすいデザイン。(© Peerby)

── どのくらいメンバー(会員)がいますか?

ダーンさん:アムステルダムでは2万人くらいです。アムステルダムの人口はだいたい80万人ですから、100人に2.5人以上がメンバーになっている計算になります。現在、ヨーロッパの20の都市で稼働しており、米国では10の都市でパイロットテストを行っているところです。


── どこまでがご近所さんなのですか?

ダーンさん:場所によってさまざまです。C to Cのサービスなので、10人以上が近くの場所でサインアップすればPeerbyが稼働する仕組みになっています。ご近所の範囲は、隣同士が5キロ離れているような郊外だったら近所の範囲は広くなるし、アムステルダムのように人口過密都市での5キロ範囲は何千人がご近所になってしまいますから範囲を狭めます。なので、毎日追跡しながら範囲を広げたり、狭めたりしています。東京でもサインアップがあったようですが、メンバーがまだ足りないようですね。


── 貸したものが壊れて返ってきたなどの苦情が入ることはありますか?

ダーンさん:Peerby構想段階での相談相手の多くが、いちばんの懸念としてそれを指摘しました。会社の大きなリスクになるとも。ところが、実際はこちらが予想するよりもっと低かったのです。もし友だちから何か借りて壊したら、きちんと修理をしたり、弁償したりするでしょう。それと同じなんです。

貸してくれる人と会い、顔を知り、おしゃべりをした後は、モノは単なるモノでなくなり、大切に扱おうとする気持ちが生まれます。それが近所の人となればなおさらです。誰だって、お隣さんとは仲良しでいたいはず。「近所」の範囲に気を配るというPeerbyの発想は、距離という利便性ではなく、むしろ「つながる」上で非常に有効だと思いました。


── 意外な発見やおもしろいエピソードなどあったら聞かせてください。

ダーンさん:ユーザーは困っているから借りる人がほとんどで、一部には何でもタダで借りまくって安くすませようという心ない使い方をする人もいるだろうなと思っていました。ところが、実際は、多くの人がシェアしたいという気持ちからPeerbyを利用しています。シェアの可能性を改めて思い知らされました。

おもしろいエピソードでいうと、会ったこともなかった隣人と友だちになったとか、デートし始めたなんていう話も聞きます。そうそう、キャンピングカーでヨーロッパを旅することが夢だが、レンタルする金銭的余裕のない家族がいました。Peerbyスタッフがキャンピングカーの持ち主を探し当てたのですが、あいにく、タイヤがパンクした状態でした。持ち主がパンクを修理してくれたら無料で貸し出すという条件を申し出て、家族はめでたく夢を実現でき、パンクは修理されて戻ってきたというエピソードもあります。


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アムステルダムでいちばん人気の貸し借りグッズは、滑車とロープの引っ越しセット。切妻屋根のフックに滑車とロープを取りつけ、窓から荷物を搬出搬入する。


商品をシェアすることの価値


Peerbyには2つのシェアリングプラットフォームがあります。1つが無料の貸し借りサービスを提供する上述のプラットフォーム、2つ目が2015年からはじまった有料のプラットフォーム「Peerby Go」です。Peerby Goはサイトにアップされている商品のカタログから借りたいものを選んで使用料を支払い、Peerbyがご近所の貸し主とマッチさせ、借りたい人の希望の時間にデリバリーするシステムです。商品にはPeerbyの保証もつきます。また、所有物を貸し出ししたい人はPeerby Goに登録し、Neighborhood Hero(ご近所のヒーロー)という肩書を得ます。そして、Peerbyと話し合いながら、Peerbyのカタログページに貸す商品をアップ、取引が成立したらコミッションを受け取ります。

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有料貸し借りプラットフォームのPeerby Go。


── Peerby Goのサービスを提供する目的は何でしょうか。

ダーンさん:電動ドリル、テント、パーティグッズなど1年に一度使うか使わないか、でも必要な時はなくては困るグッズってありますよね。またはあったら便利だけれど、買うほどでもないとか。そんなアイテムをサイトで紹介し、シェアして有効活用していこうというのがPeerby Goです。長く続けられて効果的な新しい消費のあり方を提示する意味もあります。


── 長く続けられて効果的な消費とはどのようなことでしょうか。

ダーンさん:現在、いろんなものが簡単に手に入りますよね。買うのは簡単だけど、修理・リサイクルとなると途端に難しくなる。修理は下手すると購入価格よりも高くつくことがあるし、リサイクルのために仕分けする時間も膨大にかかります。リサイクルされたとしても、多分2~3回の使用でその寿命を終えるでしょう。そんな買っては捨てるような消費ではなく、そしてひとりで所有するのではなく、よい物を共有して長く使っていくような消費の在り方です。


── 多くの人が商品を買ってくれないと製造者側は困ってしまうのではないですか?

ダーンさん:現在、私たち消費者が製造者に送っているメッセージは「価格を抑える」です。それは、低品質で創意工夫のない商品が生まれることにつながっています。低価格ではなく、リースや性能を前提にするというメッセージを投げかければ、どうなるでしょう。製造者側の姿勢が変わってくるのではないでしょうか。例えば、テントは1年に1回しか使わなければその性能を知ることは難しいですが、みんなでシェアすることで何回も使われることになり、どのくらい長持ちするのか、性能が優れているのかが見えてきます。商品がそのような視点から評価されるようになれば、製造者側も長く使えるもの、メンテナンスが簡単なものなど、自社が誇れる優秀な商品を作るようになるでしょう。実際、DIYの道具を作るオランダ大手の製造会社がPeerbyに打診してきたんですよ。「電動ドリルをひとりひとりが所有するのは馬鹿げている」と。驚くと同時に励まされました。現在、この会社では自分の顧客にPeerbyを利用するよう勧めており、貸したい人と借りたい人のミーティングポイントとしてショップを提供してくれています。


── みんなでシェアすることで商品の価値がわかってくるのですね。

ダーンさん:そうです。それは製造者側だけではなく、消費者側もそうです。Neighborhood Hero(ご近所のヒーロー)も、自分の商品がシェアされることで、今まであまり気にかけていなかった細かな性能まで目が配れるようになってきています。その気づきは次の購入の際の視点にもなるはずです。Peerby Goを利用することで、使う側に高性能で長持ちする商品への需要が生まれ、それが作る側にも好影響をもたらすことになると思います。将来的にはサイトで紹介している商品に独自の品質認証マークなどをつけて、製造者側にも伝えたいと思っています。


── 商品のテストサイトのような機能ですね。

ダーンさん:その通りです。日々利用者から上がってくる声や商品提供者へのインタビューなどを通して、さまざまな声に耳を傾けています。

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オフィス上階の会議室ではランチ返上でミーティングの真っ最中。


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アイデア、利用者からのフィードバックなどが書かれたメモが窓に貼られていた。窓の向こうに見える塔はアムステルダム西教会。


── 今後のビジョンなどを聞かせてください。

ダーンさん:世界的にシェアリングエコノミーのモデル確立への動きがおこっています。商品を絞ってニッチなマーケットでそこそこ成功している会社もありますが、環境負荷を数値化することで消費行動に大きな影響を与えたエコロジカルフットプリントのようなインパクトは、シェアリングエコノミーにはまだないと思います。Peerbyでは「つながる・シェアする」を通して、持続的な消費のあり方を積極的に探っていきたいと思います。


ヒトはつながりたい動物


Peerbyのようなサービスは、ワークシェアリングなど「シェアリング」の文化が元々あるオランダだからこそ成り立つのではと、ちょっと答えにくそうな疑問を最後にダーンさんに質問してみました。確かにオランダではシェアリング文化の蓄積があるかもしれないけれどと前置きしながら、ダーンさんはこう答えてくれました。


ヒトはつながりを求める社会的な動物です。グループで生活を営み、一緒に働き、いろんなものを共有している。列車、飛行機は移動手段をシェアしているし、レストランは空間をシェアしている。シェアしたいとか、したくないとか考える以前にシェアしているんです。

母の時代は近所に住む人々の間で1台のテレビや電話を共有したりしていました。現代はIT技術によって、新しいシェア、違うシェアが生み出せる環境にあります。国の違いはあるかもしれないけれど、つながりたい、シェアしたいというのは本能だと思います。


ダーンさんとお話しして、商品は購入して所有するもので、買う側も作る側もそれしかないと思いこんでいた自分に気づきました。でもよく考えてみれば、所有するものもあれば、共有できるものもあるはずです。共有することで人と人とのつながりが、新たな商品が生まれる。それをまたグルグルとみんなで回していく。金銭と個人の間だけでやりとりする消費とは違う、何かヒトのぬくもりを感じるようなサイクルがそこにあると感じました。


Peerby(ピアビー)

(文・聞き手/水迫尚子

  • ,,,,,,,,,,,,,,, - By 香川博人LIKE

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