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神山拓生

 - ,,,,,  10:00 PM

『デイリーポータルZ』の会議ではなぜ「モナカにあんこを詰める」のか? クリエイティブ塾 Vol. 7:林雄司さん

『デイリーポータルZ』の会議ではなぜ「モナカにあんこを詰める」のか? クリエイティブ塾 Vol. 7:林雄司さん

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ライフハッカー[日本版]編集長の米田智彦が主宰する「クリエイティブ塾」は、編集者としてのクリエイティブマインドを育成するワークショップです。今回のゲストは、娯楽コンテンツサイト「デイリーポータルZ」のウェブマスターであり、個人サイト「webやぎの目」で黎明期からインターネット上でユニークで独創的な存在感を放ち続ける、林雄司さんです。今回はトークから「デイリーポータルZが本当に面白いコンテンツを作るために意識していること」をご紹介します。

161111hayashi_profile.jpg林雄司(はやし・ゆうじ)
1971年東京生まれ。ニフティ株式会社勤務。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。 編著書は『死ぬかと思った』(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。


1. 企画からコンテンツの仕上がりを想像できるようになるべし


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コンテンツクリエイターなら誰しもが「面白いものを作りたい」と思っているはず。ところが、立てた企画を形にするべく制作に入ると「大して面白くない...」という事態がときどき発生します。面白コンテンツのプロである林さんも、この現象に苦しめられることがあるようですが、その原因は一体どこにあるのでしょうか?

:「会議の場だけで面白いこと」ってあるじゃないですか。その場ではどかんとウケるんだけど、実際にやってみると大して面白くない。

以前、「角材からバットを作る職人がいるんなら、僕はバットから角材を作る」という企画を立てたことがあるのですが、「特に書くことねえな...」と思いながら原稿を書くハメになってしまいました。完成させはしましたが、全然ウケませんでしたね。なんたって細い角材ができただけですから(笑)。Twitterで十分だったと思います。


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林さんがバットから作り出した角材。記事ではこの角材が生み出すまでのさまざまな苦労が語られていますが...絵面は地味の一言。(「バットから角材を彫り出す」より)。


米田:企画が「出落ち」になっていたからですよね。コンテンツの企画って「記事の仕上がりをきちんとイメージができるか?」が大事ですね。

:そう。いい加減こういうところを見極められるようになりたいですね(笑)。14年もやってるのにときどき選ぶネタを間違えてしまいます。


2. いいアイデアはどんどん口から出すべし


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奇抜な企画が楽しいデイリーポータルZのコンテンツですが、それらを生み出す企画会議のやり方も変わっています。林さんは明確な意図を持って、そうしているようです。

米田:「デイリーポータルZ」は毎回企画が奇抜でユニークですよね。どんな風に企画会議をやっているんですか?

:編集部員には「会議には企画書を持ってくるな」と言ってあって、ネタはすべて口頭で発表しています。アイデアを紙に書いてしまうと、紙の上だけで完結しようとしてしまって、広がりがなくなってしまうからです。

米田:ご著書の『会社でビリのサラリーマンが1年でエリートになれるかもしれない話』(扶桑社文庫)に書かれていましたが、企画会議で必ずお菓子を食べるそうですね。どんなお菓子を食べているんですか?

:自分であんこ詰めるモナカや甘栗のように、食べにくいお菓子を出します。この前、あんこ玉を買っていったら、食べた瞬間にみんな「甘っ!」って言うもんだから、いちいち会議が途切れました。

とにかく「場をダメにしたい」んですよね。普通に会議をするときちんとした雰囲気になってしまう。そうならないように、話の腰を折るようなお菓子を買ってくるようにしています。

米田:真面目に会議をしたくないということですか?

:そうですね。デイリーポータルZの企画会議にはライターさんも参加しているのですが、編集長の僕がどんなに優しくしても、仕事で書いているので半端なネタは出せないと思っているでしょう。仕事を受ける側でもあるので、上下関係も感じているはずです。そこで僕が彼らの企画にダメ出しをすると、どうしても偉そうになってしまいます。でも、モナカにあんこを詰めている僕なら、アイデアを口にするときに感じる心理的なプレッシャーが軽くなるのではないでしょうか。

米田:発言しにくい雰囲気にならないように配慮しているんですね。

:会議を「バカしかいない場」にしたいんです(笑)。

米田:スライドにある、「アイデアを垂れ流しでしゃべってもいい場」にするということですね。実際、「あのさ、けどそれってこういうふうにすればいいんじゃない?」なんて適当に言い合っていると、自然といいアイデアが出てくるような気がします。

:そう思いますよ。「いいアイデアは口から出てくる」ように思いますね。


3. 自分の企画に興奮するべし


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会議で上がった企画にゴーサインを出す立場である林さん。一体何を基準にOKを出しているのでしょうか?

:ポイントは「ライターは自分の企画にきちんと興奮できているか」です。「これを書いたら受けるはずだ!」のような興奮があるかどうか。いいね数目当てみたいな企画だったら、やらなくていいんじゃないですかと言ってしまいますね。読者って興奮している人の文章が好きなんですよね。

とはいえ、のめり込みすぎてあまりにも分かりにくいと、他人にまったくわからなくなってしまいますが。

米田:のめり込みすぎでわかりにくいテーマとしては、どんなものがありましたか?

:たとえば、「県境」が大好きなライターがいるんですが、彼は東京都と埼玉県の境界線に行くと興奮したりするんですね。


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「境界や境目が大好き」という因果な趣味をお持ちのライター・西村まさゆきさんによる記事「見えない県境を可視化する『県境テープ』」。"境目"の1つである「県境」は地図上だけの存在であり、実際にそこに行っても何もありません。つまり、「見えないのに在る」という不思議な状態にあるのです(西村さんはこの点に興奮するとのこと)。「ならば目に見えるようにしてしまえ!」と考え、県境を可視化する「県境テープ」をわざわざ作り、あちこちに貼りに行くというのがその内容です。興味のない人には伝わりにくい情熱かもしれませんが、「県境テープをわざわざ作り、県境に貼りに行く」というストーリー仕立てのおかげで、誰でも西村さんの「マニアックな情熱」を楽しむことができます。


:彼がどんなに県境が好きでも、県境は実体のない、地図の上だけの存在です。そこで「誰でも目で見てわかるように、県境を可視化してください」と注文をつけました。こんな風に一工夫しないと、読んでいる人には彼の興奮が理解しにくいからです。


4. 「飽きるほどやったこと」を離れてみるべし


情熱があったとしても、何度も同じネタを繰り返していては飽きてしまいます。そんなときはどうすべきなのでしょうか?

:デイリーポータルZのライターである地主啓介くんは"モテない男"としてブレイクしていますが、そんな彼だからこそ、何度もやっている「モテない男ネタ」には飽きているかもしれません。


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ライフハッカー[日本版]にも過去に登場した地主啓介さんの人気記事の1つ「1人で女子とカフェデートしている写真を撮る方法」。彼女が彼氏を撮影した風の写真が載っているが、実は自撮り。カフェで1人、必至になって写真を撮る地主さんの姿が切ない。地主さんはこうした記事を多数執筆しており、「モテない男」としての地位を不動のものにしている。


:そこで原稿をお願いするときには、「地主くんがこんなことをやったら面白いんじゃないか?」「地主くんは今、こんなことが好きなんじゃないか?」ということを考えますね。

ほかにも乙幡啓子さんという、工作が得意なライターさんがいるのですが、「もう工作はいいですよ」と言うことがあります。

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映画『犬神家の一族』の有名なシーン「湖面から突き出た死体の足」。その形をした氷を作ってグラスに浮かべたら、夏でも涼しい気持ちになれるだろうと考えた乙幡さんが、専用の製氷機を作ってしまう...という記事「『湖面から突き出た足』製氷機を作る」。製作中の乙幡さんの必死な様子やオチが見所。


:乙幡さんは工作そのものよりも、「工作に失敗したときのとぼとぼした文章」が面白いんです。だから、そういうところが生きるように、「『何もないところ行く』『24時間ずっと電車に乗る』といった企画ははどうですか?」と提案したりしますね。


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寝台列車が大好きな乙幡さんのレポート記事「寝台列車を『見送る』だけの旅」。乗りたい気持ちを抑えて寝台列車を見送り続ける中で乙幡さんが見せるつぶやきや寂しさが味わい深い。


5. 一般的な文章構成を守るべし


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林さんが原稿をチェックするときのポイント


:ライターさんには「やっていることが変なので、構成だけは読みやすくしてください」とお願いしています。最初にアイデアや仮説といった「やってみる理由」がきて、次に「実際にやってみた」を、最後に「結果」を書くというように、流れだけはちゃんとしてくださいということですね。

米田:構成がオーソドックスじゃないと読み手は最後まで到達できないですよね。

:はい。変なネタをおかしな構成で書くと、読み手には訳がわかりませんから。また、「文章ねじけていないか」「複文になっていないか」などもかなり気にしますね。記事を読んだときにきちんと読みやすいかどうかは常に気にかけています。


6. 「自分の話」を適度に書くべし


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:もし記事の中で変わった商店街に出会ったなら、「あ、これ地元の池袋の商店街に似てる」とか"余計な自分の話"を書いてほしいですね。余計なことが読者を引っ掛けることがありますから。

ネット出身のライターさんは余計なことしか書かないので、むしろ削っていく方向でお願いするんですけど、商業ライターさんには「余計なことをいっぱい書いてください」と言っています。編プロなどで書いていた人は、あまり自分のことを書きませんから。

米田:取材先のことを中心に書くように訓練されていますからね。

:あとは、照れていないか。バカなことをやる記事では「もう俺は何歳になったのに...」とか書きがちですが、あなたの年齢の話には誰も興味なんてないので削ってください。自分より年上の人が絶対にいるわけですし。

米田:バカなことは堂々とやらないと笑えないっていうのはありますよね。

:そうなんですよね。ただ1回も照れてないと、「この人、本当にバカなんじゃないか?」と思われるので、「1回だけ照れていいです」とも言いますね。

「興奮して毛穴が開いた」なんて書いたときに、「比喩です」とか「嘘です」と書いてあると、ちゃんと冷静なところがあって、自分を客観視できているんだな、ということが読者に伝わります。

米田:なるほど。メタな視点がちゃんとある記事になるわけですね。


デイリーポータルZの記事には誰もが本当に気軽に楽しめる"スカっとしたバカさ"がありますが、単に思いつきを書いているわけではなく、ライターや読者への細かな配慮があるからこそのものなのでしょう。ライフハッカー[日本版]では、今後もクリエイティブ塾の内容をまとめて発信していきますので、次回をお楽しみに。

(聞き手/米田智彦、文・構成/神山拓生、写真/大嶋拓人)

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    香川博人

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