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印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

「クラフトビール」は作り手との距離が近い。ブームの背景にあるブルワーたちのさまざまな思いとは?

「クラフトビール」は作り手との距離が近い。ブームの背景にあるブルワーたちのさまざまな思いとは?

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きょうは、普段と少し毛色の違う、しかしとても魅力的な1冊をご紹介したいと思います。『日本クラフトビール紀行』(友清哲著、イースト・プレス)がそれ。日本全国のブルワリー(ビールの醸造所)15カ所を取材し、それぞれのストーリーや携わる人々の思いを綴った新書です。

今日では当たり前のように浸透している「地ビール」という言葉が生まれたのは、今からほんの20年ほど前のことだ。具体的には、1994年の酒税法改正によってビールの小規模醸造が可能になり、それを契機に続々と参入した事業者たちの手によって、日本に「クラフトビール」というジャンルが新たに誕生した。この際、各地のブルワーたちが、地域色を押し出しつつローカルブランドを展開し始めたのが、地ビールの起こりである。(「はじめに」より)

大手メーカーによるラガーとは違い、香りと味をじっくり愉しめるところがクラフトビールの魅力。とはいえ国内におけるその歴史は長くなく、初期には技術やノウハウが足りていなかったのも事実。そのため認知度が得られるまでには紆余曲折があり、その過程においてはブルワー(ビール醸造担当者)たちが試行錯誤し、努力を重ねてきたわけです。

しかも、ひとことでブルワーといってもタイプはさまざま。著者によれば、クラフトビールを新規事業の一端とするブルワーもいれば、町おこしの材料と考えるブルワーもいるのだとか。そこで本書では、各地のブルワーを訪ねてまわることにより、現在のクラフトビールブームの背景に迫っているわけです。



脱サラ起業家とブルワー志願者の出会い


「もともと私は、カナダからビールの醸造設備を輸入して売る会社に在籍していました。当然、地ビールをやりたいという事業者さんとの接点は多く、今から15年ほど前に、やはりブルワリーを立ち上げて起業したいという2人組のお客さんと出会いまして。それが今の社長なんです。(42ページより)

そう語るのは、「ノースアイランドビール」を手がけるSOCブルーイング株式会社で、工場長を務めている多賀谷壮(たがやたけし)さん。もともと醸造設備の営業マンでしたが、クラフトビールブームで起業を目指す2人組と出会ったことが発端となって、札幌に小さなブルワリーを誕生させたというのです(現在は江別市へ移転)。

旭川生まれの多賀谷さんは、大学卒業後も、アルバイトをしていた酒販店で働き続けていたというほどの酒好き。心のどこかに「いつかビールづくりを仕事にできれば」という気持ちがあり、それが醸造設備を扱う会社を経て現職につながったというわけです。

非常にラッキーだったと思うのは、前職時代にカナダ・ブリティッシュコロンビア州のブルワリーで、ビールづくりの研修を受けることができたこと。半年ほど滞在し、日本にはなかったビール文化に触れることができたというのです。そうこうしているうちに、ビジネスをやりたい人と出会ったことから、北海道でマイクロブルワリーを立ち上げることになっていたということ。

かくして法人登記も済ませ、2003年初頭に醸造免許を取得。同年5月にビールを初出荷したといいますが、折しもそれは、地ビールが衰退しつつあるタイミング。「なんでいまさらビールなのか?」という声も多く、市場的な受け皿としては心もとない状況だったそうです。しかし、そのことについて多賀谷さんは、「それでも根っからのビール好きなものですから、どうせ働くなら楽しくやれることをしたいという気持ちが勝ちました」と語っています。業種がなんであれ、多くのビジネスパーソンが共感できそうな考え方ではあります。

経営戦略としては、確実な流通を地道に確保するべく、まずは外販を固めることを重視。そのため、販路の大半は関東近郊に集中しているのだそうです。一方、サッポロビールのお膝元である北海道ではクラフトビールに対する理解が進みにくかったといいますが、それでも状況は急激に改善されているといいます。

「同じビールで括られてはいても、クラフトビールは従来のラガービールとは別物として楽しむ方が増えています。ビールも他のお酒と同じように、その時々の気分によって、飲み分ける時代になりつつありますよね。(中略)このいい流れは今後も続くのではないでしょうか」(47ページより)

クラフトビールに対する潜在的なニーズを喚起するため、直営のビアバーで「昼飲みの日」というイベントを開催し、ファンとの交流をはかることも。多い時期には毎月ペースで限定商品が発売されるだけに、ファンにとっては新作をいち早く味わう貴重な機会にもなっているそうです。(41ページより)


高校時代の友人同士で奥多摩に古民家ブルーパブを


2015年7月に誕生した「バテレ」は、豊かな自然が広がる奥多摩駅から30秒ほどの古民家をリノベーションしたビアカフェ。ビール専門店という業態そのものが、かの地では新鮮に受け止められたといいますが、さらにブルーパブ(店舗内でビールをつくり提供する店)にリニューアルしたことから、多くのクラフトビール愛好家から注目されることになったのだそうです。

八王子市出身で、おもに経営面を担当する鈴木光さん、杉並区出身で、醸造を担当する辻野木景(こかげ)さんによるユニット。高校時代の同級生だったふたりが卒業旅行をきっかけに意気投合し、「将来、一緒にビジネスをやろう」と話したことがすべての発端だったのだといいます。ただし、同じ大学に進み、卒業を控えるころになっても、「これだ!」というビジネスプランは浮かばないまま。

そこで資金をつくるため鈴木さんは営業職に就き、辻野さんは生家の営む便利屋を手伝いながら、夜は都内のブルーパブでアルバイトをはじめることに。結果的にはそれが、ビジネスプランに直結していくわけです。ちなみに、計画どおりになっていないのは、場所が奥多摩であることだけ。それは、物件探しの過程でたまたま舞い込んだ縁によるものなのだそうです。

店舗になっているのは、長く空き家のまま放置されていた民家。知人のつてで出会ったこの物件を2014年秋に契約し、およそ8カ月をかけて自分たちで改装したのだといいます。

「水回りや電気工事などを除けば、ほぼすべて自分たちの手作り。穴だらけだった床を張り替え、断熱材を入れ、土を運んで庭を整えて...。わからないことは動画投稿サイトで調べながら、辻野と2人で頑張りました。週末には友達が大勢手伝いに来てくれたりもして、改装費は本来の半額程度に抑えられたのではないでしょうか。ちょっと木材の乾燥が甘かった部分もあり、1年経って変形してきた場所もありますけど(笑)」(鈴木さん)(137ページより)

プロ並みのクオリティで仕上げられているのは、辻野さんの便利屋家業のおかげ。また、こうした若いエネルギーの流入が歓迎され、工事期間中の賃料は免除してもらえたのだといいます。さらに、資金調達にクラウドファンディングを利用したということも注目に値しますが、特筆すべきはクラウドファンディングの「活用法」です。

「実際にやってみて感じたのは、うちのような飲食店の場合はとくに、資金調達を重視せず、広告と割りきったほうがいいということです。そのため、出資の最低金額を1000円と低く設定することで、多くの人に興味を持ってもらえるようにしましたし、出資者に対する見返りも、できるだけお得なものにしました」(鈴木さん)(141ページより)

具体的には、見返りとして出資者にスクラッチカードを配布し、それを店で商品券と引き換えられるようにしたのだといいます。その結果、ブルーパブとしてリニューアルしたバテレには、スクラッチカードを手にした新規客が続々と来店。出資者は400人以上にのぼり、すでにその過半数が店を訪ねているといいますから驚きです。

もちろん、そういったアイデアはビールにも生かされることに。場所柄、登山などの運動のあとに立ち寄る客が多いため、アルコール度数の高い濃厚なものよりも、滑らかに喉を通るビールを重視したというのです。その一方では、奥多摩産ホップを用いたビールなども。寒暖差が大きい奥多摩は、ホップ栽培に適しているのだそうです。

厳寒の時期には人の流れが途絶えるなどの問題もあるものの、辻野さんのつくるビールに対しては飲食店からの引き合いも多く舞い込んでいるそう。3年先、5年先には、店舗を増やしたり工場を拡張しようというような夢もあるということですから、ふたりの可能性は今後も大きく成長していきそうです。(133ページより)




クラフトビールの話がメインでありながら、ビジネス的な観点からもさまざまな気づきを得られる内容。読んでいると無性にクラフトビールブームを飲みたくなるのは困りものですが、この週末には本書を読みつつ、まだ飲んだことのないクラフトビールの栓を開けてみてはいかがでしょう?


(印南敦史)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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