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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

仕事を効率化するポイントは、「ワーキングメモリ」を節約すること

仕事を効率化するポイントは、「ワーキングメモリ」を節約すること

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「すっかり忘れていた」「うっかり見落としていた」「勘違いをしていた」など、"物事を忘れるミス"は誰にでもあります。しかし、そうしたミスが起きてしまうのは、記憶力は注意力、コミュニケーション力、判断力が低いからではない。そう断言するのは、『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(宇都出雅巳著、クロスメディア・パブリッシング)の著者です。

脳は思いのほか頼りにならないもの。そして、その脳に対して知らず知らずのうちに(悪)影響を与えているのが記憶だということが、最近の脳科学、認知科学の研究によって明らかになってきているのだそうです。いいかえれば、そうした事実を知らないままだと、これからも記憶の仕業でミスを犯す危険があるということ。脳のメカニズムを理解しない限り、記憶力や注意力、コミュニケーション力、判断力を鍛えても効果は望めないということです。

そこで本書では、仕事のミスを次の4つに分け、それぞれのミスが起こるメカニズムと、ミスを防ぐ基本対策を解説しているわけです。

・メモリーミス(忘れた!)
・アテンションミス(見落とした!)
・コミュニケーションミス(伝わっていない! 聞いていない!)
・ジャッジメントミス(判断を間違えた!)
(「はじめに」より)

きょうはこのなかから、「メモリーミス」に焦点を当ててみたいと思います。



1日経つと3割しか覚えていない


人は多かれ少なかれ、「上司の指示を忘れる」「書類をどこに置いたか忘れる」「人の名前を忘れる」などのメモリーミスを犯すことがあります。もちろんミスをしようとする人はいませんが、それは記憶に対する「期待」と「現実」のギャップから生まれるというのです。「しっかり覚えた」「忘れないだろう」という思いに反し、脳が思いのほか早く、あっさり忘れてしまうことが原因だということ。

事実、記憶に関する研究の草分けである「エビングハウスの忘却曲線」を確認してみると、20分後には42%を忘れ、1時間後には56%、1日には74%を忘れるという結果になっているのだそうです。この実験は、「意味をなさないアルファベットの組み合わせ」を実験材料として行われたものなので、私たちが日ごろ接する"意味のある情報や知識"の場合はもう少し穏やかな結果になるかもしれません。しかしそれでも、「覚えた」と思った直後に、その多くを急速に忘れてしまうという性質が脳にあることは間違いないわけです。(16ページより)


メモリーミスの主犯格「ワーキングメモリ」


しかし記憶の研究が進むなか、「覚えた直後に忘れる」原因がわかってきたのだといいます。「ワーキングメモリ」という記憶が、メモリーミスを起こす原因なのだというのです。ワーキングメモリは「脳のメモ帳」にたとえられ、「作動記憶」「作業記憶」などと訳されるもの。情報を長期にわたって貯蔵する「長期記憶」とは異なり、なにかの目的のため「一時的に」貯蔵される領域であることが特徴だといいます。

コンピュータでいえば、「長期記憶」に当たるものがHDD(ハードディスク)で、ワーキングメモリがRAM(メモリ)。HDDはデータを長期保存する場所ですが、RAMはソフトやアプリが稼働するにあたり、データを一時的に蓄えたりする「作業領域」。ソフトの動作が遅くなったりフリーズしたりするときは、RAMがいっぱいになっているケースが大半ですが、人の脳でRAMと同じような働きをするのがワーキングメモリだということ。

ワーキングメモリのメリットは、すぐに、しかも正確に情報をできる点にあります。ところが容量がとても小さいため、メモリーミスを引き起こしやすいのが難点。新しい情報が入ってくると、古い情報がはじき出されてその瞬間に忘れてしまうわけです。しかもワーキングメモリはその容量を増やせず、貯蔵できる事象はせいぜい7つ前後(7±2)といわれているのだとか。

そこで、トレーニングで増やせないワーキングメモリの容量を増やす努力をするのではなく、「ワーキングメモリを使わない工夫」をすることこそが大切なのだと著者。「ワーキングメモリへの負荷を減らす」ことが、メモリーミスを減らすための大きなポイントになるというわけです。(18ページより)


「メモをとる」ことの重要性


そして、ワーキングメモリの負担を下げ、仕事を効率的に処理するために有効な手段として著者が勧めるのは、意外なことに「メモ」。メモこそもっとも原始的で、もっともわかりやすい記憶補助ツールであり、仕事効率化ツールだというのです。メモをとらずに頭で「覚えておかなきゃ」と思うこと自体がワーキングメモリのムダ使いであり、仕事の日効率化の原因になっているとすら著者はいいます。

ワーキングメモリは、短期的に記憶を保存するだけではなく作業台でもあるため、覚えておかなければならない量が増えるほど作業台が狭くなってしまいます。それは注意力の消費につながるので、複雑な情報の処理ができなくなるわけです。しかし、メモに書き残せば即座にワーキングメモリを解放できるため、仕事の精度もスピードも上がるということです。(32ページより)


「外部記憶補助」を使え


とはいっても、記憶を補助し、ワーキングメモリを解放するものはメモだけではないのだとか。周囲にあるすべてのものが、メモの役割を果たすというのです。たとえば、わかりやすい例として取り上げられているのが、忘れ物の代表格である傘。傘は必要に迫られて使うものですから、雨がやむと注意が向かなくなり、簡単に忘れてしまうわけです。

では、どうしたらいいのでしょう? たとえば出張先のホテルに傘を持ってきたとき、「このままだと帰りに忘れそうだな」と心配になったら、退出時に必ず目につくドアノブに傘をかけておく。それも、ひとつの「メモ」だという考え方。当然ながらあらゆるシチュエーションにおいて応用が可能で、たとえば上司に頼まれごとをされたとき、関連資料をとりあえず出してデスクのうえにおいておくだけでも「メモ」になるということ。そしてこれらの例のように、記憶を思い出すきっかけを与えてくれるものを、認知科学では「外部記憶補助」という言葉で表現しているのだそうです。(42ページより)


短い言葉ほどワーキングメモリを節約可能


『もしドラ』『ビリギャル』などがベストセラーになった要因のひとつとして、長いタイトルを簡略化したことに著者は注目しています。略されたことで、ひとの記憶に残りやすくなったというわけです。事実、ワーキングメモリの負担を楽にして処理しやすくするには、単純に「短くすること」が有効なのだそうです。

そして、短ければ短いほど記憶すべき情報量は減ることになるので、略語にこだわる必要もなし。自分だけがわかる数字など、何らかの符号化をしてもいいということ。

事実、ラーメン屋さんなどでは、どんぶり鉢をあらかじめ用意しておくなどの「外部記憶補助」のほかに、符号化も使っているのだとか。注文をそのまま覚えるには情報量が多すぎるため、味噌ラーメン、野菜増し、脂増し増しといった情報を独自のルールで「2・1・2」と変換するなど、事前に決めた法則に従って情報を小さくするということ。

当然ながら、それら「変換ルール」自体を記憶するには若干の手間がかかることになるでしょう。しかし、いったん覚えてしまえば、日々の作業効率は飛躍的に向上することになります。「記憶力がいい」といわれる人は、こうした「外部記憶補助」や「符号化」を(たいていの場合は必要に迫られて)活用しているのだそうです。(44ページより)


経験を積むほど記憶は簡単になる


日々の仕事においても、経験を積んだり知識を蓄えたりすることによって、記憶は簡単になるといいます。新入社員が仕事を覚えるために四苦八苦するのは、経験や知識が少ないために情報を「符号化」することができず、情報量が肥大化するから。また、ひとつの情報が他の情報と結びつくことが少ないため、自分の経験や知識を「外部記憶補助」として活用できず、情報の処理が進みづらいからだというのです。

たとえば、上司と新入社員が同じ新聞記事を読んだとします。上司はその記事に書かれている業界の最新ニュースについて、固有名詞や数字を交えてスラスラと話すことができるでしょう。しかし新入社員は、同じ記事を2、3回読まないと頭に入らないかもしれません。

つまり、その差を生んでいるのは、記事を読むときいかに情報が圧縮されて頭に入ってくるかの違い、そしてすでに知っている情報との結びつきがもたらす理解度の深さ。それを可能にするのは経験や知識であり、上司の記憶力がずば抜けているというわけではないということ。

だからこそ、1日も早く上司のようになりたいのであれば、とにかく経験と知識を増やす以外に方法はないと著者は主張しています。よくわからない記事であっても毎日少しでいいから読み続け、積極的に上司や先輩と仕事の話をする。そうすることによって、その速度は早まっていくというわけです。(47ページより)




著者は20年にわたり、心理学や記憶術などを実践研究し、脳科学認知科学の知見も取り入れた独自のコミュニケーション法・学習法を確立したという人物。そんなこともあって理解しやすいため、仕事の効率化をきっと実現できるはずです。


(印南敦史)

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