• GIZMODO
  • FUZE
  • DIGIDAY
  • gene
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • roomie
  • machi-ya
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

和田美樹  - ,,,,,,,,,,  11:00 PM

人間は誰でも怠け者。必要なのは「怠け癖を考慮した設計」という考え方

人間は誰でも怠け者。必要なのは「怠け癖を考慮した設計」という考え方

160902space.jpg


身の周りの環境ほど、私たちの生産性に影響を与えるものはありません。それなのに、時間をかけて自分の作業環境を本格的に分析する人はめったにおらず、仕事場を「一度作り上げたらそのまま」という人が大半です。

みんな、同じオフィス、同じコーヒーショップ、同じコワーキングスペースに通って、自分を強制的に生産的なフロー状態にしようとしています。でも私たちは、生活のこんなにも大きな部分を仕事に費やしているのですから、自分の仕事場をできる限り最高の環境にしてみてはどうでしょう?

あなたの働く場所が、自宅であれ、シェアスペースであれ、コーヒーショップであれ、作業空間を理想的にするための早くて簡単な方法があるのです。


なぜ環境が大切か


「自分の環境に問題はない」と思っている人でも、身の周りの環境が私たちに無意識レベルでどのような影響を与えているかを知れば、自分の環境がかなり気になってくるはずです。

人の作業習慣は、良いものも、悪いものも含め、外的トリガーやきっかけに関係していることが研究で示されています。作業習慣と作業環境の因果関係を指摘する研究者が増えているのです。同じ場所に行き、同じ机で仕事をしている私たちは、常に同じ影響因子に囲まれています。

それなら、良い作業環境を見つけさえすれば、自分を強制的にフロー状態にすることができる、と思うかもしれません。ところが残念ながら、話はそれほど単純ではないのです。

人間の無意識の脳は、進化の過程で、身の安全を保つよう習慣づけられてきました。脅威にさらされた際は、瞬時の判断が必要になるので、脳が"シン・スライシング"という能力を使ってそれを行うのです。どういうことかと言うと、脳が、現実のある小さな断片から一般法則を導き出し、それをもとにどんな行動を取るか判断するのです。

つまり、あなたの作業空間に存在するトリガーやキュー(無意識のうちに反応を引き起こす刺激)は、あなたの意識的な認識に影響を及ぼすだけでなく、無意識の脳による思考や行動までも変えてしまうということです。

信じられませんか? では、環境があなたの思考や行動を変える力が、いかに、あきれるほど強いかを示す研究報告を紹介しましょう。

  • 数秒間熱いコーヒーを持たされた後に、ある仮想の人物について判断するよう言われた学生たちは、アイスコーヒーを持たされたグループよりも、対象の人物が温かく好意的だと説明する確率が高かった。
  • 人は、視界にブリーフケースがあると、それがたとえ壁にかかったブリーフケースの写真でも、競争的な言動をとりやすいことがわかっています。そしてこの効果は、被験者がブリーフケースの写真を見たことを自覚していなくても生じるのです。
  • 「下がる」「落ち込む」「低い」「無意味」「がっかり」といった言葉を常に使っている人と話すと、自分もそのような気分になる可能性が高い。
  • 掃除用洗剤の香りをわずかに嗅いだだけでも、人は、普段より目に見えて、きれいさと整理整頓を心がける。

では、どうすれば、仕事時間に自分を理想の心理状態(モチベーションが高く、生産的で、クリテイティブな心理状態)にするための環境が作れるのでしょうか?


モノに制圧される前に制圧する


クリエイティブな人やよく考える人は机が汚い、というのは昔から言われていることです。アルベルト・アインシュタインも、このようなことを雄弁に語っています。


散らかった机が散らかった頭の中を示すのなら、何もない机は何を示すのだ?


しかし、家のクローゼットであれ、オフィスのデスクであれ、周囲に物があふれていると、集中力や情報処理能力に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

それはまさに、プリンストン大学の神経科学者たちが、整理整頓された環境と散らかった環境での人々の作業パフォーマンスを観察して発見したことでした。その研究では、周囲が物で散らかっていると、そこに本人の注意力が奪い取られるので、パフォーマンスが低下し、ストレスが上昇することが示されたのです。

また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは、ロサンゼルスの32世帯の家庭を観察し、すべての世帯の母親にストレスホルモンの急増が見られたのは、持ち物の処理に取り組んでいるときだったことを発見したのです。

マルチタスキングが脳に及ぼす影響と同様に、物の散らかりは、感覚に過剰な負担を与え、ストレスを感じさせ、創造的な思考能力を低下させるのです

しかし、暮らしのなかの不用品を捨てればよいという簡単な問題ではありません。散らかる原因は、単に怠け心や整理下手からくるものではなく、捨てる際に、脳が文字通り、痛むからなのです。エール大学の研究者らが最近、人が愛着をもった持ち物を手放すとき、それに反応して痛みに関連する脳の部位(前帯状皮質と島皮質)が光って、活性化を示すことを特定しました。これは、紙で手を切ってしまったときや、熱すぎるコーヒーを口にしたときに身体的な痛みを感じて光るのと同じ部位なのです。

つまり脳は、大事な物を失うことと、身体的な痛みを生じさせる原因を、同じこととして処理しているということです

では、散らかりのストレスを低減するにはどうしたらよいのでしょう?



  • 制限を設ける:ツイッターでフォローする人の数であれ、開いているブラウザのタブの数、ノート、雑誌の数であれ、制限を設けてそれを守ることが、ため込み防止の最善策です。
  • 小さい収納スペースを使う:パーキンソンの法則によると、人は、与えられた時間があればあるだけ使ってしまうそうですが、散らかりについても同じことが言えるのです。つまり、収納スペースが小さければ、ガラクタで埋まる面積も小さいということです。
  • 月に1回、仕事場を見直す:毎月、掃除、整理整頓、断捨離のための時間を設けて実践しましょう。
  • 毎日デスクトップを一掃する: CrewのCEOであるMikaelは、1日の仕事が終わったときにデスクトップのファイルを1つ残らず片付けることを勧めています。やりかけのアイテムを残しておかず、翌日、白紙の状態で再出発できるからです。


意欲が刺激されるような場所を見つける


広い空間によって意欲が刺激されたり、窓際に座ることで気分がリフレッシュされたりするのには理由があるのです。ビタミンDがたっぷり浴びられるというほかに、空間の構造が、私たちの生産性に多大な影響を及ぼすのです。

著者のJames Clear氏は、50年代にアメリカで猛威を振るったポリオの治療法を長年にわたって見つけ出そうとしていた研究者Jonas Salk博士の例を挙げています。博士は、中央イタリアの静かな丘陵地を訪れ、アッシジのサンフランチェスコ修道院という、13世紀のフランシスコ会修道院に滞在しました。

その空間が彼の思考を変えたのです。


そこの建物の崇高さに大きな刺激を与えられ、過去とは比べものにならないような直観的な思考ができた。その歴史的な場所に感化された私は、ポリオのワクチンにつながると感じた研究を直観的に計画することができたのだ。ピッツバーグの研究室に戻って自らの構想の妥当性を確かめたところ、私の考えは確かに正しかった。


Salk博士の話は、数ある中のほんの一例にすぎません。

自然光がたくさん入る学校ほど、生徒たちにはより良い学習環境であり、その結果、テストの点数も良いということは、昔から知られています。自分の職場を選べるような立場にない人には、手っ取り早い手段があります。窓や天窓から自然光が差す場所を探したり、頭が煮詰まったら外に出て散歩をしたり、単に新しい場所を探してみたりしましょう。

新しい環境は、本当に新しいアイデアにつながるのです。さらに興味深いのは、新しい場所のほうが、新しい習慣が実際に身につきやすいことが研究で示されていることです。


頭の領域ごとに違う場所を使う


これで、私たちは場所が変わると感化されるということはわかりました。それをうまく利用するにはどうしたら良いでしょう? 人の脳は、習慣が大好きです。つまり、異なる場所を特定の行動と結びつけることができれば、作業フロー向上に役立つはずです。これは「タスク・アソシエーション(タスクの連想)」と呼ばれ、脳が、特定の場所に行ったら特定の行動を起こすという連想をすることを指します。

ライターのGregory Ciotti氏は、使用するデバイスを変えることで自身の作業フローを向上させるという、すばらしい例を紹介しています。彼は、デスクトップ・コンピュータを開いたときは、記事など、本格的な執筆をする時間で、ノートパソコンのときは、メールやカジュアルな投稿など、軽めの作業をする時間、そしてタブレットは読書専用というように、自分の脳を習慣づけたのです。

このテクニックはとても効果的で、不眠症の治療にも使われています。不眠症の人は、本当に疲れているとき以外、寝室に行かないよう言われます。そして、一定の時間以内に眠れないときは、寝室を出て、疲れてくるまで違ったタスクをするよう指導されるのです。

もし、異なる作業に複数の作業空間を割り振れるなら、物理的にその場所へ行くだけで、自分の意識を、一定のフロー状態にもっていくことが可能なのです。

2つの机を使い分けているという、ライターでアーティストのAustin Kleon氏の事例もすばらしいものです。彼は、紙やペン、マーカーなどでいっぱいの"アナログ"デスクと、ノートパソコンやタブレットが置いてある"デジタル"デスクを持ち、アイデアの創出と"遊び"はアナログデスクで、具体化、編集、パブリッシング作業は、デジタルデスクで行っています。


うまくできるような設定を自分に仕掛ける


自分には、ハードなタスクをやり抜く意志力と自己制御力があると思っている人も少なくないかもしれませんが、私たちは皆、根は怠け者なのです。しかしそれは100パーセント自分のせいではありません。必死にエネルギーを節約することを教え込まれた脳が、タスクが難しいか易しいかだけで、無意識の判断を下しているのです。ですから、生産的な作業空間を作りたければ、あなたのやろうとする作業が簡単にできるようにする、ということに重点を置きましょう。

スタンフォード大学で教える心理学者のBJ Fogg教授は、これを「怠け癖を考慮した設計」と呼んでいます。

スマホの電源を切って引き出しの中にしまっておけば、チェックしたい衝動に駆られても面倒なプロセスを通らなければならない、といった簡単なアイデアもあれば、テレビのコンセントを抜いてクローゼットにしまうというアイデアまであります。

私が最近使ったテクニックは、1日の終わりにブラウザーのタブをすべて閉じ(ライターなら誰もが厭う作業です)、最重要のタスクだけを開いておくというものです。そうすると、翌日、最も選びやすい選択肢は、前日から開いてあった作業の続行、となるわけです。

このテクニックを使ったのは私が最初ではありません。ヘミングウェイでさえ、翌日何から書き始めてよいか迷わないよう、いつも文章の途中で1日の作業をやめていたといいます。


感覚刺激に気を配る


物理的なレイアウトや、場所に関する心理的な連想のほかにも、自分でコントロールできる付属的なことがいくつかあります。周囲の音や、聴く音楽も、生産性に多大な影響を及ぼすのです。

音楽の力と、タスクに合った選曲方法についての記事を、以前書いたことがありましたが、ぜひ知っておいてほしいのは、作業の大きな邪魔になる音があることです。特に、断続的な人の話(会話の端々が聞こえてくること)は、集中力にとんでもない悪影響を及ぼす可能性があることが研究で示されています。

雑音がパフォーマンスに及ぼす影響に関する242件の研究を検証したあるメタアナリシスで、認知的作業(集中したり、文章を読んで処理したり、数字を扱ったりする作業)の場合、断続的な人の話のほうが、継続的な話(ボリュームやリズムが比較的一定)や、人の話以外の雑音よりも、パフォーマンスに影響することがわかったのです。共有スペースやオフィスで働く人には、残念な知らせです。

しかし、解決策はあります。静かな場所が見つからないなら、ノイズキャンセリング・ヘッドフォンや、会話をかき消す音楽で、集中力が維持できます。

人の仕事ぶりは、生まれか育ちかといったら、たいていは育ち(環境)と言えるでしょう。自分が形成した習慣や、身の周りのトリガーが、作業の質や1日にこなせる量に多大なインパクトを及ぼすのです。

しかし、ちょっとした気配りと調整で、すばやく、より頻繁にフロー状態になれる空間を作ることができるのです。


Jory MacKay(原文/訳:和田美樹)
Top image by Anna de la Cruz (Shutterstock).

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.