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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

情報をお金に変えるための「シミュレーション思考」とは?

情報をお金に変えるための「シミュレーション思考」とは?

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情報を「お金」に換える シミュレーション思考』(塚口直史著、総合法令出版)の著者は、外資系運用会社のヘッジファンドマネージャー。資産家から資金を預かり、常に先を読んでリターンを挙げ、運用手数料を受け取るわけですから、とても責任の重い仕事だといえます。

クライアントは、海外金融機関から国内上場企業のオーナーなど、いわゆる億万長者の人々。しかし彼らは運用利益など目先の数字には興味を示さず、「いったいなぜこのような投資を行うのか」という、運用の背景にあるストーリーを多く入手しようとするのだそうです。

実際に海外投資、特に新興国投資を行う過程においては、利益を出すことも損失を出すこともあり、常に期待と恐怖が隣り合わせの状態。そして、そこから生み出される国際情報には、生々しい本質が詰まっているもの。だからこそ彼らは、そうしたストーリーを応用してビジネスに生かそうとするわけです。

億万長者になる秘訣は、単に資産を分散投資することではありません。
「将来こうなるのでは」と、ストーリーを組み立てて予測し、そこに向けて行動する。つまり、ストーリーに、自分の時間とお金を投資することにあります。
こうした行動につながる思考を「シミュレーション思考」と位置づけます。
(「はじめに」より)

つまり本書では「シミュレーション思考」について解説しているわけですが、この思考を資産運用のみならず普段の生活に取り入れていくことによって、お金も日々の生活も人生も、豊かで安定的なものになるだろうと著者は記しています。第1章「『シミュレーション思考』の基本的な考え方」を見てみましょう。



シミュレーション思考とは


「世界に対する好奇心」、地理と政治を結びつける「地政学」、私たちの経済生活の基盤をよく知るための「お金の歴史」の3つの柱こそ、シミュレーション思考に欠かせないものだと著者は感じているそうです。深く地政学の歴史を学び、広くお金の歴史を学び、できる限り世界に精通することで、幸せな未来を手にすることができると実感しているというのです。そして下図は、そうしたシミュレーション思考における未来のイメージ図。


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横軸(X軸)が、世界への好奇心(国の数)。縦軸(Y軸)が政治・軍事の歴史、つまり地政学。そして奥行き(Z軸)がお金の歴史。この縦軸、横軸、奥行きで構成される立方体が、未来の社会を表しているというのです。

たとえば、もしも「日本」という国しか知らなかった場合は、知っている国の数は1、すなわちX軸が「1」になります。また、政治・軍事の歴史について全体の10%だけ知っている場合はY軸が「10」、お金の歴史についてなにも知らない場合、Z軸は「0」になるわけです。

いわば「ストーリー」を多く持つということは、X軸とY軸とZ軸の幅を多く持つということ。それぞれの軸について知っていればいるほど、XYZでつくられるハコは大きくなるため、未来について複数の選択肢を考えられるようになるという考え方です。

城に例えると、お金の歴史で堀ができ、地政学で石垣ができるイメージです。そして多くの国のお金の歴史と地政学を知れば、本丸、二の丸、三の丸と外郭が増えていく形で、その城がより強固になるというわけです。(20ページより)

ストーリーをつくる際に大切なのは、たったひとつしかない結果を予測するのではなく、複数のストーリーをつくるようにすること。そうすることで、どこかに未来が当てはまるようになるから。そしてそうなるためには、日ごろから「客観的」にものごとを見る目を養う必要があるといいます。主観を排除してつくることが前提だということです。

客観的で説得力のある未来予想は、人々を動かす力を持つと著者はいいます。提示された未来が悲惨なものであれば、それが予防行動を取らせることに。一方、明るい未来を提示できれば、その方向に向かって安心して努力を続けられるというのです。(19ページより)


転職先選びも「シミュレーション思考」で


日本人の学生から就職活動について質問を受けると、著者は「将来がどうなるかを考えて、それを前提に就職活動をしてください」と答えているのだそうです。そしてこれは、転職を考えている人も同じだといいます。

いま現在の評価が高いという理由で、人気上位の会社に転職すべきではないということ。なぜなら、それは割高な株を買うのと同じことだから。それよりも大切なのは、他の人には見えていない価値を見出し、結果的に多くの収益を上げること。いってみれば就職(転職)活動は、株式投資と同じ行為だという発想。

しかし多くの人はこの「他の人には見えていない価値」を探すことを放棄し、「誰かがいいといった価値」に基づいて行動してしまいがち。しかし、そのようなことを繰り返していると、一生「誰かの評価」を基準にして生きていくことになります。すると会社に依存した働き方しかできなくなってしまったり、突然のリストラで絶望の淵に追い込まれたり、時間と労力を奪われることになるというわけです。

だからこそ著者は、いまの姿だけを見るのではなく、少しでもいいので、未来の姿を想像してほしいと訴えています。少しでもやりたいこと、なりたいものがあるのなら、未来の姿を想像して「最短距離はどこか」を見極め、行動に移すことが大切だということ。(22ページより)


財を成す人に共通する3条件


現在の日本は「売り手市場」で、大卒の就職率がかなり高い状況です。どの産業においても、他国とくらべて高い賃金を享受できる環境にあるわけです。しかし今後の日本は確実に、これまで信じてきた「大国」というポジションから「普通」の国へと変わっていくはず。つまり長期的に見れば、高い賃金を得られるのは「いまだけ」だということです。

いま、新興国の、世界のGDPに占める割合は半分以上。世界は先進国から、新興国の時代へと移ったのです。多極化(Gゼロ)*の時代となり、大きく時代が変わろうとしているということ。だとすれば、国や会社に依存している場合でないことは火を見るより明らか。
*G7を構成する主要先進国が指導力を失い、G20も機能しなくなった国際社会を表す。

だとすれば、日本が経済大国から普通の国へと移行する過程においては、どのようなことが起きるのでしょうか? このことについて著者は、「おそらく明治維新後の武士のように、いきなりはしごを外され、身分相応のものから実力相応のものへと世間の評価が置きかわるだろう」と予測しています。会社や社会に依存しているような、自分の足で立っていけない人たちは、一気に貧窮していくというのです。

では、「自分の足で立つ」とは、具体的にどのようなことなのでしょうか? 多局化であるGゼロの時代を見通し、財や能力を培う人を見てみると、そこには共通項があるそうです。それは、複数の収入源を持ち、複数の言語を習得し、海外でも認められるクオリティの財やサービスを提供できるという3点。

いまでは国際電話も、Skypeを利用すれば無料。SNSのチャットシステムがあれば、瞬時に意思疎通することもできます。バーチャルリアリティのメガネをかければ3Dの会議も可能で、意思疎通やビジネスのあり方が国境を越えてものになっていくことは必至。また3Dプリンタを使えば、即座に思いどおりの製品をつくることもできます。いいかえれば、24時間をより効率よく使うことができるようになったということ。

21世紀は国境がなくなり、国同士の格差は徐々に小さくなり(フラット化)、代わって個人の能力が最大限に評価される時代になっていくといいます。競争が激化する一方で、方向さえ間違わずに努力すれば、世界を相手に莫大な報酬を獲得することも夢ではないはず。しかし間違った方向に努力したとしたら、当然競争に負けることになります。アイデアを出し、サービスや製品につなげる努力を怠れば、賃金は落ちて当然の時代になっていくわけです。(26ページより)


会社が倒産しても生きながらえた人と、そうでない人の違い


著者はこれまで、金融市場を通して多くの企業の栄枯盛衰を見てきたそうです。この20年で多くの企業が破綻しましたが、たとえばその代表的な事例は、四大証券の一角であった山一証券の倒産。国や産業に甘えていた巨大企業に限って、生産性の足かせとなって企業価値が失われ、最終的に国や産業の構造と心中していくことになったということです。

一方、インターネットテクノロジーなどの技術革新の流れに乗り、世界の市場を独占していく企業の隆盛もあったわけです。では、その生死を分けたカギはなんだったのでしょうか? それは、「他人に依存せず、自分で考え、行動に移すことができたかどうか」という一点に尽きると著者はいいます。だからこそ、改めて、シミュレーション思考をベースに会社を選ぶ重要性を考えてみてほしいとも。

その企業が今隆盛に見えていても、数年後の価値はわかりません。「大手グループ企業だから」とか「規制に守られているから大丈夫」といった他人依存症が高い価値に基づいてはいないでしょうか。そしてそのことに甘えて、借金を膨らまして財政体質を悪化させている、そういった企業への就職は避けるべきだということが見えてくるはずです。(34ページより)

それこそ「未来のハコ」をつくる際のZ軸にあった、「お金の歴史」を踏まえると見えてくる未来の世界だといいます。




このような「基本」をスタートラインとして、「シミュレーション思考」をさまざまな角度から検証しています。それはきっと、時代を見据えるためのフックとして機能するでしょう。また、常に「ストーリー」を意識する習慣を身につけるという意味においても、読んでおく価値のある1冊だといえます。


(印南敦史)

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