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印南敦史印南敦史  - ,,,,,  06:30 AM

オラクル流のコンサルティング術から学ぶ、「プロジェクト管理」のコツ

オラクル流のコンサルティング術から学ぶ、「プロジェクト管理」のコツ

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オラクル流 コンサルティング』(キム・ミラー著、夏井幸子訳、日本実業出版社)の著者は、オラクル社アプリケーションズ・パートナーイネーブルメント部門ディレクター。2000年の中ごろに独自のコンサルティングスキル研修を開発し、研修業務をパートナー企業に引き継いでからは、さまざまなアイデアとスキルを活用してオラクルの販路拡大に貢献しているのだそうです。

オラクルでは、ITソフトウェア業界で必要な技術的スキルとソフトスキルの研究を全社員に提供しており、コンサルタントが、クライアントやパートナー企業向けのどんな研修も無料で受けられるようにしている。オラクルのコンサルタントが優秀なのは、競合企業も利用する教材にいち早く触れられるからでもあるだろう。(「なぜ、オラクルのコンサルタントは業界ナンバーワンなのか?----はじめに」より)

つまり社員教育に力を注ぎ、社員の意欲と満足度の向上に重きを置いているということ。そして、そんな企業風土が、ずば抜けて生産的な労働力を生み出すことになっているというのです。PART2「オラクル流 コンサルティングの基本」から、幾つかの要点を抜き出してみたいと思います。



「順調なタスク」と「順調でないタスク」を把握する


著者がここで勧めているのは、自分が立てたプランを遂行しながら、自分の仕事の進捗状況とステータスレポートに記載した問題点を記録すること。その記録をプロジェクトチームと共有し、チームの仕事ぶりを称えつつ、問題点や障害物に目を向けさせることが目的なのだといいます。問題点は、放っておいて消えるものではありません。だからこそ、順調に進んでいるタスクとそうでないタスクを、全員で把握しておく必要があるということです。

そしてこうもいいます。「完璧な人間などいないのだから、ミスを犯したとしても恥じることはない」のだと。プランの修正作業も、チームが団結するよいきっかけになるもの。いかにピンチをチャンスに変えられるかが大事で、むしろ恥じるべきは、ミスを隠そうとする人間。そこで、つねにチーム内の風通しをよくしておく必要があるといいます。(60ページより)


依頼された仕事を「引き受ける前」にやるべきこと


誰かから手を貸してほしいといわれた場合、それが自社のプロジェクトマネジャーであるとすれば、こちらの仕事量とタスクの優先事項を把握したうえで、なんらかの理由から依頼したということになるでしょう。しかし、もしもそれがクライアントだった場合は、こちらの責任範囲を了解していない可能性があります。そこで、そのような場合はプロジェクトプランを必ずチェックし、任されたタスクが本当にプロジェクトスコープ(実施すべき内容の範囲)内のことなのかを確認する必要があるといいます。

当然ながら、スコープ外のタスクであれば、引き受ける前にプロジェクトマネジャーに相談することが必要、スコープ内のタスクなら、それを期限内に終わらせるスキルを斟酌(しんしゃく)し、自分が本当に適任であるのかを考えてみるべき。その結果、別の人間が適任だと思ったのなら、プロジェクトマネジャーと話し合うことが重要。もちろんプロジェクトマネジャーが挑戦するチャンスを与えている場合もあるでしょうが、自分から相談することによって、積極的な姿勢は評価してもらえるといいます。

そしてこれらを踏まえ、自分がそのタスクに適任だと思ったら、「いつまでに完了させるか」をはっきり伝える。しかしその前に、全体的なプロジェクトプランやメンバーを待たせることになるタスク、他のタスクの優先順位などを考慮する必要があるそうです。

なぜならビジネス経験が乏しいと、こちらの現在の仕事量を理解したうえでの依頼だろうと思いがちだから。でも実際には、依頼者が早く帰宅したくて仕事を押しつけた可能性も否定できず、自分の都合だけでタスクの期限を提示してくることもあるというのです。しかし、いまの自分が抱えているタスクの優先順位と、依頼されたタスクの完了時期をあらかじめ明確に伝えておけば、認識にズレが生じることはないわけです。

著者は期限を絶対に破らないことで定評があるそうですが、それは決してプランニングの裏技を知っているからではない、といいます。それは、正しい情報を伝えるように、常に心がけているから。誰かからタスクを与えられたときは、必要に応じて他の優先タスクを相手に伝え、新たなタスクをその優先順位のどこに位置づけるか、合意に達するまで話し合うことにしているというのです。

そして実際に取り掛かってみた結果、時間が足りないことに気づいたら、必ずそれを依頼者に報告する。また優先順位の高いタスクが追加で依頼され、別のタスクの期限変更が必要になった場合は、やはり必ず全員に報告するのだそうです。期限の調整がつかない場合は、そのタスクの依頼者が、スタッフの増員や他の優先順位の変更などの配慮をしてくれることも考えられます。通常、発注から納品までに必要な時間に余裕があれば、期限の変更を認めてもらえることもあるといいます。報告さえすれば、なんとかなるということ。ただし、期限を破ることだけは絶対に禁物。(61ページより)


関係者と「進捗状況」を常に共有し記録しておく


手順の多いタスクに取り組むときは、新しいタスクを依頼してきた本人と一緒に、その進捗状況を節目ごとに振り返ってみることが大切。そうすれば、最終結果、ディテール、クオリティ、期限に関する認識のズレを防げるわけです。なお認識のズレを防ぐには、タスク完了時にメールで成果物を報告するのが有効だとか。そうすれば、自分と依頼者双方の手元にタスク完了の文書記録が残るからです。

とはいえ成果物が何千とあるようなプロジェクトなら、プロジェクトマネジャーにメールの嵐を浴びせるわけにもいきません。そこで、チームミーティングやステータスレポートを通じて報告するなど、周囲の人間に自分の進捗具合を常に把握させておく手段を考える必要があるといいます。

「自分の上司が上からどう評価されているか把握し、彼の成功に貢献しなさい」
(64ページより)

これは、著者がいままでに受けたもっとも重要なアドバイスのひとつだそうです。そしてピラミッド型のプロジェクトチームには、まさしくこのアドバイスが当てはまるのだといいます。プロジェクトマネジャーの評価は、決められた時間と予算のなかでプロジェクトを完了させたかどうかが基準となるもの。つまり自分のタスクをプロジェクトプランに明記された期限内にやり遂げれば、プロジェクトの成功ないし上司の成功に貢献したことになるというわけです。

しかし逆に期限を破ったり、いいかげんな成果物しか提供できなかったりすれば、プロジェクトマネジャーとプロジェクト自体を窮地に追い込むことになってしまうといいます。(63ページより)


どんな書式でも護るべき「手順」


著者は自身のことを「メモ魔だ」と記しています。とにかくペンで紙に書きまくるということ。ミーティング中はPCのキーボードを叩くより、走り書きしていくほうが集中できるのだそうです。メモには、各ミーティングの内容も、クライアントやチームメンバーとのマンツーマンでの話し合いの中身も、すべて書き込まれているのだとか。そして週末にそれらのメモを活用し、クライアントに提出する報告書を作成していたそうです。

そんな経験を持つだけに、著者は文書を通して自分がこれからしようとしていることを言葉で伝えることの重要性を強調しています。そして伝えたことを実行し、実行したことをまた言葉で伝えるというわけです。そしてどんな書式であったとしても、報告書を書くときには、次の手順を必ず守ることにしていたそうです。

1. 要旨:この報告書は複数の読み手を想定している。エンドユーザーに近い読み手は後半部分を重視するので、項目が進むにつれてより詳細な内容にしていく。
2. 未解決の問題:自分の専門範囲でプロジェクトに重大な影響を及ぼす未解決の問題を挙げ、解決するまで毎週報告書に盛り込む。
3. 未終了のオポチュニティ:自分の専門範囲内でプロジェクトにさほど大きな影響を及ぼさない未解決の問題を挙げ、解決するまで毎週報告書に盛り込む。
4. 解決済みの問題:問題が解決したら、「未解決の問題」から「解決済みの問題」に移動させ、解決までの経緯を要約して付記し、次回以降、報告書から削除する。
5. 終了したオポチュニティ:終了したオポチュニティは「未解決のオポチュニティ」から「終了したオポチュニティ」に移動させ、終了までの経緯を要約して付記し、次回以降、文書から削除する。
6. ソフトウェア構成の決定事項:クライアント要件などを満たすソフトウェア構成に関する決定事項を挙げる。これは問題やオポチュニティに挙げられていない、プロジェクトに重大な影響を及ぼし、かつ設計が完了済みのものであることが基本である。
7. 次のステップ:次回完了予定のタスクとその完了期限、および担当者を挙げる。
8. まとめ
(66ページより)

著者はこうした手順を経て制作した報告書に関して、「この報告書のおかげで仕事がやりやすかったんですよ」と評価を得たことがあるそうです。報告書はそれほど、周囲の人に好影響を与える力があるということかもしれません。




オラクルの販路拡大に貢献した人物が、オラクルの最前線で培われてきたメソッドを明かしているというだけあって、本書はとてもパワフルな内容になっています。そして説得力に満ちたひとつひとつの事柄は、さまざまなビジネスにも応用できるはず。ぜひ一度、手に取ってみてください。


(印南敦史)

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